”教育のために”
いじめを見かねた担任教師は
いじめっ子といじめられっ子の身体を入れ替えてしまう…
しかし、事態は先生の思い描くようには進まずにー…?
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結局ー、二人は”相手の家”に帰宅することになったー。
正門前で戸惑っていた淳司(香奈)を見つけた
香奈(淳司)は”とりあえずお前は俺の家に帰れよ”と、
そう言葉を口にして、住所を伝えたー。
身体の入れ替わりなど、家族には信じてもらえないだろうし、
入れ替わりのことを仮に説明するとなると、
”先生にそんなことをされた原因”を話す必要があるし、
嘘の理由を話したとしても、親が先生に対して
”うちの息子に何てことしてくれたんだ!”みたいなことを
言い始めてしまった場合、いじめのことが親にバレてしまう
可能性があるー。
そのため、淳司は”お互いに相手のフリをして、相手の家に帰ること”を
提案ー、そのまま二人はお互いの家に帰宅したのだったー。
「ーーへへへへ…やべぇじゃん… へへー」
帰宅した香奈(淳司)は、香奈の可愛らしい部屋の中で
その部屋とは不釣り合いな邪悪な笑みを浮かべていたー。
鏡の前で、自分の胸を揉んで嬉しそうに笑う香奈(淳司)ー
「んひひひひー…秀美のより、触り心地がいいぜー…
あ、いやー…自分で自分のを揉んでるから
感覚が違うのかもなぁ…」
普段の香奈が絶対に浮かべないような笑みを浮かべながら、
香奈(淳司)は、”淳司の彼女”である秀美のことを
思い出しながら、
胸の触り心地を比較する言葉を口にするー。
「ーえへへへ…ってか、コイツも意外と可愛いかもなぁ」
鏡で、香奈の顔をじっくりと見つめながら、
香奈(淳司)は笑うー。
そのまま満足がいくまで顔をじっくりと見つめると、
足を広げてベッドに座りながら
「しっかし、熊沢のやつも馬鹿だぜ」と、
担任教師・熊沢の名前を出してあざ笑うー。
「身体を入れ替えたら俺が反省するぅ~?
そんなわけないだろ?むしろラッキーすぎるだろ」
香奈(淳司)は、制服のスカートを自分でめくって
ケラケラと笑うー。
「ーーひひひひっ こいつがこんなことするなんてー…
へへ やべぇ興奮してきたー」
香奈(淳司)はニヤニヤしながら、嬉しそうに
自分の姿を見つめるー。
あまりに興奮して、香奈の親がご飯が出来たと呼ぶ声も
耳に入らず、そのまま一人、鏡にキスをし始めたー。
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翌朝ー。
淳司として、1日を過ごした”香奈”は、
淳司の身体で学校にやってきていたー。
昨日は大変だったー。
”慣れない身体”で”知らない家”で過ごすー、
ということはとても大変で、
淳司の両親からも、色々と変な目で見られてしまったし、
トイレを済ませる時にはとても混乱したし、
とてもイヤな気持ちになったー。
お風呂に入る時もそうー。
なんだかいけないことをしているような気がして、
頭がとても混乱してしまったー。
洗面台でー、お風呂場でー、
鏡に”淳司”の姿が映る度に、ビクッとしてしまったりもして、
とても”疲れる”1日を過ごしたー。
”先生に言って、早めに元に戻してもらおうかな”
淳司(香奈)がそんなことを考えていると、
淳司の彼女である秀美が声をかけて来たー。
「おはようー」
秀美の言葉に、淳司(香奈)は少しビクッとするー。
最近でこそ、秀美だけはいじめから手を引いている状況では
あるものの、元々、淳司と一緒になって香奈のことを
いじめていた相手だー。
当然、苦手意識はあるし、”怖い”という感情は今でもあるー。
けれどー
今の香奈は”淳司”の身体ー。
少なくとも、中身が香奈だとバレたりすることさえなければ
秀美から何かをされる心配はないはずだー。
「ーーお、お、おはよう…」
淳司(香奈)が、引きつった笑みを浮かべながら
そう答えると、秀美は「なんか…元気なくない?」と
少しだけ心配そうに言葉を口にしたー
「え…?え…?そ、そんなことないよ~!
