”変態”と称するにふさわしい男によって、
身体を入れ替えられてしまった女子大生。
しかし、身体を入れ替えられてしまった彼女は
次第に、どんどん自分が変態になっていくことに気付くー。
そう、”身体”に自分の意識まで汚染され始めていたのだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーへへ…へへへへ… ついに届いたぞー」
狭いアパートの一室に住む40代中盤の男、
春村 雄之助(はるむら ゆうのすけ)は、
ニヤニヤしながら届いた”それ”を見つめていたー。
届いたのは、ダンベルぐらいの大きさの
「矢印」。
”⇔”という形をした謎の棒だー。
「ーへへへへへ…これを自分と相手に接触させれば、
その相手と身体を入れ替えることができるー…」
雄之助はそう呟くと、ネットで手に入れた
この”夢の矢印”と呼ばれる入れ替わりアイテムを手に、
笑みを浮かべるー。
部屋の中は散らかっていて、
隠す気すらない、R18のゲームや雑誌が
散らばっているー。
彼は、筋金入りの変態でー、
ランドセルを背負っている頃から、
他の子が遊んでいるようなゲームやカードには
興味を示さず、
R18なゲームや本ばかりに夢中になっていたー。
きっかけはー、いつだっただろうかー。
確か、父親がゲームソフトを買ってくれると言うので
ゲーム屋に行った時だったー。
当時、雄之助は”何も分からず”そのお店にあった
R18コーナーに入り込んでしまったー
その時、彼は目覚めたー
「うへっ♡」
子供にとっては刺激の強すぎるそのコーナーで
彼は満面の笑みを浮かべたー。
そして、パッケージに向かって思わずキスをした彼はー、
その時”変態”に目覚めたー。
あれから数十年ー
40代中盤になった彼は、
今、”入れ替わりアイテム”・夢の矢印を手に入れて、
それを使い、美少女、あるいは美女の身体を
奪おうと画策していたー。
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翌日ー。
「ーーホントにいつもありがとねー」
大学の建物から出て来た女子大生・野枝(のえ)が、
そう言うと、隣にいた優しそうな雰囲気の子が、
「ううんー。全然ー。また何かあったら言ってね」と、
穏やかな口調で言葉を吐き出しながら笑うー。
彼女ー、島永 愛花(しまなが あいか)は、
しっかり者で真面目な女子大生、
性格も明るく、誰からも信頼されるような、
そんな女子大生だー。
彼女と野枝が話しながら大学から出てくるー。
そんな様子をー
少し離れた場所から、数か月前に”夢の矢印”を手に入れた男・雄之助が
見つめていたー。
「へへへへへへ…どの子にしようかなぁ…」
他人と身体を入れ替える術を手にした彼は、
”奪う身体”を物色するために、今日、この大学の側まで
やってきていたー。
そしてー…
「ーーー…!」
たった今、大学から出て来たばかりの愛花を見て、
雄之助はニヤリと笑みを浮かべたー。
”あの子ー…すげぇいいー俺好みだー”
そう思いながら、早速雄之助は、愛花を尾行するかのように
移動を始めるー。
”ーークククク
今日で”中年のフリーター人生”は終了だぜー”
雄之助はそんなことを思いながら、
愛花が隙を見せるのを待つー。
やがて、友達の野枝と分かれて、愛花が一人になると、
雄之助は、いよいよ”もうすぐ俺があの子になるんだー”と、
ズボンをパンパンに膨らませながら、堂々と歩くー。
完全に勃起しているその様子は、
まさに変態ー。
この時、もしも雄之助が警官と遭遇していれば
そのまま職務質問を受けていたであろう、
そんな怪しい光景だー。
バスに乗る愛花。
雄之助は深呼吸して、自分の身体を落ち着けると、
自分もそのままバスに乗り込むー。
やがて、愛花が降りた場所は、
人通りのあまりない、
寂し気な道だったー。
この先に、愛花の家があるのかもしれないー。
だがーー
”その家に帰宅するのは、俺なんだよなぁ へへー”
そう思いながら、雄之助は、さりげなく愛花を追い抜いて愛花の前を歩きー、
”わざとらしく”入れ替わりアイテム”夢の矢印”を、落下させてみせたー。
「ーーーあ、あのー」
”計算通り”愛花が背後から声を掛けて来るー。
”さりげなく愛花の前を歩き、リュックから”夢の矢印”をわざと落とすー。
そして、愛花がそれを拾ってくれたら、何食わぬ顔でそれを受け取ればー…
雄之助と愛花が夢の矢印を持った状態になるー”
そういう、狙いだー。
二人が、夢の矢印を持てば相手と自分の身体が入れ替わるー。
「ーこれ、落としましたよ?」
愛花が少し不思議そうな顔をしながらも、落ちた”夢の矢印”を、
拾ってくれて、それを差し出してくるー。
