<入れ替わり>独身貴族の俺がお母さん!?①~戸惑い~

子供嫌いの独身貴族の男が、
子育て中の母親と入れ替わってしまったー。

元に戻るまでの間、母親として
振る舞うことになってしまった、彼の運命はー?

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30代の会社員、石塚 修武(いしづか おさむ)は、
独身貴族だったー。

大学卒業後に、大手企業に就職、
そのまま順調にキャリアを重ねて、
それなりの年収を稼いでいるー。

そんな彼は、子供嫌いで、
また、拘りが強いために
”他人と一緒に暮らすなんて考えられない”という
考えの持ち主であることから
”生涯独身”を決めていたー。

元々彼自身、あまり恋愛にも興味がなかったために
その”選択”は、迷うことなく、すぐに決断することができたー。

「ーーーお疲れ様でしたー」
それなりにイケメンでさわやかな修武は、
会社でも、頼りにされる存在で、
先輩・後輩問わず、人望もあるー。

”独身貴族”ライフを送るためには、全てが順調ー。
将来のために貯金もしているし、
いざと言う時のための保険も、ちゃんと整えているー。

彼の”自分の思い描いた人生”は、
今のところ順調だったー。

そうー、
この日、この瞬間まではー。

「ーーあ、ちょっと待って!」

その少し先の道では、
息子の竜太(りゅうた)と共に暮らしている
母親・水澤 香織(みずさわ かおり)が、
そんな声を上げていたー。

ついこの間、学校に通い始めたばかりの竜太ー。
まだまだ元気で、やんちゃな年頃の竜太が、
急に走り出したのだー。

「ーーーちょっと!危ないから走っちゃだめ!」
母親の香織が、そんな言葉を口にしながら竜太を追いかけるー。

ちょうどー、
そのすぐ近くの街角を歩いていた独身貴族の会社員・修武は、
少し先の曲がり角から急に子供が飛び出して来たのを見て
”危ないガキだなー”と、内心で呟くー。

修武は子供嫌いー。
子供のことを内心で鬱陶しいと思ったり、
”クソガキ”と思ったりすることは多々あったー。

もちろん、それだけで、
常識もしっかりと兼ね備えている修武は
子供に自ら危害を加えたりするようなことは絶対にしないもののー、
とにかく、子供は嫌いだったー。

”ったく、親もどんな教育してるんだかー
 親の顔が見て見たいもんだー”

修武はそんなことを思いながら、曲がり角に向かって
足を踏み入れたその時だったー

「ーーー!」
修武が目を見開くー。

勝手に走って行ってしまった我が子ー…竜太を追いかけていた
母の香織が、ちょうど同じタイミングで街角から
飛び出して来たのだー。

「ーーーあっ!?」
香織も驚いた表情を浮かべるー。

がー、修武が香織との追突を躱すことは出来ずー…
そのまま、香織と修武は正面衝突してしまったー。

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「ーー大丈夫ですか?!」
修武と香織が、衝突した現場ー。

通行人が、そんな声を掛けているー。

一瞬、意識が飛んだー。
そんな風に感じながら修武が「いてててててて…」と、
身体を起こそうとするー。

がーーー…

「ーーーぁ?」
自分の声が、変だー

「ーーあ… あ~~~ あ… あ~~~…
 え…?」

自分の口から出て来る声は何故か”女”の声ー。
何度出してみても、自分の声とは違う声が
自分の口から出るー。

「ーーーな、なんでー…」
ふと、背後からそんな”男”の声が聞こえたー。

「ーな、なんで、わたしがー…!?」
その声の主のほうを振り返ると、
そこには”自分自身”ー
つまり、修武がいたー。

「ーーー…え………」
修武は困惑しながら、曲がり角の鏡のほうを見つめると、
そこにはー、飛び出して来た女・香織の姿があったー。

思わず、手を動かすと、
”自分が動かしたのと同じように”
鏡の中の香織も手を動かすー。

「ーー…あ、あの…だ、大丈夫ですかー?」
二人の”おかしな行動”に、困惑した表情で今一度
声を掛けて来る通行人ー

「ーーあ、は、はいーだ、大丈夫ですー」
そんな言葉を口にした”香織になってしまった修武”は、
そう言い放つと、
同じく戸惑っている”修武になってしまった香織”に対して
「ーば、場所を変えましょう」と、だけ言うと、
修武(香織)も、困惑した様子で、頷いたー。

