学校ではクールな雰囲気で振る舞っているものの
本当はドジな先輩…
そんな彼女の本当の姿を知らないまま、
彼女と入れ替わってしまった後輩の男子の運命は…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「入れ替わってるー…?ふ、二人とも大丈夫ー?」
二人から事情を聞いた保健室の先生は、戸惑いの表情を浮かべるー。
「ー信じられないと思いますが、本当なんですー」
正隆(結花)は、冷静な口調でそう言葉を口にするー。
保健室の先生は、やはりと言うべきか、
入れ替わりの事情を説明しても、
それを簡単には信じてくれなかったー。
そのため、正隆(結花)が、一生懸命保健室の先生に
状況を伝えようとしているー。
そんな姿を見ながら、結花になった正隆は、
”先輩はこんな時でも冷静で、やっぱすごいなぁ”と、
スカートにソワソワした様子を見せながら、
正隆(結花)のほうを見つめるー。
がー、一方の正隆(結花)は、
結花(正隆)が考えているような”冷静”な状況ではなかったー
”どどどどどどどど、どうしようー!?
さっき、アレに触れちゃったし、
なんかよく分かんないけど、アレが大きくなってきちゃってるしー
え?何?これ?生き物!? えっえっえっ!?
っていうか、入れ替わりのこと信じてくれないし、
どうすればいいのー!?”
正隆(結花)は、内心でそんなことを思いながらも、
保健室の先生と話し合いを続けるー。
”入れ替わったこと”を周囲に伝えるべきかどうかー。
そんな話題を話しているようだー。
結局ー、保健室の先生に入れ替わりを信じてもらえることは出来ず、
正隆(結花)は、適当に誤魔化しながら
話を切り上げようとし始めたー。
そうこうしているうちに、話が終わり、保健室の外に出ると、
正隆(結花)は言葉を口にしたー
「やっぱ、入れ替わりなんて、誰も信じてくれないよねー」
とー。
「ーす、すみません…俺のせいでー」
結花(正隆)が、そう言葉を口にすると、
「えっ!?べ、別に小野くんのせいじゃないでしょ?
それに、ボールが急に飛んできたせいだしー」と、
慌てた様子でそう言葉を口にしたー。
「これから、どうするんですか?」
正隆(結花)が少し心配そうに言葉を口にするー。
チラッと
自分の身体のほうを見ると、
ズボンがパンパンに膨れ上がっていることに気付き、
結花(正隆)は”ゲッー…俺の身体ー…なんで!?”と、困惑の表情を浮かべるー。
そればっかり気になって、チラチラと正隆(結花)の股間のあたりを
チラ見していると、
正隆(結花)は言葉を口にしたー
「ー元に戻れるまでの間、わたしは小野くんとして、
小野くんはわたしとして過ごすしかないかなー…」
その言葉にー、
結花(正隆)は「じ、じゃあ、俺が先輩のフリをするってことですかー?」と、
困惑した表情でそう言い放つと、
不安半分、ドキドキ半分な表情を浮かべたー
”お、俺が、憧れの先輩にー…”
そう考えただけでドキドキしてしまう結花(正隆)ー
”いやいや、何考えてるんだ俺!
っていうか、先輩の身体をドキドキさせるなんて、重罪だぞ!俺”
そう心の中で叫びながら、
なんとか自分を落ち着かせようとしていると、
また、”正隆”の身体のアソコがとても大きくなっているのが、
ズボンの上から見えたー。
「ーーーな、なんかー…俺の身体がすみませんー」
結花(正隆)は、先ほどから何となく言いにくくて、
ズボンの様子のことをスルーしていたものの、
スルーし続けることができずに、
そんな言葉を口にしたー
「えっ!?あっ!?あっ…!?
そ、そのこれは、えっ!?!? えっ!?!?」
露骨に慌てふためき始める正隆(結花)ー
そんな、先輩らしからぬ反応に
結花(正隆)は「せ、先輩!?」と、少し驚きながら
言葉を口にするー。
「ーこ、こ、これ、どうやって、元の大きさに戻すの!?」
正隆(結花)が顔を真っ赤にしながら、
そう質問してきたことで、結花(正隆)も
少しドキッとしてしまいながら、
「えっ!?そ、それはー、そのー…
ど、どうやってって聞かれてもー…?」と、
そんな言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局、”明日の朝には元に戻っているかもしれない”という
希望を抱きながら、
二人は”相手の家”に帰宅することになったー。
必要な情報はとりあえず交換して、
伝えくべきことは伝えー…
”ーーあっ…やばっ!”