まぁ、”⇔”を落とせば不思議そうな顔をするのは無理もないー。
キモい、と思われて拾ってくれない可能性も当然考えてはいたが、
愛花の雰囲気的に拾ってくれそうだと考えた
雄之助の予想は完璧に的中したと言えるー。
あとはー、
この子から”夢の矢印”を受け取ろうと、
それを触った瞬間に、身体が入れ替わるー。
自分が”愛花になる”という、夢のような瞬間が
あと数秒後に迫っていることを感じながら
雄之助は「ありがとう」と、”夢の矢印”を握ったー。
その瞬間ー、今まで感じたことのないような、
魂が抜けるような感覚を覚えるー。
いやー、感覚だけではない。
”本当に”魂が抜けているー。
”夢の矢印”にお互いの魂が吸い込まれてー、
そして、相手の身体に魂が注入されるー。
その間、わずか5秒程度ー
「ーーえっ!?」
突然、ニヤニヤしていた雄之助が
困惑したような表情に変わるー。
一方の愛花は、穏やかな表情から、
ニヤニヤとした表情に変わるー。
「ふへっ…♡ ふへへへへっ♡」
入れ替わってしまった二人ー。
変態男の雄之助は、入れ替わると同時に、
我慢できずに、その場で愛花の胸を揉み始めるー。
”元の身体の持ち主”の目の前であることも
お構いなしに、蟹股で胸を揉みながら笑うー。
「ーくへっ…♡ へへへ♡ やべぇ… やっべぇ♡」
顔を赤くしながら興奮している愛花(雄之助)ー
「ーえっ…な、何が起きてるんですか!?
ど、どういうことですか!?」
雄之助(愛花)が、持っていた”夢の矢印”から、
手を離しながら近づいてくるー。
「ーーえへへへへへへ♡」
それでもお構いなしに胸を揉み続ける愛花(雄之助)ー
そんな様子を見かねて
雄之助(愛花)は「ちょ、ちょっと!」と、愛花(雄之助)の
腕を掴むー。
がーーー
「ーーきゃ~~~~~~~~痴漢ーーーー
ってー、叫ぶぞ?」
愛花(雄之助)がニヤニヤしながら言い放つー。
「ーーー!!!」
雄之助(愛花)が、表情を歪めるー。
「ーへへ…どうなるか、分かるだろ?
JDと俺みたいなおっさん、世間はJDの言い分を信じるんだぜ」
それだけ言うと、戸惑っている雄之助(愛花)の
手を振り払って
「この身体は俺のものだ」と、嬉しそうに叫ぶー。
愛花(雄之助)は、ニヤニヤしながら、自分の身体になった
愛花の身体を今一度見つめると、
「じゃ、落とし物を拾ってくれてありがとう」と、
邪悪な笑みを浮かべながら立ち去ろうとするー。
「えっ…ちょっと、待って!」
雄之助(愛花)は当然、”はい、そうですか”とは、ならないー。
慌てて自分の身体が立ち去るのを止めようと、腕を掴むー。
だがー、
予想以上に”雄之助”いや、男の身体の力は強く、
入れ替わったばかりで力加減が分からない彼女は、
思ったよりも力強く、”元自分”の身体を掴んでしまうー。
「ーいったぁ~~~」
わざとらしくそう声を上げる愛花(雄之助)ー
「ーー女の子っぽく、悲鳴、あげてみよっか?」
ニヤッとする愛花(雄之助)に対して、
雄之助(愛花)は震えるー。
”どう考えても自分が不利”
そんなことは、雄之助(愛花)にも理解はできるー。
「返してー…わたしの身体ー…!」
雄之助(愛花)がそう言い放つも、
愛花(雄之助)は「やだー」と、笑いながら振り払うと、
そのまま、笑みを浮かべながら立ち去っていくー。
「…ちょっと!返してってば!」
雄之助(愛花)が慌てて後を追うも、
愛花(雄之助)に逃げられてしまいー、
そのままその姿を見失ってしまったー。
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「ーーいないの?…」
雄之助(愛花)が、困惑しながら、自分の家の前に立っていたー。
”身体が入れ替わるー”
こんなことが、実際に起きてしまうなんてー。
性別の違う身体ー。
容姿も、声も、手の長さも違うー。
自分の身体を見下ろすと、そこに見える膨らみは、
胸ではなく、お腹の膨らみー。
中年太りー…
と、いうよりかは、単純に太っているように見えるー。
特別、”おじさん”に嫌悪感はないものの、
”自分の身体を奪うような変態おじさん”の、身体になっていることには
激しい嫌悪感を覚えるー。
部屋のインターホンを再度鳴らし、
部屋をノックするー。
愛花になった雄之助は、この中にいるのではないかー、
そんな風に思うー。
だが、インターホンを鳴らしても、ノックをしても、
その返事はないー。
「ーーーね、ねぇ…!いるんでしょ!ねぇ!」
雄之助(愛花)が叫ぶー。
だがー、やはり中から返事はないー。
しかもー
「ーー!」
雄之助(愛花)は、困惑した様子で
”こちらを見ている”周囲の視線に気づくー。
”あの人、なにかしらー?”
