<女体化>許せないのにかわいい①~混乱~

彼は学校でいじめを受けていたー。

ある日、そんな彼をいじめていた男子が
”女体化”したー。

許せないのにかわいいー
そんな状況に陥った彼の運命はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼は、まさか自分が”いじめ”の対象に
なってしまうなどとは、夢にも思っていなかったー。

”俺にはいじめなんて関係ないー”

ずっと、そう思って来たー。

いじめの加害者になることもないし、
いじめの被害者になることもないー。

彼自身、人付き合いがあまり好きではなく、
高校生になるこれまでも、あまり友達を作らずに
過ごして来たタイプ。

がー、気弱な性格ではないし、奥手な性格でもない。
強いて言えば、ただただ面倒臭がりの人間嫌いで、
何かトラブルがあっても極力スルーして関わろうとしないー。
そんなタイプの男子だったー。

しかしー…
彼は今、”いじめ”を受けているー。

篠塚 恭平(しのづか きょうへい)は、今日も
学校にやってきて、ため息をついたー。

机に軽く落書きされていたのだー。

「ーー暇な野郎だな」
恭平は思わずそう呟くと、その落書きを消し始める。
今日の落書きは鉛筆か何かで書いたのだろう。
消すことは安易だったー。

恭平は落書きを消すと
”いつか潰す”と、そう心の中で呟きながら、
廊下側の座席にいる男子生徒のほうを見つめたー。

根津 克明(ねづ かつあき)ー
恭平をいじめている男子生徒だー。

恭平に”いじめ”を繰り返しているのは、
この克明と、もう一人、克明の彼女である栄恵(さかえ)という女子生徒の二人のみー。

いじめに加担している人数は、
人数的には少ないのだが、
他人と関わるつもりのない恭平には”味方”と呼べる存在もいなかったー。

仲良しのクラスメイトがいないこと、
そして、恭平自体、近寄りがたい雰囲気を持っていることから、
誰も恭平のことを助けようとはせず
”関わろうと”しなかったー。

そのため、恭平に対する二人の”いじめ”は止まらず、
恭平も手を焼いているー。

”実力行使してもいいなら、
 あんな二人、すぐにぶっ潰せるんだけどなー”

恭平はそう思いつつ、消しゴムで落書きを消し終えると
そのまま静かに着席するー。

恭平自体は気弱な性格ではないし、
運動神経も良いー。
そのため、いじめっ子二人を叩き潰すことは
いくらでもできたー。

だが、恭平は学校で荒事を起こしたくない気持ちの方が強く、
”今のところは”そのまま放置していたー。

「ーーーケッ、あいつ、いつも
 すかした態度取りやがってー
 ホント、むかつくぜー」
いじめっ子の克明は彼女の栄恵のほうを見ながら、
そんな言葉を口にするー。

「もう放っておこうよー。ああいうタイプって
 急に切れそうだしー」
栄恵がそう言うと、克明は「へへ、どうせ何もできやしないって」と、
軽い言葉を口にするー。

克明が、恭平をイジメだした理由は
”いつもカッコつけてる感じがしてむかつくから”という理由だった。
それ以上でも、それ以下でもないー。

それ以来、嫌がらせを繰り返していて、
何度か空き教室に呼び出して、直接的な嫌がらせを
行ったこともあったー。

だが、恭平はそれでも、冷静な態度を崩すことなく、
その反応が克明を次第にエスカレートさせつつあったー。

「ーーー…イスに画鋲でも置いてやるか」
克明がニヤニヤしながらそう呟くと、
栄恵は「ーあはは、マジで最悪じゃん!」と言いつつも
笑いながら”面白そう”と言わんばかりの表情を浮かべているー。

そしてー…
その日の昼休みー。
克明は恭平のイスに画鋲を実際に設置したー

何も知らずに戻って来る恭平ー。
恭平は、画鋲に気付かず、イスに座るーー

「ーーー!!!!!!!!」
当然のように走る激痛ー。

「ーーっっっ… いってぇな!」
恭平は思わず声を荒げるー。

そんな恭平の様子を見ながら、ヘラヘラと笑う克明ー。

恭平は椅子に画鋲が置かれていたことに気付くと、
それを手にして、克明の方に向かって行くー。

「ーへへーなんだ?オイ?やるのか?」
克明が向かってくる恭平に対して笑うー。

「ーん?なんだ?暴力か?やってみろよ!
 暴力振るったら、先生に”いきなり殴られた”って言いふらしてやるからよ!」
克明は、なおも向かってくる恭平に対してそう叫ぶー。

