<女体化>社長が美少女になっちゃった!?①~策謀~

とある会社の社長を、蹴落とそうと専務の男が
社長に”女体化薬”を盛ったー。

美少女になってしまった社長。

しかし、事態は思わぬ方向に展開していくー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーいやぁ、でもなぁ…」

優柔不断な雰囲気の40代の男ー、
藤森 勝彦(ふじもり かつひこ)社長が、
そんな言葉を口にするー。

少し疲れたような表情をしていて、
その顔立ちにも”優柔不断”な雰囲気が現れているー。

彼はー
”社長”ではあるが、
”社長”としての器ではなかったー

優柔不断で、気弱な性格でー、
そして決断力に欠けるー
また、経営者としては”優しすぎる”一面もありー、
本人もそれを自覚していたー。

だが、父親である先代の社長が心臓発作で
突然亡くなってしまい、
不本意ながら”社長”の座を継ぐことになってしまったのだったー

優しい性格の彼はアルバイトや新入社員がやるような仕事まで
率先してこなすために、
人望が全くないわけではなかったものの、
それでも、優柔不断な性質に不満を持つ会社の人間は多くー
たった今、行われている幹部が集まる会社の会議に
参加している社員たちにも、不満は広がっていたー。

「社長ー。それでは困りますよー。」
”反社長派”のリーダー格である若林(わかばやし)専務が言葉を口にするー。

「ーしかしー、僕はまだ迷ってるんだー」
頼りなさを晒す藤森社長ー。

”仕事熱心で真面目”ではあるものの、
元々トップに立つ器ではないー。

彼の父親である先代も、
”息子は前に立って力を発揮するタイプじゃない”と、
常々口にしていてー
急死することさえなければ、彼なりに何らかのビジョンを
考えている様子だったー。

けれど、先代は急死ー、
もう、彼が描いていたビジョンは分からないー。

「ーー社長は何事も決断が遅いー。
 これでは困りますよ」

眼鏡をかけたいかにも”エリート”みたいな風貌の
大泉(おおいずみ)常務が、メガネの位置を調節しながらそう呟くー。

「ーーーー分かっているー。分かってはいるけれどー」

藤森社長は困惑するー。

そうこうしているうちに、”結論”が出ないまま
会議は終わり、若林専務をはじめとする幹部たちは
深々とため息をついたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「くそっーあの無能がー」
若林専務は怒りの形相でそう呟くー。

「ーーまぁまぁ、専務ー
 落ち着いて下さいー」

大泉常務がなだめるようにして言うー。

「ーやはりー、
 この会社を引っ張っていくのは、専務ー、
 あなたしかおりますまいー」

狡猾なおじさん、という感じの体格の良い男、
松木(まつき)経営企画部長が言うと、
若林専務は笑みを浮かべたー。

「ーーしかし、社長には
 荒川(あらかわ)副社長がついていますー
 社長を交代させようにも、
 なかなかそう簡単にはいかないでしょう」

眼鏡をいじりながら大泉常務がそう言葉を口にするー。

”荒川副社長”とは、
先代の代から、この会社を支えている”先代の親族”の男で、
影で社長一族を支えている男だ。
現在、既に70代に差し掛かっているものの、未だ会社内で
強い影響力を残していて、
現在の社長である藤森勝彦社長のことを支えているー。

