一見”普通”に見えるその5人家族ー。
しかしその家族は、
全員”TSF”な出来事と何らかの関係を持つ家族ー。
ある者は憑依、ある者は入れ替わり、ある者は女体化ー…
様々な事象に関係を持つ家族だったー。
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「ーお邪魔します」
頭を下げながら、”水島(みずしま)と書かれた家に入っていく男ー。
彼は、この家のお風呂の修理をするためにやってきた業者だー。
「ーよろしくお願いします」
穏やかな雰囲気の母親・琴絵(ことえ)が、頭を下げながら
そう言葉を口にすると、
早速、お風呂場の方に向かうー。
先日、この家の給湯器ー…
お風呂に欠かせないその道具が故障してしまい、
今日、修理業者が家にやってきていたのだー。
「ーふむふむ…なるほどー」
修理業者の男、根本 将輝(ねもと しょうき)は、
そう呟くと、早速修理を開始するー。
「ーーー何かあったら、お呼びしますのでー」
将輝がそう言うと、
母・琴絵は「分かりましたー」と、穏やかに微笑んでから、
そのまま、リビングの方に向かって行くー。
「ーーーー…」
チラッと修理業者の方を見つめる琴絵ー。
そして、リビングに戻ると、琴絵は笑みを浮かべながら
”次女”の由美(ゆみ)に対して言葉を発したー
「なぁ、あの修理業者の男ー、
由美が誘惑したら、落ちそうじゃない?」
琴絵が、とても娘に話しかけるような口調じゃない言葉で
そう言い放つと、
次女の由美は「ーークククー またまた”お母さん”ってばー」と、
邪悪な笑みを浮かべるー。
「ーま、でも揶揄ってみるのは面白いかもなー」
と、由美はまるで男のような口調で言葉を口にするー
見た目と、声は可愛らしいのに、中身は全くの別人にも
見えるような、そんな振る舞いだー。
同じ部屋にいた長女の遥香(はるか)は、
そんな母親と妹のことを見ながら苦笑いすると、
「ーほらほら、あんまり”外の人”に、違和感与えるようなこと
しちゃだめでしょ?」と、苦笑いするー。
その言葉に、妹の由美は
「え~…でもさぁ、こういう可愛い身体で男を誘惑すると
ホント、面白いんだよー
中身が”俺”みたいなクズでも、男はすぐ顔を真っ赤にして
ヘラヘラしちまうんだからー」と、
自分を指差しながら笑ったー。
「ーーー全くー…物好きなんだからー」
長女・遥香は呆れ顔で首を横に振ると、
それ以上は何も言わなかったー。
この家、”水島家”には
”ある秘密”があったー。
父・克樹(かつき)
母・琴絵
長女・遥香
次女・由美
三女・樹里(じゅり)の
5人家族ー。
一見すると、ごく普通の”雰囲気”に見える家族であるものの、
実は”全員、血の繋がりは存在しないー”
それぞれ、別の場所からやってきた人間で、
しかも、それぞれに”表ざたにできない事情”があるー。
憑依、入れ替わり、皮、女体化ー…
それぞれが、それぞれの決して表にできない理由を
持っているのだー。
かつて、ある研究施設から5つの研究中の技術が盗み出されたー。
それが憑依薬、入れ替わりの糸、女体化薬、人を皮にする注射器、変身薬ー。
それらは、裏社会を通じて色々なルートで売りとばされ、
最終的に5人の持ち主が、それぞれ手に入れ、自分の欲望のために使用した。
そして、5人とも一度は”それが理由”で警察に身柄を
確保されたものたちー。
しかし、法律上、憑依や入れ替わり、皮…
そういったものを裁くことはできない。
法律に未知の現象については記載されていないからだー。
そのため、この5人を拘束しておくことには限界があったー。
とは言え、法律を変えることも難しく、
法律を強引に変えれば、憑依や入れ替わりのことが表ざたに出る可能性もあり、
それもできなかったー
その結果、頭を悩ませた国の特殊機関が
”秘密を絶対に明かさないこと”そして、”家族として監視下の元、生活を続けること”を
条件に、この5人を”家族”として一か所に集めて
表向きは普通に生活を続けさせているのだー。
家族として5人を集めた理由は、
それぞれバラバラの場所で生活させるよりも、一か所に集めた方が
”監視”しやすいためー。
5人にはそれぞれ、自由と引き換えに秘密と、法律を守るように
伝えてあり、それを破れば今度こそ死が待っていると、
そう伝えてあるー。
憑依や入れ替わり、人を皮にする力ー、
そういったものの数々が明るみに出れば、
世の中は大混乱に陥る。
それを、防ぐためのやむを得ない措置だー。
「ーーへへへ…ちょっと揶揄ってこよっと」
修理業者の将輝のいる方に向かって行く次女の由美ー。
彼女は男に”憑依”されているー。
秘密技術を研究する研究所が襲撃された際に奪われた”憑依薬”を使った男が
当時、中3だった由美に憑依したのだー。
そしてー、由美の身体を使って家に放火、両親の命を奪い、
当初は”唯一生き残った被害者”のフリをして、邪魔な両親を排除した上で、
由美の人生を奪おうとしたー。
がー、奪われた憑依薬を追跡していた特殊対策チームにより、
由美が憑依されていることが突き止められて、由美は拘束されたー。
「ーーー全くもう!お母さんってば!
