見知らぬ男に身体を奪われてしまった女子大生。
彼女はなんとか自分の身体を取り戻す方法を模索するも、
次第に、自分自身が”男”の記憶に汚染されていることに気付くー
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「ーーーへへへへへ♡
は~~…今日も最高だぜ…」
うっとりとした表情で、セーラー服姿の愛花(雄之助)が
自分の手を見つめるー。
大学生の愛花にこんな格好をさせている、ということにも興奮するし、
何より、この身体の感覚はたまらないー
そんなことを思いながら、愛花の身体を堪能していく
雄之助ー。
だがー、ふと”急に”恥ずかしいという感情が生まれて来て
顔を赤らめるー
「ーー!?!?!?!?」
すぐに、その感情は消え失せて、愛花(雄之助)は、
「へ…へへ…何今更恥ずかしがってんだよー」と、笑うー。
だが、女子大生の自分が、
セーラー服を着ている、というこの状況に
妙な恥ずかしさのようなものを感じて、
愛花(雄之助)は、再び顔を赤らめたー。
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雄之助になってしまった愛花は、
”生活”できないためー、
雄之助として、コンビニのバイトを続けていたー。
高校時代にバイトをしたことがあるからだろうかー。
作業には自然に溶け込むことができたし、
何だか、懐かしい気持ちさえ覚えるー。
だがー、違うのはー
「ーーあんたもいい年なんだからさ、ちゃんとやってくれよー」
オーナーが不満そうに呟くー。
「す、すみませんー」
雄之助(愛花)は、申し訳なさそうに謝罪するー。
もちろん、”ミス”をした自分が悪い、ということは理解しているし、
そこに不満はないー。
けれど、この身体になってみて強く感じることは、
”わたし”の時と、”今”では、周囲の反応がまるで違う、ということだー。
おじさんが、自分の境遇を嘆くような書き込みを
ネットで見かけたこともあるが、
あれは、こういうことを言うのかもしれないー
”同じミス”で、”同じように謝っても”
愛花が愛花だった時には”いいよいいよー愛花ちゃんー”と言われるのに、
雄之助になった愛花の場合だと、辛辣な言葉を浴びせられることになるー。
そんな、違いを味わいながらも、雄之助(愛花)は、
”元に戻る方法”を必死で頭の中で考えながら、
バイトをしつつ、”愛花(雄之助)”に接触する方法を考えていたー。
家に乗り込んで、無理にノックしても居留守を使われてしまえば
自分の立場は悪いし、大学に無理やり忍び込むのも無理だー。
愛花になった雄之助は”大学”にちゃんと通っていることは
確認済みだー。
しかし、大学に向かう途中の愛花(雄之助)に声を掛けることは難しいー。
”きゃ~~~!”とか、叫ばれたらそこでおしまいだからだー。
”おじさん”という立場は
そういう場面においては”弱い”と、
そう思わざるを得ないのは事実だった。
「ーーーなんとか、なんとか”わたし”とゆっくり話をできる状況を
作り出さないとー」
雄之助(愛花)は、そう思いながら
”友達の野枝”に連絡を取る方法も考えるー
”ーーー可愛い子って、ホント、こういう時有利だよなー”
ふと、そんなことを思う”愛花”ー。
雄之助(愛花)は、ハッとして我に返るー。
「ーーえ…」
今、一瞬”女子大生の愛花”を羨ましく思ったー。
”わたしが愛花”なのにー?