がー、それを無視して克明の目の前にやってきた恭平は、
その画鋲を克明の机に突き刺すと、
笑みを浮かべたー。

「ーーそろそろ、いい加減にしとけよ?」
恭平が笑いながらそう言い放つー。

克明はそんな恭平を見つめ返しながら笑うと、
「ーへへへ…なになに?”俺はキレると怖いんだぞ?”アピールか?」と、
挑発的な言葉を口にするー。

「ーーーーーー…」
恭平は、克明の挑発には乗らず、無言で笑みを浮かべながら頷くー。

「ーーへへ…図星かー」
克明は勝手に図星だと解釈すると、
「ーお前がいつもカッコつけてるから悪いんだぜー?
 クールぶりやがって。」と、そんな言葉まで口にするー。

がー、恭平はそれには応じずに
「ー俺をいじめて、何か面白いのか?」と、それだけ言葉を口にしたー。

「ーあぁ、面白いさ!」
そう言い返す克明ー。

「ーー…」
恭平は呆れ顔で首を横に振ると、そのまま自分の座席の方に向かって
立ち去って行ったー。

そしてー、
その日以降も”嫌がらせ”は続くー。

だんだんとその嫌がらせはエスカレートし、
完全な”いじめ”と化すー。

が、恭平はあくまでも”できるだけ関わりたくない”を貫きー、
涼しい顔をして、いじめに耐える日々を送っていたー。

我慢して、終わるのであればそれでいいー、
という考えだったー。

しかしー、いつまで経っても克明のいじめは終わらないー。

ついにー、恭平は我慢の限界を迎えたー

その日の放課後ー
恭平が下校するために下駄箱に向かうと、
そこにあったはずの”靴”がなくなっていたー。

靴の代わりに、そこに置かれていたのは”手紙”ー。

手紙には
”お前の靴は、西校舎3階の男子トイレの中にあるぜ”
と、そう書かれていたー

恭平は舌打ちすると、「ホント、面倒くせぇな」と
呟いてから、そのまま西校舎3階の男子トイレへと向かうー。

だがー、西校舎3階の男子トイレに到着すると、
そこにはーーー

”バーカ”とだけ書かれた紙が便器に
張られていたー。

「ーーーーーー」
それを見た恭平はその紙を掴んだー。

そしてー、
うすら笑みを浮かべたまま、紙をぐしゃぐしゃにすると、
静かに呟いたー

「殺す」
とー。

もちろん、実際に命を奪うつもりで言った言葉ではないー。
しかし、これまでの嫌がらせで、ついに恭平も我慢の限界を
迎えてしまい、
”明日”克明のことを二度とこんな舐めた真似ができないように
”半殺し”にするつもりだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

