<入れ替わり>子供たちには内緒にしよう ~家族の未来編~(前編)

ある日、突然入れ替わってしまった夫婦。

混乱を避けるため”子供たちには内緒に”と、
子供の前では本人のフリを続ける二人。

そして、その果てに待っていたのは…?

”入れ替わり家族”のその後の物語…!

※「子供たちには内緒にしよう」の後日談デス!
 先に本編を読んでくださぃネ~!

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藤岡家ー。

父・英二(えいじ)と母・月江(つきえ)の
2人が入れ替わってしまったー。

しかし、二人は子供たちが混乱してしまうから、という理由で
子供たちの前ではお互いのフリをしながら
”入れ替わり”を隠して生活を続けていたー。

真面目な性格の長女・麗奈(れいな)と、
やんちゃな問題児の弟・正彦(まさひこ)は、
両親が入れ替わったことを知らないまま、
それでも何とかうまく、家族は日々を過ごしていたー。

しかし、入れ替わりの原因は、
母・月江にあり、
インフルエンザに感染した際に、
何らかの変異が生じて身に着けた特殊な抗体が原因で、
入れ替わりが発生するようになってしまいー、
その後、家族は4人全員を巻き込んでバラバラに入れ替わってしまったー。

父・英二の身体には娘の麗奈が、
母・月江の身体には息子の正彦が、
娘・麗奈の身体には父の英二、
息子・正彦の身体には母・月江がー、
それぞれ入ってしまった状態になってしまったー。

がー、それ以降、入れ替わりは起きず、
計算できない”変異”が原因であったことから、
元に戻ることは困難であることが分かりー、
家族4人は”その状態のまま”生きていくことになったー。

娘の麗奈は、元々”優等生”であったために、
いきなり大人になってしまった自分に戸惑い、
最初に入れ替わった後…中身が月江の時に
転職した会社も退職することになってしまったものの、
すぐに猛勉強して”大好きなペット関係の仕事”に就職、
中身は中学生だったにも関わらず、
一家の大黒柱となって家族を支えたー。

母・月江になった息子の正彦は
月江の身体で、”面白いや!”などと最初は
遊んでいたものの、月江の身体に影響されたのだろうかー、
それとも年齢的に偶然成長する時期が重なったのか、
だんだん真面目に家事をやるようになっていき、
”僕、学校に行かなくてよくなったしラッキーかも”などと
前向きな生活を続けているー。

娘・麗奈になった父・英二は、娘が元々優等生だったこともあり、
思った以上に最初は適応するのに苦労したものの、
何とか次第に状況に慣れて行ったー。

高校生になったころには、自分の身体にドキドキしてしまう、
”煩悩との戦い”にかなり苦戦したものの
やがて、”女”として過ごす時間が長くなるにつれて、
自分の意識が”女になった男”から、”女”に変わったー。
今ではもう、自分の身体に性的なドキドキを感じることは
なくなり、すっかりと”女”として生きているー。

息子の正彦になった母の月江は、
”男”であることを存分に楽しんでいて、
まるで2度目の人生を味わっているみたい、などと
喜んでいたー。
今ではすっかりイケメンになっているものの、
正彦(月江)は、身体を鍛えることや運動にはまり、
すっかり筋肉質な正彦に変わっているー。

現在の家族4人は、そんな状況だったー。

「ーー本当に、ごめんねー」
麗奈(英二)は、数年前に大学時代に出会った相手と結婚、
相手には、”入れ替わり”のことを打ち明けた上で、
それでも”知り合った時の麗奈が、俺にとっての麗奈だから大丈夫”と、
麗奈(英二)を受け入れてくれて、二人の子供が生まれて、
今でも平和に暮らしているー。

そんな麗奈(英二)が、今日、謝罪の言葉を口にしている相手は
”自分自身の娘”であった英二(麗奈)だー。

麗奈が20代後半になった現在、もうすぐ50代、というところに
なっている英二(麗奈)ー
そんな”中身は娘”の元自分に、謝罪の言葉を口にしたのだー。

「ーーーーううんー。お父さんは悪くないよー。
 それに、この身体になって楽しいことも色々あったしー…」
英二(麗奈)は、おしゃれなバーで、ワインを口に運びながら呟くー。

あのあと、英二になった麗奈はペット関係の仕事を始めた後に
独立、今では”業界では有名な”お店を自分で経営するまでに
至っていたー。

「ーお父さんの身体じゃなかったら、多分こんな風に成功してないと思うしー」
英二(麗奈)はそう言うと、
麗奈(英二)は「うんー…そっかー。そうだよねー」と、頷くー。