ほら、わたしはこの通り元気元気」
淳司(香奈)が慌てた様子でそう言うと、
秀美は「”わたし”…?」と、不思議そうに首を傾げたー。
「あ、あっ!あっ!あっ…違う…え、えっとー」
淳司(香奈)が半分パニックになりながら、
次のセリフを発しようと頭をフル回転させるー。
が、その時だったー。
「ーーおい!」
背後からやってきた香奈(淳司)が声を発したー
「ーー!?」
驚いて振り返る淳司(香奈)ー。
そして、淳司(香奈)と話をしていた秀美も驚いているー。
香奈が”おい”などと言うようなタイプではないからだー。
「ーー俺の身体で何やってんだよー」
香奈(淳司)がそう言うと、
淳司(香奈)は「えっ…」と、戸惑いの表情を浮かべるー。
「ーーーー俺の彼女に近付くんじゃねぇよ。消えろ」
香奈(淳司)がそう言い放つー。
いつもとは違う表情・口調ー。
髪型もいつもとは違っていて、”自分”なのにまるで別人のような
雰囲気に見えるー。
しかも、いつもとは違ってメイクもしているようだー。
「ーーーくく…似合うだろ?」
香奈(淳司)が小声でそう言うと、
そのまま秀美に向かって笑うー。
「ーー実は俺さ、昨日、先生に入れ替えられちゃってさ」
香奈(淳司)がそう言うと、
「信じられないだろ?俺が女子なんてー」と、笑いながら
嬉しそうに髪を触るー。
しかしー
「は…?あんた何言ってんのー?」
淳司の彼女・秀美は困惑した表情で、香奈(淳司)に向かってそう言い放ったー
「ーーは???いや、だから入れ替わりー」
香奈(淳司)がそう言うと、
秀美は「わけわかんないー…そういう変なこと言ってると、
いじめも酷くなるかもよ」と、ため息をついて、
淳司(香奈)のほうを見るー。
「こんなやつ、放っておいていこ」
秀美がそう言うと、淳司(香奈)は気まずそうに香奈(淳司)のほうを見つめるー
「お、おいっ!お前も何とか言えよ!
俺たち、入れ替わってるだろー!?」
香奈(淳司)の言葉に、ビクッとする淳司(香奈)ー
だが、ここで入れ替わったことを認めてしまったら、
入れ替わっていてもいじめられる結果になりそうだと思った
淳司(香奈)は、静かに呟いたー
「ーーーのことー?」
とー。
「ーあ?」
あまりよく聞き取れなかった香奈(淳司)が首を傾げるー。
そんな様子を見て、淳司(香奈)は、
「何のこと?」と、今度はハッキリとした声で叫んだー。
「ーーー…何の事だか、わた…いや、俺、分からないなぁ!」
淳司(香奈)はそう言い放つと、
香奈(淳司)は顔を真っ赤にして「お、おい!秀美!そいつは俺じゃない!」と、叫ぶー。
しかし、秀美は「ーそういうの、いいから」と、
香奈(淳司)に言葉を吐き捨てて、淳司(香奈)と共に
教室の方に向かってしまったー
「く、くそっ!」
香奈(淳司)は怒りの形相で歯ぎしりをすると、
そのまま教室に向って走り出すー。
「みんな!そいつは俺じゃない!
俺と峯島は入れ替わっちゃったんだ!」
そう叫ぶ香奈(淳司)ー
香奈のことを心配している幼馴染の男子・圭太も、
困惑した表情で香奈(淳司)のほうを見つめるー。
がー、
秀美の友達の女子生徒たちが、香奈(淳司)のところに
やってくると、
「あんた、何言ってるの~?」
「入れ替わりとかさ、アニメの見すぎじゃない?」
「ついに妄想し始めちゃった~?」と、
揶揄うような言葉を、次々と口にしたー。
「ーち、ちがっ!俺は本当に茂木淳司で、あっちがー」
そう言いかけると、
「意味分かんない」と、秀美の友達の一人に髪を引っ張られてしまうー
「ーねぇねぇ、こいつ寝ぼけてるんじゃない?
ちょっと、目を覚まさせてあげようよー」
三人組の一人がそう言うと、残りの二人が頷くー。
香奈(淳司)は「お、おい!ちょっと待て!」と、必死に
叫んだものの、そのままその三人に女子トイレに連れ込まれて、
個室の上からバケツで水を掛けられてしまったー
「あははは!どう~?目、覚めたぁ~?」
その言葉に、
香奈(淳司)は「ーーお、お前らー…俺は茂木なんだよ!」と、
ずぶ濡れになりながら叫ぶ香奈(淳司)ー
「ーあはははっ!あり得ないんだけどー
ついに頭おかしくなっちゃったの?」
女子の一人が笑いながらそう言い放つー。
「ーち、違うっ!だ、だったら!それを証明してやる!」
香奈(淳司)は、半分涙目でトイレの個室から出てくると、
濡れた状態のまま、”淳司”の個人情報を慌てて口にし始めるー。
がー
三人組の女子は、”コイツキモいんだけど”と、そう言葉を
吐き捨てながら、ヒソヒソと笑い始めたー。
「ーーー…峯島、ストーカーじゃん」
「ーマジでキモい」
”香奈”をストーカーだと決めつけて、あざ笑う三人組ー。
「ーーち、違う!俺はストーカーじゃない!俺が茂木だ!」
香奈(淳司)は真っ青になりながら叫ぶー。
「コイツさ~まだ寝ぼけてるんじゃない?」
「ーあははっ!じゃあ、もう1回、水、かけてあげよっか」