わたしたちは”家族”として暮らしてないと”殺される”んだからね!」
長女の遥香は
同じ研究所から盗み出された”変身薬”を使って
女子大生に変身している男ー。
が、その”オリジナル”の遥香は既にこの男が山中で始末したらしく、
本物はもうこの世にはいない状態ー。
しかし、遥香に変身している男は比較的しっかり者なのか、
特に次女の設定である由美や、母の設定である琴絵が
好き放題することに頭を悩ませ、いつも注意を繰り返しているー。
「ーーふふ ある程度は大丈夫さー
誘惑するぐらい、法律に違反はないんだしー」
母・琴絵はそう言いながら笑うと、
イスに座って自分の胸を揉み始めるー。
彼女はー、同じ研究所から盗み出された”女体化薬”を手に入れて
女体化した元・男。
女体化した後に、男を相手にした詐欺行為を繰り返して捕まり、
”女体化薬を使った人間”であることが判明、
特殊対策チームによって、拘束された状態が続いていたー。
「ーそういえば、樹里は?」
遥香が、三女・樹里の言葉を口にするー。
「ー樹里はまた部屋でエロゲーでもやってるんじゃないか」
琴絵がそう答えるー。
三女・樹里は
盗み出された”人を皮にする注射器”で皮にされた少女。
中身の男は、元々オタク趣味を楽しんでいた男で、
樹里を皮にして着てからは、
樹里の身体で好きなキャラのコスプレをしたり、
樹里の身体でHなゲームをプレイして、同じシチュエーションで楽しんだりして、
部屋に引きこもっているー。
親はシングルマザーの母親で、
樹里のおかしな態度で精神的にやられてしまい、
既に自ら命を絶ってしまっている状態ー。
そしてー、現在、会社に出かけている
父親の克樹は”入れ替わり”経験者ー。
唯一、中身が”女”の人物で、
盗み出された”入れ替わりの糸”で、
イケメンな容姿の”克樹”の身体を強引に奪った女だー。
彼女自身は、入れ替わり以外、特に大きな罪は
冒していないが
”盗み出された入れ替わりの糸を使った人物”として
身柄を拘束されたー。
なお、”元々の克樹”は、
入れ替わった直後に、”俺の身体を返せ!”と、
克樹になった女を追っている際に交通事故に遭い、
意識不明の昏睡状態がずっと続いているー。
そんな5人が、この家では
”表向きは家族”として生活を続けて居るー。
もちろん、5人の行動は”常に”監視されていて、
問題を起こせば、今度こそ”秘密裏”に処理されるー。
政府としてもそのようなことはしたくないが、
この5人のうち、誰かが問題を起こすようであれば
最終手段として”法律を超えた手段”でこの者たちを
処理することも検討はされているー。
「ーーーーあの~~~」
次女で女子高生の由美が、修理業者の将輝に向かって
近付いていくと、
可愛らしい仕草を交えながら、
”わざと”身体を密着させたりして、修理業者の将輝を誘惑していくー。
「ーーーわぁ~すごい♡」
修理業者の手際の良さを甘い声で褒める由美ー。
将輝は露骨に嬉しそうにしながら、お礼の言葉を口にしているー
”へへへへー外見が可愛い子の身体ってだけで、
どいつもこいつも分かりやすくて、ホント、面白いぜー”
外見は可愛い女子高生、中身は邪悪な憑依人ー。
そんな由美の本性に気付く人間は少ないー。
由美はわざと髪が、修理業者の将輝に触れるようにしながら、
嬉しそうに話を続けて居ると、
「ーーほら、由美ー。修理のジャマになるでしょ?」
と、見かねた長女の遥香が、声をかけて来るー。
「ーえ~?わたしはお兄さんを応援してるだけ~
ね?」
由美が甘い声を出しながら修理業者の男・将輝をほうを見つめるー。
将輝は「あ、は、はいー」などと顔を赤らめているものの、
長女・遥香は「ほら!困ってるでしょ!」と、