”英二になった麗奈”も、普段はもうすっかり”男”として振る舞っているものの、
”家族”と会う時”だけ”は元の自分の口調・振る舞いを意識しているー。

一方の麗奈(英二)は、家族と会う時ももう、”女”としての振る舞いが
染みついてしまっていて、元の自分ー
”父”としての振る舞いはできなくなってしまったー。

無理にそうあろうとしたこともあったが、
他の3人から”無理しなくていいよ”と言われて今に至るー。

「ーでも、やっぱり20年以上、人生の時間が減っちゃってるわけだしー
 会うたびに何だか申し訳なくてー」
麗奈(英二)が言うと、
英二(麗奈)は笑いながら、
「ーわたしは大丈夫ー。”濃い”人生を送れてるし、20年分損してるとしても
 その分取り戻してるー」と、
そんな言葉を口にするー

「ーーあはは、そっかー……麗奈がー…」
麗奈(英二)はそこまで言うと、
照れくさそうに苦笑いしながら、
「なんかもうー、”麗奈”のことも”お父さん”って呼ぶ方がしっくりくるんだよねー」
と、そんな言葉を口にしたー。

英二(麗奈)は、そんな言葉を聞きながら
「人前では、常に”お父さん”って呼ぶもんねー」と、苦笑いすると、
「二人の時も、別に”お父さん”でもわたしはいいよー」と、
笑いながら言葉を口にするー。

「ーーあははー」
麗奈(英二)は、そう言葉を口にしながら、
”娘”との久しぶりの時間を過ごすー。

世間的に見れば、自分の方が娘で、
今、隣にいる娘の方が”父”ではあるのだけれどもー。

久しぶりの父娘の時間を堪能した二人は、
時計を確認しながら、
帰る準備を始めるー

「そろそろ帰らないと、裕司(ゆうじ)も心配するからねー」
麗奈(英二)が、そう呟きながら笑うー。

裕司とは、麗奈(英二)の夫の名前だー。

「ーーうん。まぁでも、入れ替わったのが親子で良かったかもねー。
 これが関係ない相手だったりしたら、なかなかこうして
 会えないかもしれないしー」

英二(麗奈)がそう言うと、
麗奈(英二)は「そうだねー」と、静かに言葉を口にしたー。

「ーーー…お父さんー”わたしの身体”を大切にしてくれてありがとうー」
英二(麗奈)は別れ際にそう言葉を口にするー。

麗奈になった英二は、男から女にー、
しかも、年頃の娘になったにも関わらず、
”変なこと”はせずに、普通の少女として過ごしてくれたー。

もちろん、”普通の子”がする程度のHなことをしたりはしているけれど、
娘の名誉を傷つけるようなことは、何もしていないし、
”自分の身体”と同じように大切にしているー。

「ーーはは…当然だよー。
 だって、”娘”の身体だもんー

 大切にするに決まってるでしょ」

それだけ言うと、麗奈(英二)は、少し照れくさそうに
「この姿で言うと、違和感すごいけどー」と、自虐的に笑うー。

「ーーふふ…本当にありがとう」
英二(麗奈)は穏やかな口調でそう言うと、
電話がかかって来たことに気付き、スマホを手にしながら
「またね」とだけ呟いて歩き出したー

「ーもしもし? あぁ、うんー俺だけどー。
 え?あぁ、もうそんな時期かー
 じゃあ、それはー」

英二(麗奈)は電話に出ると同時に、
”麗奈”ではなく、”英二”として振る舞い始めるー。

「ーーーあはは…お父さんー……
 ーーじゃなくて、麗奈ももうすっかり”お父さん”になったんだねー」

麗奈(英二)はそう呟くと、
”自分の前”では今でも”娘”でいてくれてはいるものの、
英二になった麗奈も、やっぱり今ではすっかり”男”としての振る舞いに
慣れている様子の英二(麗奈)の後ろ姿を見つめながら
少し安心したようなー、寂しいような、複雑な表情を浮かべたー。