そこにー…
母親を置いて一人で走っていた息子の竜太も戻って来るー。

「ーーお母さんー…どうしたの?」
そんな竜太の言葉に、
香織(修武)は少しカチンとするー

”おい、クソガキーお前が、母親の言うことを聞かないから
 こんなことになったんじゃないか”と、
ツッコミを入れたくなったー。

「ーー竜太ー…もう、急に走っちゃだめでしょー!
 危ないから!」

修武(香織)が、ふとそんな言葉を口にするー。

「ーーー…え?」
そんな言葉に、香織の息子・竜太は戸惑いの表情を浮かべながら
「おじさんー…だれ?」と、
不安そうに言葉を口にするー

香織(修武)は「お、お、お、おじさん!?」と、
不満そうに声を上げるー。

修武はまだ30代前半ー
少なくとも、自分では”おじさんと呼ばれるほど老けている”とは
思ってはいないー。

「ーーーぁ……」
修武(香織)は、息子から”おじさん、誰?”と言われて
困惑の表情を浮かべると、
困り果てた様子で、香織(修武)のほうを見つめたー。

「ーーー…お、お、お母さん、ちょっとこの人と話があるから、
 少し、そこで大人しく待っててくれるかなー?」

近くの公園を指差すと、香織(修武)は、
”クソガキー”と、思いながら、そのまま修武(香織)のほうを見つめたー。

「ー急に飛び出してきて、危ないじゃないですかー…」
香織(修武)が少し苛立った様子でそう言葉を口にするー。

偶然、香織が走って来た場所は、曲がり角の鏡の死角になっていてー
修武も、曲がり角に行く前に”車がいないどうか”を確認するため
そこは見たつもりだったが、香織が走ってきていることには
気付かなかったー

「す、すみませんー」
修武(香織)が困惑した様子で頭を下げると、
香織(修武)は「まぁ、済んでしまったことは仕方がないですし、
今後、気を付けて貰えれば」と、
そんな対応をするー。

そして、ひと息置いてから、
「でも、この状況はこのままでは困りますねー」と、
香織(修武)はそんな言葉を口にするー。

「ーーーあ、はい…すみませんー」
修武(香織)は、自分のせいだと謝罪すると、
「ーお子さんもいらっしゃいますし、早く元に戻らないと」
と、香織(修武)は、そんな言葉を口にするー。

「ーー…ど、どうすれば元に戻れるんでしょうかー…?」
修武(香織)が、不安そうにそんな言葉を口にすると、
香織(修武)は、「とにかく、色々試してみましょう」と、
”元に戻るためにできそうなこと”を、
お互いに色々と試してみることを提案したー。

香織の息子・竜太を公園で遊ばせておき、
お互いにぶつかってみたり、お互いに手を握り合ってみたり、
”元に戻れ”と念じながら色々と試してみたりー、
”元に戻る”ための考えられる可能性を
ひとつひとつ、試していくー。

しかしー、何を試しても
二人の身体は元に戻らず、香織(修武)も、修武(香織)も、
流石に少し焦ったような様子を見せるー。

「ーど、ど、どうすればいいですかー…?」
修武(香織)のそんな言葉に、
「ーーどうすればって言われてもー」と、
不満そうに香織(修武)が表情を歪めるー。

「ーーー今日はもう遅いですしー…俺も会社に連絡のメールを
 入れないといけないのでー…
 とりあえず今日のところはこのまま…」

香織(修武)は、そう提案するー。

だが、修武(香織)は少し不安そうだー。

”相手は女性”
確かに、自分の身体で何されるか分からない、という不安はあるのだろうし、
理解はできるー。

「ーーあぁ、大丈夫ですよー。俺は独身ですし、
 まぁ、正直に言ってしまえば、あまり異性にも興味はありませんのでー、
 ただ、家で1日過ごすだけですー」

信じてもらえるかは別として、
安心させるためにそんな言葉を口にする香織(修武)ー。

「ーーーあ、いえ、そういうことではなくてー…」
修武(香織)が、不安そうな表情のまま、
そう言葉を口にするー。

どうやらー、香織になった修武が変なことをすると
心配されているわけではなかったようだー。

入れ替わってから今まで、下心を見せるような行動は
一回もしていないし、そういうオーラもないため、
この人は大丈夫だと判断されたのか、
それとも元々この香織という人がそういう点への警戒心が薄いのかー。

”まぁ、俺は実際、何もしないからなー”
香織(修武)がそんなことを思いながら、相手の言葉を待っているとー、
「その…”この姿”だと、竜太がわたしだと分かってくれない気がするんですー」
と、修武(香織)がそんな言葉を口にしたー。