”ー通報した方がいいかなー?”
”知り合いかもしれないけど”
近所のおばさんたちが”女子大生の部屋の前”で
騒いでいる”怪しいおじさん”を見て、
そんな風に話をしているのが聞こえて来たー
「ーーーーあの…島永さんに何か御用ですか?」
愛花の名前を口にしながら、近所のおばさんに声を掛けられる
雄之助(愛花)ー。
「ーーー……い、いえ、そのー…」
雄之助(愛花)は、戸惑った様子でそう呟くとー、
おばさんは「前も見かけましたけどー」と、そんな風に言葉を口にするー
”前もー?”
一瞬、愛花はそう戸惑うー。
雄之助は、入れ替わる前に既に下見を済ませていたということなのだろうー。
そう思うと、より嫌悪感が強まって来るー。
「いえ、その、大丈夫ですー。
失礼しますー」
雄之助(愛花)は、これ以上、愛花の部屋の前にいると通報されてしまう、と、
そう思いながら慌てた様子で立ち去ると、
どうすれば良いのか、分からず公園のベンチに座り込んで
頭を抱えてしまったー。
「どうしようー…… どうしようー…」
”周囲に入れ替わり”なんて言っても、信じてもらえるはずはないー。
だったらー…
自分で何とかしないといけないー。
”そういえばー…”
雄之助(愛花)は、雄之助のリュックサックを手にすると、
ベンチに座ったまま、その中身を探り始めたー。
さっき、入れ替わった直後に落ちていたままになっていた
謎の矢印ー…。
これを拾った直後に、愛花は入れ替わってしまったー。
そんなことを思い出しつつ、
その”⇔”を見つめる雄之助(愛花)ー。
しかし、仮にこれが原因で入れ替わったのだとしても、
使い方が分からないし、下手をすれば大変なことになるー。
(とにかく、まずは”わたし”と何とかして接触しないとー)
雄之助(愛花)は、そう思いながら
静かにその目を閉じて、ため息をついたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うへへへへー」
一方、愛花になった雄之助は、満面の笑みを浮かべながら
”愛花の家の中”にいたー。
雄之助(愛花)の思った通りー、
愛花(雄之助)は、家の中にいたのだー。
「ーへへへへへへ…」
愛花(雄之助)は、ニヤニヤしながらコスプレの衣装を取り出すと、
早速愛花の身体で、巫女服を着て、笑みを浮かべるー。
「はぁぁぁ~似合うなぁ~♡」
愛花(雄之助)の満面の笑みー。
”おっさん”であった自分がこんな服を着たら、
周囲は引くだけだっただろうー。
もちろん、男でもそれが似合うよう、努力すれば、
映える女装をすることもできる。
けれど、雄之助は、何の努力もしていないから、
そのまま巫女服を着れば、恐ろしい結果になるだけだー。
がーー
愛花の身体なら違うー。
「くくく…エッロ…♡」
嬉しそうにそう言うと、愛花(雄之助)は、夢中になって
自分の胸を揉み始めたー。
②へ続く
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コメント
①は、普通の入れ替わりな感じのお話でした~!★
でも、タイトルにある通り”汚染”要素が出て来るのデス…!
…その先は、まだちょっと言えないですネ~笑
ネタバレ防止なのデス!
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