恭平がついに”キレて”しまったことも知らず、
のんきにいつも通り生活していた克明ー。

今日もいつも通り過ごし、いつも通り就寝したー。

がー…
問題が起きたのはその翌日だったー。

”問題”と言っても、
”恭平がキレて、報復を受けた”ーーーわけではない。
その”前”に予期せぬ問題が発生したー。

それがーー

「ーーうぉぉぉぉぉぉぉ!?なんだこれ!?えっ!?」

朝ー
克明は自宅の洗面台の鏡に向かってそう叫んでいたー。

「なんだい?朝っぱらから。うるさいよー」
母親が呆れ顔でそんな言葉を口にしながら
洗面所の方にやってくるとー、
そこにはーー
”見知らぬ美少女”の姿があったー。

「ーーえっ」
戸惑う母親ー

その美少女は、母親に向かってこう言葉を口にするー

「お、お、俺だよー克明ー…
 起きたら、女になっていてー」

そう説明する克明ー。

そう、克明はこの日ー、
突然、女体化してしまったのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

恭平は、いつものように学校に登校したー。

”いじめ”と呼べるような行為を受けているのは事実ー。
だが、恭平は単に”面倒臭い”から野放しにしてきただけであり、
”反撃できるいじめられっ子”だー。

今日は、克明のやつを半殺しにしてやろうー、
と、そんな風に思いながら学校へとやってきていたー。

がー、
その時だったー。

「ーーー」
職員室に提出物を提出しに行ってから
教室に向かおうとしていた恭平は見慣れぬ女子高生の姿を見かけて、
「ーーどうかしたのか?」と、言葉を口にしたー。

「ーーあ?」
可愛らしい姿の彼女は、その姿とどこか不釣り合いな反応をすると、
すぐに「あ、あぁー、い、いやー…そのー」と、
気まずそうに言葉を口にするー。

「ーー…見かけない顔だけどー…転校生?」
恭平はそう尋ねるー。

別に、相手が女子だから声をかけたのではないー。
恭平は、困っている人を見ると、”トラブル”にならなそうなことであれば、
手を差し伸べることもあってー、
今も、”いつも通りの行動”だったー。

「ーて、て、て、転校生…かなぁ」
相手の女子はそんな言葉を口にすると、
恭平は「ーふーん…何年生?」と確認すると、
自分と同じ学年であることを知り、
「あ~じゃ、今からどうせ教室に行くから、ついでに案内するよ。
 で、何組?」と、クラスを確認しながら歩き出したー。

「ーーし、C組」
その返事に「へ~俺と同じじゃん」と言いながらも、
特にそれ以上、会話を弾ませずにそのまま教室へ向かって行くー

「ーーーー」
恭平の背後を歩く女子は、かなりソワソワとした様子ー。

それもそのはずー…
この”見慣れない女子”は、女体化したいじめっ子・克明だったー。

両親に相談したところ、両親はすぐに学校に連絡ー、
学校に早く到着して、校長や担任と話し合った末に、
”女子の制服”を渡されて、今に至るー。

状況は担任から説明するー、とのことだったが、
克明は今の状況に戸惑いー、
しかも、一番最初に声をかけてきたのが、
自分自身がいじめている相手であることに戸惑っていた。

”くそっ…実は俺なんて、言えねぇ”
そう思いながら、教室に到着した恭平と
女体化した克明ー。

「ここがC組ー。
 座席はー…先生が来たら教えてくれるんじゃないかな」

そう言いながら、女体化した克明を放置して、
そのまま自分の座席に向かうー。

クラスは”転校生として可愛い子がやってきた”と、
騒ぎ始めるー。

状況的に、”女体化した克明”は、自分であると言えなくなってしまい、
苦笑いしながら、その状況が続いているー。

しかし、ずっと隠しきることはできないー。
教室に担任の先生がやってくると、
転校生の紹介を楽しみに目を輝かせる生徒たちー。

がー、彼女…いいや、彼は転校生ではない。

女体化した克明なのだからー
元々この学校にいた生徒でしかないー。

”あれ…そういえば今日、克明いなくないー?”
いじめっ子・克明の彼女である栄恵が少し不思議そうに
克明の座席を見つめていると、
担任の先生が言葉を口にしたー。

「みんな、もう本人から聞いているとは思うが、驚かないで聞いてほしい」

そんな先生の言葉に”本人”は、困惑の表情を浮かべるー。

”ま、まだ言えてねぇ…”
とー。

そんな克明の葛藤を他所に、先生は説明を始めるー。

「根津は、今朝起きたらこのように”女”になっていたらしいー。
 そんな現象、聞いたこともないが、でも残念ながらこれは現実だ。
 ひとまず、元に戻れるまでの間、女子として生活してもらうことに
 なったからー

 まぁ、何と言うか、仲良くしてやってほしい」

担任の先生も戸惑っているのか、少し戸惑いの表情を浮かべながら
そう説明するー。

「ーーえっ…?」
”いじめ”を受けている恭平が表情を歪めるー。

「ーーーえ…??? え…???」
理解が追い付かないー。

がー、恭平が言葉を発するよりも前に、
女体化した克明の彼女・栄恵が声を上げたー

「えっ!?!?えっ!?!? か、克明なの!?」
とー。

女体化した克明は顔を赤らめながら頷くー。

クラス中にどよめきが起きる中ー、
恭平は”ーーあ、あいつが根津ー?”と、
今日、”半殺しにしてやる”と、決意して学校にやってきていた恭平は
只々、困り果てたような表情を浮かべたー。

②へ続く

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コメント

いじめっ子の方が女体化してしまうお話デス~!

今回は、いじめられている側も気弱なタイプではなく
少し珍しいタイプ(気弱ではない)にしてみました~☆!

続きはまた明日デス!!

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