正隆(結花)は、ふとそんなことを思いながら立ち止まるー
”わ、わたしの部屋、見られたらどうしようー…”
”お兄ちゃんが、わたしのことドジとか言っちゃったらどうしようー”
”そもそも、もう小野くんにもバレてるかも!?”
”わたしのクールなイメージが崩れちゃうー”
「ーあぁ~どうしよう…!」
正隆(結花)は思わず頭を抱えながら、路上でそう叫んでしまうと、
周囲にいた通行人が、正隆(結花)のほうを見て、
ビクッと驚いたような表情を浮かべたー。
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「えぇぇっ!?」
結花(正隆)は、”憧れの先輩”の身体で、
結花の部屋にやってきていたー。
”先輩のことなんだから、部屋も綺麗なんだろうなぁ…”と、
そんなことを思いながら、ドキドキして
部屋に入った結花(正隆)ー。
が、目に飛び込んで来たのは、
思った以上に散らかっている部屋ー。
”学校ではいつもの2倍、ゆっくりしゃべる”
”ドジなことを喋る前に、お口にチャック”
”迷ったら笑顔を浮かべて誤魔化す”
そんな、目標のようなものも壁に貼られているー。
「なんだこれ…」
結花(正隆)は、戸惑いながら、部屋を見渡すと、
可愛らしい小物類が並んでいると同時に、
少年漫画や少女漫画が大量に並んでいる本棚を見つけるー
「先輩…漫画好きなんだー以外だなー」
そんな風に思いながら、「お?」と、本棚の手前に入っている本の裏側に
さらに本が隠されていることに気付き、
何の考えもなしに、ついついそれを見てしまうー。
するとー
「ーー…うっ…」
”見なかったことにしよう”と、こっそり手前の本を本棚に戻し
”うしろ”に入っている本を見なかったことにした結花(正隆)ー。
本棚の裏側にはー
なんというか、BL系…とでも言えば良いのだろうか。
イケメンとイケメンがイチャイチャしてそうな表紙の本が
たくさん隠されていたー。
「ーーーお、結花、帰ってたのかー」
そこに話しかけて来る兄の学ー。
「ーーひぇっ!?」
本棚の”うしろ”を丁度隠した直後だったために、ビクッとして
変な声を出してしまう結花(正隆)ー。
すると、学は笑ったー
「ははは、大丈夫大丈夫ー。
とっくに気付いてるからさー。
本棚の本がそんな不自然に手前に出て来てたら
”うしろに何かあるな?”って分かるだろ?」
そんな兄の学の言葉に、
結花(正隆)は、「あ、えっ、えっ、そ、そうですねー」と、
変な返事をしてしまうー。
「で、ですねー?」
兄・学は、妹の結花が突然敬語を使ったことに
戸惑いの表情を浮かべるも、
「あぁー」と、納得した様子で勝手に頷くー。
”隠している本”がバレていつものように
パニック気味になっているのだと、勝手に納得したようだー。
「ーーまぁ、趣味は人それぞれだし、
別に全然いいと思うから、気にするな」
学はそれだけ言うと、
「ーー結花はホント、昔からすぐ慌てたり、ドジをかましたり
するからなぁ」
と、苦笑いしながら、そう言葉を口にしたー
”せ、先輩がドジー?”