彼がいる限り、藤森社長がどんなに無能であっても
現実的に”排除”することは難しいのだー。

「ーーーーー」
若林専務は少し考えながら笑みを浮かべるー。

「ー”手”はあるー。
 荒川副社長とて、”社長の交代”を認めざるを得ない方法が、ねー」

若林専務の言葉に、大泉常務は眼鏡をいじりながら「と、言いますと?」と
確認するー。

「実は”開発部”に秘密裏にあるものを開発させていてねー
 それがまもなく完成するー。
 それを使えば、藤森社長は”失脚”するだろう」

若林専務がそう言うと、
慎重派の少し気弱そうなおじさんー、梶岡(かじおか)本部長が
ハンカチで汗を拭いながら言葉を発したー。

「ーーそ、それはーー”毒殺”とか、そういうことじゃないでしょうな?」
とー。

「ーはははははー
 そんなことをしたらおしまいだー
 それは私も心得ているー

 なぁにー
 藤森社長には”女子高生”になっていただこうとー
 そう思っていてねー」

若林専務はそう言いながら、笑みを浮かべるー。

「公島(きみしま)ー。
 例のブツの準備はー?」

若林専務のその言葉に、
”王子”の異名を持つイケメン開発部長・公島が笑みを
浮かべながら頭を下げたー

「女体化薬ー既に完成して後はテストを待つだけになっておりますー」
とー。

「クククーそうか
 これで、アイツは終わりだー」

若林専務の計画ー
それは、”藤森社長”を女体化させて美少女にしー、
”社長”として居座ることを不可能にして追放するー

そんな、計画だったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

「社長、今日は折り入ってお話がありますー」
若林専務は、そんな言葉を口にしながら、
藤森社長と会話をするー。

社員に”お茶”を用意させるとー
藤森社長に差し出す分に”女体化薬”を盛りー、
そして、何食わぬ顔で話を続けるー。

話の内容は、いつも話すような仕事の内容の
延長線上ー。

藤森社長は、いつも通り優柔不断な態度で
話を続けるー

”ークククーあんたにもう人望などないんだよー
 明日の朝ー、目覚めたときにはあんたは女の子だー。
 もう、この会社にはいられないだろうさー”

若林専務は、話しながら心の中でそう呟くー。

藤森社長は女体化薬の入ったお茶を口にしたー。

あの女体化薬は、”睡眠中に身体の中のあらゆる細胞を作り替えて”
一気に性別を変え、さらにはとある成分の配合量を調整することにより
”若返りの作用も発揮するー。

藤森社長は、明日の朝には
高校生ぐらいの年齢の少女になるのだー

”あんたはもう、終わりだよー”
若林専務は、心の中で邪悪に、そう呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

ちょうど、会社での会議が行われるその場で
若林専務は笑みを浮かべながら
”藤森社長”の到着を待ち構えていたー。

しかしー、
会議開始時間になっても、藤森社長は姿を現さずー。

”ククーまぁ、ここに来ることすらできないだろうよー
 朝、自分が目を覚まして女になっていたらー
 会社どころじゃないだろうからなー”

「ーーー遅いなー」
”藤森社長”の後ろ盾の荒川副社長が困惑の表情を浮かべるー

”荒川さん、あんたも一緒にこの会社から追放してあげるから、
 安心しなー”

若林専務がそんなことを心の中で思いながら
自分の一派の大泉常務、松木経営企画部長、梶岡本部長、
公島開発部長のほうをそれぞれ見つめ、笑みを浮かべるー。

「ー社長はいらっしゃらないご様子ー。
 今日は、藤岡社長は抜きにして、
 この私、若林がー…」

若林専務が会議の開始時刻を10分過ぎたところで
そう高らかに宣言しかけたその時だったー。

会議室の扉が開きー
可愛らしい少女が入って来たー

「ー!」
若林専務が少し驚くー

大泉常務、松木経営企画部長、梶岡本部長、公島開発部長も
驚きながら、その”美少女”のほうを見つめるー

「ーーーーーーう…美しいー…」
イケメンの公島開発部長が思わず顔を赤らめながらそう呟くー

綺麗な黒髪ー
整った顔立ちー
守ってあげたくなるような華奢な雰囲気にー
困惑したような表情を浮かべる
”女体化した藤岡社長”はー
想像以上の美少女だったー

「ーーーーーー」
口をぽかんと開けたまま言葉を失っている若林専務ー

まさか、”藤森社長”がこんなに可愛くなって姿を
現すなどとは、夢にも思っていなかったのだー

「ーーーはっ!」
すぐに我に返った若林専務は
「ーーき、き、君は誰かね!?」と、わざとらしく聞くー

この場に堂々とやってきたということは
間違いなく”女体化した藤森社長”のはずだー。

しかし、ここまで”可愛い”感じになるとは
想定外だったー。

藤森社長は、気弱そうな雰囲気が出ている
”冴えないおっさん”という感じの人物で
見た目にもオーラにも、秀でたものは、
少なくとも若林専務から見れば”なにも”ないような、
そんな人物だった。

そのため、藤森社長を女体化させた後も、
美少女とは程遠い、そんな存在になると、
そう確信していたー。

「ーーー…あ、あのーー」
顔を赤らめながら困ったような表情を浮かべる
”女体化した”藤森社長ー。

確かに、あの藤森社長の仕草だー。
自信のなさそうな感じー
頼りない雰囲気ー
少しオドオドした感じー。

聞かなくても、それが女体化した藤森社長だと
すぐに分かるー

”ぐっー…な、なんだこの可愛さはー…!?”
若林専務は心の中でそう思うー

「ーーわ…私は…社長の藤森でー…
 あ、朝、目が覚めたら、こ、こんな姿にー」

とても恥ずかしそうに目を伏せる女体化した藤森社長ー

”まぁいい”
若林専務は、心の中でそんな風に思うー。

いずれにせよー
このような姿になってしまった以上、
もうどうすることもできないだろうー。

これで、藤森社長はもう終わりだー。

「クククークク…
 はははははははは!