「ーーあ~~……まぁ、それはそうかもしれませんね」
香織(修武)はため息をつくー。

子供にこの状況を説明するのは難しいー
独身貴族の自分は”香織”の身体で帰宅しても、
特に大きな問題はないー。
万が一近所に見られても、親戚や彼女とでも言っておけば何とかなるー。

がー、修武になった香織には子供がいるー。
夫がいるのかどうかはまだ聞いていないため分からないがー、
あの年齢の子供からすれば”知らない男”が、家にやってきたような感じだろうし、
状況を説明するのも年齢的に難しいだろうー。

「ーーーーって言われてもですねー。
 元に戻る方法も分かりませんしー、
 どうすることもー…」

香織(修武)が、そんな言葉を口にするとー、
修武(香織)が言葉を口にしたー

「あ、あの…!元に戻れるまで、
 ”わたし”として、振る舞ってくれませんかー?」

とー。

「ーーはい?」
香織(修武)が表情を歪めるー。

「ーーわ、わたしの姿なら、竜太も戸惑わないと思いますし、
 わたしの代わりに、竜太と一緒にわたしの家に行ってもらえませんかー!?」

修武(香織)のそんな言葉に、
香織(修武)は困惑するー

「い、いやいやいやいや、そりゃまずいですよね?
 身体はあなたのものとは言え、他人を自分の家にいれるようなもんですよ??
 俺が何かを盗んだり、何かを見たり、
 それこそ、子供に暴力を振るうかもしれないんですよ!?」

香織(修武)は、あえて大げさに表現しながらそう言うと、
修武(香織)は「でも、あなたはそんなことしないと思うんですー」と、
そう言葉を口にするー

「ーーむ…た、確かにしませんけどー…
 いや、でもー」

香織(修武)は公園ではしゃいでいる香織の息子・竜太を見つめるー

”お、俺、子供嫌いなんだけどなぁ”
香織(修武)はそう思いながら、ため息をつくと、
修武(香織)が「わ、わたしはー、その、ビジネスホテルにでもなんでも
泊まるので、あなたの家に入ることはしませんからー」と、
そう言葉を口にするー

その言葉に、「いやぁ、俺だけ相手の家に入るのもなんか不公平ですし、
別に俺は隠すもんないですから、俺の家で休んでもらっていいですけどー」と、
そう言葉を口にすると、
少し安堵した様子を見せる修武(香織)。

「ーーーーどうか、お願いしますー」
修武(香織)が目をキラキラと輝かせながら言うー。

”おいおいおいおいー
 確かに、知らない男の身体で子供と一緒に帰るのが
 きついってのも分かるけどー、
 いくら何でも、無警戒というか、見ず知らずの俺を
 信用しすぎじゃないかー?”

そんな風に思いながらも、
もう断れない空気になってしまい、嫌々、お互いの情報を交換するー。
子供との接し方なども確認して、
最後に”スマホ”は、中身のものー
つまり、香織(修武)は修武のスマホ、修武(香織)は香織のスマホを手に、
そのままお互いの家に帰ることなったー。

「ーーお母さん~!早く帰ろうよ~!」
竜太が、公園で遊ぶのにも飽きたのか、
そんな言葉を口にするー

「ーじ、じゃあー、また明日ー。
 仕事は有給にしておくので、とりあえず家にいてもらえればいいので」
香織(修武)がそう言うと、
修武(香織)は「本当にすみません」と、今一度頭を下げたー。

泥で汚れた手をつなごうとしてくる竜太ー

”うわっ!汚ねぇ!くそっ!クソガキめー…!”
香織(竜太)は、そんなことを思いながら
引きつった笑顔を浮かべて、指1本だけ繋ごうとするも、
竜太に全部手を掴まれてしまい、思わず舌打ちをするのだったー。

この日ー、
独身貴族だった男は、お母さんデビューをすることに
なってしまうのだったー。

②へ続く

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コメント

独身貴族の男が、子持ちの母親と入れ替わってしまうお話デス~!

いきなりの変化に戸惑いながら、
どんな風にお互い過ごしていくのか、
次回以降もぜひ楽しんでくださいネ~!

続きはまた明日デス~!

コメント

  1. 匿名 より:

    これ、もし入れ替わったのが、ずっと前の話の、変態ロリコン男みたいな相手だったら。息子じゃなくて娘だったら、とんでもない、大変なことになりそうですよね。

    意図的な入れ替わりじゃないとしても。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!★

      入れ替わる相手が修武だったことで、
      この親子は随分助かりましたネ~!