そんな風に思いながら、雄之助(愛花)は
湧き上がってくる不安を振り払うかのように、
首を横に振ったー。
がー
その日から”汚染”は確実に進行していたー。
家に帰ると、雄之助の家の中にある
美少女フィギュアや、Hなゲームや動画が
”日に日に”気になるようになり始めていたー。
下心があふれ出すー。
やがて、フィギュアのスカートの中を覗いたり、
Hな動画を見たりして、興奮するようになってしまうー
「ーわ、わたしーどうしてこんなので興奮してるのー!?」
雄之助(愛花)は、そう言いながらも
”明らかに男性向け”なHな動画を見て激しく興奮して、
気付けば、夢中になって「たまんねぇぜ…」と、声を上げていたー。
急速に”雄之助”の記憶に飲み込まれていく愛花ー。
”人の記憶”は、脳に保存されるー。
人格を形成するのも、また、脳だー。
入れ替わった直後は”自分の魂”のほうに残された
意識と記憶で、”自分”を保った状態で相手の身体を
使うことができるー。
だが、やがて魂が入れ替わった身体に馴染むと共に、
その身体の記憶や、意思が自分の魂に流れ込んでくるー。
その結果ー
”身体”の記憶に汚染されていくー。
つまり、雄之助の身体になった愛花は、
次第に、”雄之助”の身体に残された記憶や意識に汚染されて、
雄之助そのものになってしまうのだー。
一方の、愛花になった雄之助も”同じ”だったー。
これは、彼自身の誤算ー
「ーなんでわたし…こんな服をー…」
入れ替わった直後は、嬉々として着ていた
セーラー服や巫女服、その他コスプレ衣装の数々を
恥ずかしそうにしまい込む愛花(雄之助)ー
「ーーいや…ちがうーわたしはー」
”俺は雄之助だー”と、思いながらも、
急速にその意識も薄れていきー、
「わたしはー…わたしはー…愛花ー」と、
虚ろな目で呟くー。
愛花になった雄之助は、完全に愛花にー、
雄之助になった愛花、いつの間にか完全に雄之助になってしまいー、
二人は”元々の自分”のことを完全に忘れてしまうのだったー。
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二人が入れ替わって1か月ー。
雄之助(愛花)は、ニヤリと笑みを浮かべていたー。
その手には”夢の矢印”ー
「へへへ…これで、中年フリーター生活とはおさらばだぜー」
完全に”雄之助”そのものになってしまった愛花は、
雄之助の身体でそう呟くと、
”JKかJDの身体が欲しい”と、
入れ替わりアイテム・夢の矢印を手に、
ニヤニヤと笑みを浮かべていたー。
そしてー、
近場の大学に”物色”に向かうー。
”雄之助”の好みに合致する相手を探し求めて、
雄之助(愛花)は、今日、ここにやってきたのだー。
そしてー
見つけたー。
”あの子ー…すげぇいいー俺好みだー”
愛花(雄之助)を見つめながら
そう呟く雄之助(愛花)ー
雄之助そのものになってしまった愛花は、
かつての雄之助がそうであったように、
”美少女と入れ替わりたい”と考え始めー、
そして、夢の矢印を手に、ここにやってきて、
”俺好みの女”を見つけたー。
当然、雄之助そのものになっているため、
”好みの女”として選ぶのも、愛花(雄之助)だー。
”ーークククク
今日で”中年のフリーター人生”は終了だぜー”
雄之助(愛花)はそんなことを思いながら、
愛花(雄之助)が一人になるタイミングを伺うー。
そしてー
その隙をついて”夢の矢印”を手に、愛花(雄之助)に近付いていくとー、
雄之助(愛花)は、さりげなくそれを愛花(雄之助)の方に向けて
それを掴ませるとー、
そのまま、身体を入れ替えたー。
「ーーーーーえっ!?」
結果的にー
”元に戻った”二人ー。
雄之助になった愛花は、雄之助の身体に汚染されて
雄之助そのものとなり、愛花の身体を奪ったー。
結果的にー、入れ替わりを”2度”繰り返し、
二人は元々の自分の身体へと戻ったのだー
「うへへへー」
愛花に戻った愛花ー。
しかし、自分を雄之助だと思い込んでしまっている愛花は
元の身体に戻ったのに”他人の身体”を奪ったような下心に溢れて、
愛花の胸を揉み始めるー
「ちょ、ちょっと!?」
雄之助に”戻った”雄之助も、自分を愛花だと思い込んでいるため、
まるで”身体を奪われた被害者”かのように、振る舞い始めるー。
二人とも、自分の身体に戻ったのに、
それを認識できていないー。
愛花はニヤニヤしながら「へへへ…女子大生の身体、げっと~」と、
笑みを浮かべるー。
「ーーちょ…わ、わたしの身体を返してください!」
元に戻ったはずの雄之助がそう叫ぶー。
彼もまた、愛花の身体で過ごした影響で、自分のことを
愛花だと思い込んでしまっているー。
「ーーへへへへ…」
愛花に戻った”愛花”は、ほんの一瞬だけ、
”わずかな違和感”を覚えるー。
”女の身体”が初めてじゃないかのようなー
そんな感覚ー。
当たり前だー。
もともと自分は”愛花”だったのだからー。
しかし、すっかり雄之助の脳に汚染されて、
自分を雄之助だと思い込み、雄之助の記憶が全て流れ込んでしまった
愛花は、”この女の身体を手に入れた”と、そう思い込みながら
笑みを浮かべるー。
「ー今ここで、”きゃ~~~!痴漢”って叫んだらー
どうなるか、分かるよな?」
愛花がそう言い放つー。
前と違って、確かに愛花の身体を奪おうとする雄之助は