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月江(正彦)が、帰宅した英二(麗奈)を出迎えるー。

「ーあ、姉さんおかえりー」
月江(正彦)はそう言葉を口にしながら、
”身体は夫”である英二を出迎えたー。

「ーーーただいま~」
英二(麗奈)がそう言葉を口にすると、
「ー父さん、どうだった?」と、月江(正彦)が言葉を口にするー。

「ーーん~?元気そうだったよ!
 正彦にもよろしくって」

英二(麗奈)がそう言葉を口にすると、
月江(正彦)は「ふ~ん」と、それだけ言葉を口にしたー。

”学校に行かなくて良くなったから楽”だとか、
Hなことをしたりして、最初は母・月江の身体になってしまったことを
特に”辛い”とは思っていなかった月江(正彦)ー。

しかし、最近になって、
前向きな”父親になった娘”である英二(麗奈)とは真逆で、
色々考え込むことが増えてきていたー。

「ーーー俺たちさー…
 入れ替わらなかったら、まだ20代だったわけだろー?」

月江(正彦)がそう言葉を口にするー。

「ーーー正彦ー」
英二(麗奈)が戸惑いながら、月江(正彦)のほうを見つめるー。

「ーー…姉さんは、色々考えたりすることはないのかよー?」
月江(正彦)が言うー。

既に入れ替わってから時が流れー、
入れ替わりが起きた当時、ただのやんちゃな子供だった正彦も
それなりに精神的にも成長したー。

がー、今でもやっぱり月江(正彦)は
気持ちの整理をつけられずにいたー。

「ーーー…わたしは…その分、”濃い”時間を過ごせてるからー…」
英二(麗奈)がそう言うと、
月江(正彦)は不満そうに言葉を口にするー

「だって俺たちは高校生としても、大学生としても
 時を過ごすことができなかったんだぞー?
 少しぐらい、不満とかないのかー?」

月江(正彦)は、家にいる間は今でも
完全に”男”として振る舞っているー。
4人の中で一番”入れ替わり”によって変わった現状を
今でも受け入れることができていないー、
そんな状況だー。

「ーーー…月江…いや、正彦だって楽しんでたでしょ?」
英二(麗奈)が言うと、
月江(正彦)は「それは最初はー…でも、もうこの身体って
おばさんだよ!やっぱ俺たちは色々損してるよ!」
と、反論するー。

月江(正彦)のそんな言葉に、英二(麗奈)は
「ーー…でも、元に戻れないんだから、仕方ないでしょー?
 お父さんとお母さんだって、こうなりたくてなったわけじゃないんだから」と、
諭すように言葉を口にするー。

最初でこそ、”月江になった正彦”は確かに楽しんではいたー。
しかし、自分が年老いれば年老いるほど、不満が膨らんでいくー

特に”子供側”になった二人が実家を出て
それぞれ暮らすようになってからはー、
よりその不満は強まったー

”本当は、俺たちがそうなるはずだったのに”
とー。

「ーー父さんと母さんだって、
 本当は若い身体が欲しくて、俺たちの身体を奪ったのかもー!」

月江(正彦)が悔しそうにそう叫ぶと、
「こら!そんなこと言っちゃだめだよ!」と、
英二(麗奈)は、少し声を荒げたー。

「ーーー…もう、飲むのはやめなさいー」
英二(麗奈)が、月江(正彦)から、お酒を取り上げるー。

普段はそれなりに”月江”として生活しているのだが、
最近は酒を飲むたびにこれだー。

「ーーーーーーー…ちぇ」
月江(正彦)は、不満そうにそう呟くと、
そのまま立ち去っていくー。

正彦になった母・月江は、
何かの研究機関に就職して、全然連絡もつかないし、
麗奈になった父・英二は、結婚して家庭まで持っているー。

「ーーーーーふん。父さんと母さんが俺たちの身体と人生を奪ったんだー」

愚痴を呟きながら、自分の部屋に向かう月江(正彦)ー…。

”入れ替わった4人”ー。
それなりに上手く生活は出来ていたー。

けれど、やっぱり”全て上手く”というのは難しいー…。

色々戸惑いながらー、
進んでいくー。
そんな状況の中、特に母になった息子・正彦は
未だ、戸惑いの中、苦しみ続けていたー

<後編>に続く

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コメント

以前、この作品のその後を見て見たい!という
お声を頂いたので、後日談を書いて見ました~!

それぞれの家族の立場を想像しつつ、
”やっぱり、完全に円満に進むわけなさそう…”
ということで、こんな感じのお話になっています~!☆

毎週火曜日のみ予約投稿の都合上、
続きは来週ですが、ぜひ楽しんでくださいネ~!

コメント

  1. 匿名 より:

    時代は入れ活の後日談もあったら読んでみたいです

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!★

      実現できるかどうかは分かりませんが、
      私の手元のメモには書いておきますネ~!

  2. 匿名 より:

    うーん、麗奈より、正彦の損してるという認識の方が正論な気がしますね。
    単純な寿命を別としても、貴重な青春時代を丸ごと失ったのは大きいですし、若い身体になれて得してるのは明らかに元親側の方ですしね。

    だからと言って狙ってやった訳でもないのに、奪ったとまで言うのは言い過ぎな気もしますが。

    それにしても元姉弟、現夫婦の二人が性行為とかしてるのかどうかが気になりますね。そこらへんのとこ、どうなんでしょう?

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆★

      色々大変な状況になってしまってますネ~!
      正彦くんの考え方をする子の方が私も多そうな気がします~!☆

      現夫婦の二人は、特に何もしていません~★笑