<憑依>悪の組織の女幹部に憑依しました①~欲望~

”人に罵倒されると興奮する”

そんな彼は、昔から”悪の組織の女幹部”が大好きだったー。

ある日、憑依薬を手に入れた彼は
迷わず”悪の組織の女幹部”を憑依対象に選ぶのだったー。

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「ーーごめんー
 ちょっと、わたしの理解が追い付かないー」

彼女の美彩(みさ)が困惑した様子で呟くー。

男子大学生の若松 照明(わかまつ てるあき)は
たった今、先月から付き合い始めた美彩に振られようとしていたー。

「ーーだから、ほら、あれだよ、俺のことを叩いたり、
 罵ったりしてほしいんだよ!」
照明がそう言いながら
「美彩にとって悪い話じゃないだろ?
 ほら、これー!」
と、部屋にあった本を取り出すー。

小さい頃に良く見ていたヒーローモノの本だー。
そこには、いかにも悪女な感じの”悪の組織の女幹部”が
描かれているー。

「ーーーーこんな感じで俺のこと踏んでほしいんだ!」
照明がそう叫ぶとー、
美彩は「ごめん。ちょっと意味が分かんない」と、苦笑いしたー。

「ーーーいや、だから、俺を踏んでくれ~!罵ってくれ~!」

照明が興奮した様子で叫ぶー

美彩は”化け物”を見るような目で照明を見つめるとー、
「ーーわ、わたしーーーな、なんかついていけないー」
と、困惑した様子で呟いてから、照明に別れをつげたー。

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「お~!しょうめい!また振られたんだってな!」

翌日ー
大学で友人の修平(しゅうへい)がそんな言葉を口にするー。

「だれがしょうめいだ!俺はてるあきだ!」
照明が不満そうにそう呟くと、
「ー同じ漢字じゃねぇか」と、修平が笑いながら、
照明のことを揶揄うー。

「ーーってかさ、いきなり付き合い始めた相手に
 ”踏んでくれ~!”とか言ったら、振られるに決まってんだろ」
修平が笑いながらそう言うと、
「いや、いつか女王様みたいな子と出会えるはずなんだ!」と、
そんな、希望に満ちた言葉を口にするー

「いやいやいやいや、既に5人だっけ?
 振られた回数ー。
 同じ失敗を何度も繰り返してたら、あっという間に30を超えて
 おっさんになっちまうぜ?」

修平が呆れ顔で言うと、
照明は「踏んでくれない子と付き合うぐらいなら、生涯独身でいいさ!」と、
満面の笑みで答えたー

「お前なぁ」
呆れ顔の修平ー。

しかし、照明は気に留める様子はなかったー

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この世には決して”表”にならない”裏”があるー。

真面目そうだった人間が急に事件を起こしたりー、
不自然な事故が急に起きたりー、
奇妙な現象が起きたりー、

それらはー
この世の裏で暗躍する
”ある悪の組織”による仕業だったー。

悪の組織”ドッペル・ダーク”ー。

異世界から出現したその悪の組織は、
着々と人間界の侵略を進めていたー。

しかしー、
各国の政府は、”ドッペル・ダーク”の存在が
明るみに出れば世界はパニックになると考え、
この情報の一切を遮断ー、
各国で人員を派遣し合い、秘密組織を作り上げて
ドッペル・ダークに抵抗を続けているー。

そんな状態だったー。

ドッペル・ダーク側にとってもそれは好都合で、
”人間に必要以上に騒がれることなく”
悪の計画を遂行できるー…

と、いうことでー、
必要以上に人前に姿を現すことなく、
日夜、世界各国が結成した”秘密組織”と戦いを繰り広げていたー。

それはー
”一般人”には少なくとも”今はまだ”関わりのない話で、
ほとんどの人間は、
ヒーロー番組のような悪の組織が
”本当に”現在、人類を脅かしているなどとは
夢にも思っていなかったー。

がー
時々ー…
”暗躍する悪の組織”に、遭遇してしまったりー
狙われてしまったりー
そんな”不運”な者たちも存在するー。

「ーーひっ…!?」

大学帰りー
いつものように帰り道を歩いていた美彩が
怯えた表情を浮かべるー

「あはははっ!”次”の身体はこの子でいいやー
 結構可愛いし」

”小悪魔”と表現するにふさわしいような、
無邪気な感じの女が、笑いながら言うー。

「ーリリ。早く済ませない。
 人間が見ているかもしれない」

その横に立っているのは妖艶な雰囲気のー
悪の女幹部特有の色気と露出度が目立つー、
そんな女ー

二人は、悪の組織”ドッペル・ダーク”の幹部ー。
リリとルナ。

先日、照明を振った美彩の身体を
”ある計画”のために、奪おうとしていたー。

その計画とはー
美彩が通う大学教授を悪の組織に引きずり込むことー。
美彩や照明が通う大学には、とある分野の研究の第1人者がいてー、
美彩はその教授の授業を受けていて、そこそこ親しいー。
そこに目をつけた”ドッペル・ダーク”は、
その教授を美彩の身体で誘惑ー、
仲間に引き入れようとしているのだー。