痴漢なのかもしれないー。
がー、今の雄之助は、自分のことを”身体を奪われた愛花”だと
思い込んでいるー。
「わ、わたしの身体を、返して!」
雄之助がそう叫びながらー、
少しだけ違和感に表情を曇らせるー
「ーーーーー…」
ほんの数秒ー。
何か、大事なことを思い出しそうになるー。
だがー、すっかり”愛花の脳”に汚染されてしまった雄之助は
やはり、それを思い出すことはできずー、
”わたしの身体を取り戻さなくちゃ”などと、必死になるー。
「ーーーふふふー
今日からわたしが女子大生ー」
愛花は、元々自分がその女子大生の愛花だったことを思い出せず、
笑みを浮かべながら立ち去っていくー。
しばらくしてー、雄之助は”愛花”の家に向かうー。
近所のおばさんたちが「またあの人ー?」と、
首を傾げているー。
だがーー
雄之助は、愛花の家をノックして、
「ーいるんでしょ?出て来てよ」と、叫ぶー。
愛花にとっても、雄之助にとっても、
本来、この光景は”前に見たはずの”光景ー。
前は、愛花が雄之助の身体で、雄之助が愛花の身体で”逆”だったけれどー、
二人にとって、本来は記憶にあるはずの光景ー。
しかし、相手の脳に保存された記憶に汚染された二人はー、
”入れ替わったあとのこと”を忘れてしまったー。
”脳”に保存されているのは”入れ替わる前”までの記憶ー。
入れ替わった後の記憶は”魂”の方に保存されていてー、
入れ替わった身体に汚染された際に、
入れ替わり後の記憶は上書きされるような形となってしまい、消えていたー。
つまり、二人は入れ替わってから、汚染されて、
自分を相手だと思い込んでしまうまでの記憶を失っているー。
そのためー、”同じようなこと”を繰り返しているー。
時の流れだけはー、脳が何らかの作用で整合性を持たせようとするのか、
二人は違和感を感じず、そのまま過ごしているー。
「ーーーー!」
雄之助が、周囲のおばさんたちの視線に気づき、
”このままじゃ通報されちゃうー”と、
戸惑いながら撤収していくー。
これも、前と同じだー。
愛花は、雄之助が立ち去っていくのを確認すると
ニヤリと笑みを浮かべながら
コスプレの衣装を引っ張り出し、それを堪能するー
「くくくくーエロすぎるぜー」
愛花は、ニヤニヤと笑うー。
今の状態は、身体は愛花で、中身も愛花ー。
けれど、中身の愛花が、雄之助の身体に汚染されて
自分を雄之助だと思い込んでしまっているー。
愛花(雄之助だと思い込んでいる愛花)
そんな状態ー。
自分の身体を他人の身体だと思い込み、笑みを浮かべながら
胸を揉む愛花ー。
「ーくへへへへへっ♡ 気持ちよすぎるぜー」
嬉しそうに笑う愛花の表情はー、
自分を自分とも思っていない、そんな歪んだ表情だったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーあれ…わたしー…」
しばらくしてー
愛花は、次第に”自分を愛花”だと思い込むように
なり始めていたー
いいやー…
それは”正しい形”に戻りつつあったー。
そうー。
愛花の身体に戻った愛花は、
自分を雄之助だと思い込んでいたものの、
今度は、”愛花の身体”に汚染されて、
自分を愛花だと思うようになっていったのだったー。
今度の場合、汚染というより、浄化と言えばいいのかもしれないー。
「お、俺は…雄之助ー いや…わたしは、愛花ー?」
このまま”これ”が進めば、
愛花は、結果的に自分を愛花だと思い込むようになり、
雄之助は、自分を雄之助だと思い込むようになるー。
結果的に、二人は元に戻ったのだったー
いやー
「へへへ…これで、中年フリーター生活とはおさらばだぜー」
雄之助は、”夢の矢印”を手に笑うー。
雄之助の身体に戻った”自分を愛花だと思い込む雄之助”は、
雄之助の身体の影響を受けて、自分を雄之助だと思い込むようになったー。
その結果ー
”また”
彼は、JKかJDの身体を手に入れて、中年フリーター生活と
おさらばしようと考えていたー…
入れ替わった後、その身体の影響を受けるたびー、
二人の記憶は”入れ替わった前まで”の段階に戻るー
結果ー、
”雄之助”は、汚染が終わる度に、”夢の矢印”で、JDかJKの身体を奪おうと画策し、
愛花の身体を奪うー。
最初に入れ替わりを仕掛けた雄之助は、こんなことになるとは思ってもいなかったー。
雄之助が入れ替わりを仕掛け、身体を入れ替えるー。
完全に汚染されたあとー、
今度は雄之助になった愛花が入れ替わりを仕掛け、身体を入れ替えるー。
二人は元に戻るも、
しばらくすると、雄之助がまた入れ替わりを仕掛けるー。
二人は
”入れ替わりの無限ループ”にはまりつつあったー。
③へ続く
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コメント
雄之助が入れ替わりを仕掛けて、
雄之助になってしまった愛花が、完全に雄之助になってしまった時点でまた入れ替わりを仕掛けて、
元に戻っても、また雄之助が入れ替わりを仕掛けてー…
入れ替わりのループが起きてしまいました…!
どうにかすることはできるのでしょうか~?
次回が最終回デス~!
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