由美に部屋に戻るように促すー
「ーーも~お姉ちゃんってば~分かったよ~」
由美は露骨に不満そうにしながら部屋に戻っていくー。
「ーすみません。妹が邪魔をしてしまってー」
遥香は修理業者の将輝に対して、そんなお詫びの言葉を口にすると、
家族がいるリビングの方に戻っていくー。
「ーー……ったく、せっかく俺が楽しんでたのにー」
リビングに戻ると、由美が”中身”の人格を隠そうともせずに
そう呟くー。
「ーダメでしょ。あの人は一般の人なんだしー
それに、あまり変なことしてると、わたしたちは消されるんだからー」
長女・遥香が不満そうにそう言うと、
母親の琴絵は「”遥香”は心配性だなぁ、大丈夫だってー」と、
女体化した自分の身体を触りながら笑みを浮かべたー。
「ーーも~…こういう時は、部屋に引きこもっててくれる樹里の方が
扱いやすいなぁ」
遥香は不満そうにため息をつきながら、そう呟くー。
三女の樹里…
人を皮にする注射器で樹里を皮にして乗っ取っているオタク男は、
今日も部屋に閉じこもり、樹里の身体でコスプレして
Hなゲームを楽しんでいるー。
本人曰く、女の身体でコスプレしてプレイするエロゲーは最高だ、
だとか何とかー。
遥香には理解できなかったが、
時々、次女の由美も一緒になって、百合なゲームをプレイして
ゲームと同じシチュエーションを樹里と一緒に楽しんだりしているー。
そうこうしているうちに、修理業者による修理は終わり、
将輝が「修理は終わりましたー」と、母親の琴絵を呼ぶー
「ーーお、終わったみたいだなー」
小声で呟くと、何度か咳払いをしてから、琴絵は
「あ、は~い」と、普通の母親らしい声を発して、
そのまま修理業者・将輝のいるお風呂場へと向かって行くー。
説明を受ける琴絵ー。
そんな様子を見つめながら、由美は
「あ~、また好き放題やりてぇなぁー。
捕まらなきゃいんだしー」と、小声で呟くー。
「ーそういうこと言っちゃだめでしょ!
こうして一応は自由に暮らせてるだけで、まだマシなんだからー」
長女・遥香が言うと、
由美は「はいはいー。”家族ごっこ”も楽しいですね~」と、
皮肉っぽく反応したー。
本当の家族ではない”5人”ー
しかし、5人は家族として生活を続けるしか、道はないー。
それをやめて逃げ出そうとすれば、
”処理”されるのだからー。
表沙汰にできない罪人として、5人で”家族ごっこ”を続けるしかないー。
「ーーーーー監視結果報告ー」
修理業者として出入りしていた男・将輝が呟くー。
彼はー、”水島家”を監視する監視員の一人ー。
5人が何か問題を起こしていないかを監視するため、
ある時は修理業者として、ある時は宅配便、ある時はデリバリーとして
この家を見張っているー。
「ーーそうか、ご苦労ー」
5人の監視の責任者は、将輝からの報告を受け、頷くー
将輝との連絡を終えると、責任者の男は
”異常なし。強いて言うなら次女の由美が若干危険”という
メッセージを確認すると、
「ーまぁ、やつらに逃げ場はないー。
このまま穏便に家族ごっこを続けるのが
お前たちにとっても、こちらにとっても、WinWinだろう?」
と、男は静かにそう呟いたー…。
②へ続く
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コメント
憑依、入れ替わり、変身、女体化、皮ー…
それぞれに関係する人間が”家族”として生活しているお話デス~!☆
(父親は仕事中で帰って来ませんでしたケド…笑)
続きもぜひ楽しんでくださいネ~!☆!
今日もありがとうございました~!
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