 あなたが藤森社長であると、ご冗談はやめていただきたい!」

若林専務は高らかに笑い声をあげると
”女体化した”藤森社長のほうを見つめながら言葉を続けたー。

「ーうちの社長は男ですー
 それに、君とは年齢も違いすぎるー。
 見たところ君はー…そう、まだ20にもなっていないぐらいに
 見えるが、うちの社長は40代だー。

 それとも何か証明する方法でもー?」

若林専務はそう言いながら笑みを浮かべるー

”自分が女体化した藤森社長だ”と、
証明することが出来なければ
それで終わりー。
この”美少女”になった藤森社長を
”社長を名乗る頭のおかしな子”として追放し、
藤森社長自身は”行方を晦ました社長”として、
「会社から逃げ出した」レッテルを張り、社長の座から
解任すればいいー。

万が一、”自分が女体化した藤森社長だ”と
証明できる場合でも
”そんな姿で、社長業が務まりますか?”と、
社長の座を下ろしてやればよいー。

どっちに転んでも
若林専務が次期社長の座につくことは、
間違えのないことなのだー。

「ーそ、それはー」
困り果てたような表情を浮かべて、
美少女になった藤森社長が俯くー。

「ーはははー。
 そうでしょうね。
 君は藤森社長ではないー。
 どうしてそんな嘘をついたのかは知らないがー、
 ここは関係者以外立ち入り禁止だー。
 
 お引き取り願ーーー

「ーーいえ、この子は藤森社長で間違いないでしょうな」

「ー!?」

若林専務の言葉を途中で遮りー、
”狡猾なおじさん”という雰囲気の松木経営企画部長が
言葉を口にするー

「ー社長ー。
 いきなりそのような御姿に…
 さぞ、大変だったことでしょうー」

松木経営企画部長はそう呟くと、
優しく”美少女になった”藤森社長の手を優しく握り、
そのまま社長が座るイスの方に案内していくー

「ーーお、おい…?松木!?」
若林専務が少し狼狽えながら言うと、
「専務ー。この子のこの雰囲気ー、藤森社長に間違いないと思いますがー?」
と、松木経営企画部長はニヤニヤしながら言い返して来たー。

松木経営企画部長の顔が少し赤らんでいるのを見て
若林専務は、何故松木が急に社長を庇いだしたのかを悟るー。

”くそっ!このエロオヤジが!社長が美少女になったからか…!”

そんな風に思いつつも
「だが、その姿では社長業はできますまい!」
と、若林専務は笑みを浮かべながら言うー。

「いいえ」
そんな言葉を否定したのは、隣にいた大泉常務だったー。

大泉常務は眼鏡をいじりながら
「ーそれは我々がサポートしていけば良いだけのことです」
と、松木同様に”社長を庇う”言葉を口にし始めたー

「ーーな…!」
若林専務が意味もなくガタッ!とイスから立ち上がるー。

「ーー社長ー
 おぉ、何とお美しい姿に!」
イケメンの若手、公島開発部長も、そう叫ぶー。

「ーーー我ら全員で社長をお支えするー
 なぁ、梶岡、異論はあるまい?」
松木経営企画部長が言うと、
気弱な雰囲気のおじさん、梶岡本部長は
「あ、は、はいーもちろんです」と、頷くー。

元々”藤森社長”の後ろ盾である荒川副社長も
少しだけ安堵の表情を浮かべた様子で、
女体化した社長の方に近付いていくと、
”社長を女体化させて会社を乗っ取る”つもりだった
若林専務は一転してー、味方を失ったことに気付き、
一人悔しそうに机をドン!と、叩いて
歯ぎしりをしながら、”美少女になった藤森社長”のほうを見つめるのだったー。

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

会社を乗っ取るために、社長を女体化させたのに、
社長が美少女になってしまった裏目に…!?

明日以降、どうなっていくのか、
ぜひ見届けて下さいネ~!

コメント

  1. TSマニア より:

    スゴい展開になってきましたネ☆

    若林専務の策謀が…計画が…

    裏の裏もありそうな展開ですネ!