そんな風に思いながら、ついつい結花(正隆)は
「あ、あの…ふ、普段の…普段の先輩ー…あ、じゃないー
普段のわたしって…そのー、どんな感じー?」と、
”結花”が質問するにはあまりにもおかしなことを聞いてしまうー。
「ははは、何、他人みたいな言い方をしてるんだよー。
自分のことは自分が一番よく分かるだろ?」
学がそう言いながら、
「”わたし、ドジレベルが高すぎる”っていつも自分で言ってるじゃないか」と、
苦笑したー。
「ど、ど、ど、ドジ!?先輩がー!?」
結花(正隆)は思わずそう叫んでしまうー。
がー、普段から”素顔”はドジで、急に爆弾発言なども繰り返す
妹の言葉だったからか、兄の学は「先輩って誰だよー」と、笑いながら
そのまま立ち去っていくー。
部屋の中を今一度見渡す結花(正隆)ー
そこには、家族で撮影したと思われる写真が飾られているー。
兄にちょっかいを出しているような結花の写真もあって、
結花(正隆)は「ーえへ…先輩ってこんな一面もあるんだな」と、
少しだけ微笑ましそうに写真を見つめたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーえへ……」
一方、正隆の身体で帰宅した結花は、
ニヤニヤしながら
「これが小野くんの身体ー」と、嬉しそうに
腕や、足を触っていたー
「ーんふふふふふふっ♡」
思わず、普段の本性が漏れ出してしまう正隆(結花)ー
すぐにハッとして、
「いけないいけないわたしってば、すぐ変な妄想をー」と、
”小野くん”と別の男子でイチャイチャする姿を妄想してしまうー
「あっ!?」
あまりに妄想しすぎたのか、正隆(結花)が、鼻血が垂れて来たことに
気付いて変な声を出すー。
「ーうあっ!?」
さらには、ズボンがまた膨れ上がって、勃起しながら
鼻血を垂らしている状態になってしまった正隆(結花)は、
鼻血のついた手を洗おうと、1階に駆け下りていくー。
がー…
その最中に、正隆の母親と目が合ってしまうー。
「ちょ…あんた?ど、どうしたのー!?」
戸惑う母親ー。
息子が、ズボンの上からでも明らかに分かるように
勃起した状態で、鼻血ダラダラという奇妙な状態で
1階に駆け下りて来たのだから、その反応は
あながち、間違いとは言えないー。
「ーーーど、ど、どうってー… え、えっ~とぉ…」
正隆(結花)は、そう呟くと、戸惑いながら
洗面台の方に駆け込んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
結花(正隆)は、なんとか学校にやってきていたー。
昨日は、本当に大変だったー。
”先輩”の知らない姿を色々と見てしまったし、
秘密も色々と知ってしまったし、
お風呂に入るのも、トイレに行くのも大変だったし、
味覚も違ったし、兄がいるというのも新鮮だったし、
今日、制服に着替えるのも大変だったし、
朝、身なりを整えるのも大変だったー。
とにかく、色々大変だったー。
「ーーーおはよ~~~!」
背後から、声がして、結花(正隆)が振り返ると、
そこには結花の友人の亜輝菜の姿があったー。
がー、正隆からすれば”先輩”であるため、
あまり亜輝菜のことは知らないー
「あ、あ、どうもー」
結花(正隆)が思わずそんな返事をしてしまうと、
「え…?えぇ?どうしたのー?」と、苦笑いする亜輝菜ー。
「ーっていうか、今日、何か変じゃないー?
髪もなんかいつもと違うし
ー顔の雰囲気もー」
亜輝菜がそう言うと、
結花(正隆)は「え?え?え?き、気のせいだよ~」と
誤魔化すような言葉を口にするー
普段、先輩はメイクとかしてるのだろうかー。
正直、正隆には何も分からないー。
「っていうか今、おじさんみたいな歩き方してなかった?」
亜輝菜が苦笑いしながら言うと、
「お、お、お、おじ…!?」と、結花(正隆)は悲鳴にも似た
叫び声を上げるー。
確かに、中身は男だが、
”おじさん”ではない。
男子高校生だー。
「ーお、俺、まだ高校生だしー!
あ、違う、わたし!」
一人称を間違えて、そう叫ぶ結花(正隆)ー
「ーーえぇ…?大丈夫ー?
ほらほら、みんな、結花のこと、クールなお姉さんだと思ってるんだから!
イメージ壊しちゃだめでしょ!」
素の結花を知る数少ない人物である亜輝菜がそう言うと、
結花(正隆)は、「ーー…や、やっぱ、先輩って、そんな感じなんですか?」と、
亜輝菜に確認してしまうー
「ん?先輩?誰?」
亜輝菜の言葉に、結花(正隆)は「いや、なんでもないですー」とだけ答えると、
そのままゆっくりと歩き出したー。
”ーーーーー”
そんな様子を、二人が入れ替わるきっかけを作った
生徒会長・愛が物陰から見つめていたー。
”とりあえず、怪我してなさそうで良かったー
まさか階段から落ちるなんてー
怪我でもされたら、わたしが悪者になるところでしたわ…”
ふぅ、とため息をつく、お嬢様な愛。
だが、彼女はまだ、二人が入れ替わっていることには気づいておらずー、
しかもーー…
”まだ”結花に対する不満の感情は消えてはいなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ぶふっ!?!?!?!?」
その頃ー
体育の授業のために、他の男子と一緒に着替えをしていた
正隆(結花)は、盛大に鼻血を噴き出して、
教室内で幸せそうな笑みを浮かべながら失神してしまっていたー…
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回が最終回デス~!
クールな先輩の本当の姿を知ったあと、
彼がどんな反応をするのかも、
見届けて下さいネ~!☆
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