笑いながら三人組の女子は、再び香奈(淳司)を
トイレの個室に押し込もうとするー。
抵抗しようとする香奈(淳司)ー。
しかし、淳司からすれば”ひ弱な”香奈の身体では
抵抗することが出来ず、そのまま女子トイレに押し込まれてしまうー。
そして、再び水をかけられてしまった香奈(淳司)は、
そのまま授業に出ることもできず、一人、トイレの個室で
悔し涙を流し続けたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー…だ、大丈夫ー?」
”香奈”の幼馴染である圭太が、ジャージに着替えて
教室に戻って来た香奈(淳司)を心配するー。
圭太や他のクラスメイトたちは熊沢先生が仕掛けた
”入れ替わり”のことを知らないー。
「ーー大丈夫なわけないだろ」
香奈(淳司)が不愉快そうにそう呟くと、
圭太は「え…ご、ごめ…」と、戸惑いながら言葉を口にするー。
「ーや、やっぱりもう一度先生に相談した方がいいよ」
何も知らない圭太がそう言うと、
香奈(淳司)は「ーーーー…」と、圭太のほうを見つめるー
”コイツが峯島に、俺のことチクるように言いやがったのか”
そう認識すると、香奈(淳司)は不機嫌そうに机を叩いて
「あっち行けよ」と、声を発したー。
幼馴染の”香奈”の不機嫌な様子を見た圭太は
ビクッとして、”ご、ごめんー”と、そんな言葉を口にすると、
そのまま自分の座席に逃げ帰るようにして、
香奈(淳司)の前から去ったー。
教室中から、クスクスと笑う声が聞こえるー。
香奈(淳司)は、大きくため息を吐き出しながら
耳を塞ぐと、そのままギリギリと歯ぎしりをしたー。
強い怒りと、屈辱をその身に感じながらー。
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一方、そんな出来事があった同時刻ー。
淳司(香奈)は、職員室の熊沢先生の元を訪れていたー。
「ー早く、元に戻りたい?」
淳司(香奈)からそう言われた熊沢先生は、
少しだけ考えるー。
「ーー…悪い。峯島。もう少しだけ我慢してくれー。
俺は、峯島へのいじめを完全になくしたいー。
そうするためには、アイツにいじめられる側の気持ちを
分からせなくちゃいけないー。
俺が注意しても、アイツは裏でお前をイジメ続けてた。
俺はそれを”しょうがない”で終わらせたくないし、
いじめを見て見ぬフリもしたくないー。
それにー、茂木のやつも改心させないといけない。
だから、もう少しだけ我慢してくれ」
熊沢先生は、熱くなりながらそう声を発したー。
熊沢先生が憧れたドラマの熱血教師は、
”いじめられっ子”を絶対に救い出していたし、
”いじめっ子”も改心させていたー。
自分にだって、それはきっとできるはずだー。
そう思いながら、とにかく香奈を救い、そして淳司を改心させたい、
そう願っていたー
「ーーわ、分かりましたー」
淳司(香奈)がそう言いながら頭を下げると、
熊沢先生は「ありがとうー」と、逆に頭を下げて
感謝の言葉を口にしたー。
熊沢先生の”熱意”は空回りしているー…
”現実”は、そんなに簡単に、ドラマのように回らないと言うのにー。
熊沢先生が回し始めた”歯車”はギシギシと不穏な音を立てているー
けれど、熊沢先生はそれに気づくことなく、
一人、自分の熱意が生徒を救うと信じてしまっていたー…。
③へ続く
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コメント
いじめを解決させるための入れ替わり…
でも、なんだかこのままだと良くない感じがしますネ~★!
続きはまた明日デス~!
いつもお読み下さりありがとうございます~!☆!
(初めての方も、もちろんありがとうございます~!☆!)
コメント
展開が読めないのもいいですネ!☆
楽しみにしてます♪
無名さんも学生時代の先生と年賀状のやりとりしてたんですネ☆
自分は学生時代の先生と年賀状のやりとりしてると言うとビックリされます笑
ありがとうございます~!☆★
一部の先生は年賀LINEに変わってますけどネ~笑
一部の先生は年賀LINEなんですネ!?
自分はさすがに学校の先生とはLINEで繋がってないですネ笑
話しは変わりますが自分の中学の時の鬼教師の娘さんがたまたま自分の仕事のお客さんになるとは思わなかったです笑
世間は狭いですネ笑
ちなみに鬼教師ですが娘さんには甘々でした笑
わわっ!
意外なところでの繋がり…☆!!
不思議な縁ですネ~!
向こう(先生)から、来年からLINEで!って
年賀状に書いて来たので、そうしてます~笑
無名さんの世代になると先生もLINEなんですネ笑
高校の担任はネタがないので自分宛の年賀状の裏のコメントは毎年同じ単語です笑
LINEの方がいいかもですネ笑
少数ですけどネ~笑
私もテンプレートな年賀状の先生もいます~笑☆