「かーー…身体って…な、何のことですかー?」
怯えた様子の美彩。

だが、リリは「うるさいなぁ」と、言い放つとー、
そのままぴょん!と、飛び跳ねて美彩に近付きー
美彩にいきなりキスをしたー

リリの姿が光になって、美彩に吸い込まれていくー。

すると、美彩はすぐに笑みを浮かべて
「いぇ~い!女子大生ゲット!」と、もう一人の
妖艶な幹部・ルナに対してピースしてみせたー。

悪の組織の幹部の憑依された美彩は
この瞬間から、悪の組織の計画を推し進め始めるー。

だがー、
”本来であれば”そのことには誰も気づかずー、
”美彩が乗っ取られたこと”には
誰も気づかないはずだったー。

しかしー

「ーーえっ…!?」
偶然ー…
”美彩と復縁できないかなぁ”と、声をかける機会を
伺ってストーカーまがいのことをしていた照明が
その現場を目撃していたー。

「い、今のー…な、なんだー!?」
木陰に隠れながら震える照明ー。

「ーあははは!すごい!この子のおっぱい気持ちいいよ!」
美彩が普段とはまるで別人のように
無邪気な笑顔を浮かべて、胸を揉んでいるー。

まるで、人が変わったかのようにー…。

「ーーーーーーーーーー」
呆然とその様子を木陰から見つめる照明ー。

「ーーさっすが”ドクター”の作った憑依薬だね!
 人間の身体なんて、こんなに簡単に乗っ取れちゃう!」
両手を広げながら嬉しそうに、奪った美彩の身体を自慢するリリ。

「ーーふふ…そうね」
ルナが微笑むー。

「ーーーーーーーーー!!!」
照明はガクガクと震えていたー。

昨日まで彼女だった美彩がまるで別人のようになってしまったーー
ーーー彼女を助けなければーーー

ーーーなどとは、思っていないー。

震えているのは、別の理由だー

「や…やべぇ…美彩の横に立ってるあの女ー
 滅茶苦茶好みすぎるー…!」

典型的な”妖艶な悪の女幹部”という感じの風貌の
ルナを見て、照明はいても立ってもいられず、
そわそわとするー。

「ーじゃ、戻ろっか」
美彩が笑いながら言うと、
ルナは「ええ」と、そのまま歩き始めるー。

美彩とルナの後ろ姿を見ながら
「あぁ…なんでああいう女幹部って、
 綺麗な肌を見せようとするんだろうなー」と、
ニヤニヤ笑みを浮かべるー。

「ん?」
その時だったー。

土の上に何か容器が落ちているのを見つめるー。

その容器には
”憑依薬”と記されているのが見えるー。

「ーーえ?」
照明はそう呟きながら、
さっきの”リリ”とかいう子が、美彩の身体で言っていた言葉を思い出すー

”ドクターの憑依薬”
と、いう言葉をー

「ーえ…お、落とし物ー?」
照明はそんなことを呟きながら、だいぶ離れた場所まで歩いて行った
ルナと美彩の後ろ姿を見つめるー。

「ーーいや、待てよー」
照明はふと、落ちている憑依薬の容器を見て、
咄嗟にそれを飲み始めたー。

”人間”にとって毒かもしれないし、
本当に中身が憑依薬かも分からないし、
そもそも、どのぐらいの量、飲めばいいのかもわからないー。

しかし、”他人に憑依できる薬”などというものを前に
そのまま”危険だからやめておこう”などと考えることができるほど、
照明は理性的でもなかったし、
何よりも”元カノ”が目の前で憑依される現場を見て、
己の欲望を抑え込むことができるほど、賢くもなかったー

「す、すげぇ…!」
憑依薬を飲んだ照明は、”何も起こらないな”と
思いながらも、妖艶な女幹部・ルナと一緒にいた
無邪気な雰囲気の女幹部・リリが、元カノの美彩にキスをして
憑依した場面を思い出すー。

そんな光景を思い出して少しドキッとした照明は
”お、俺もキスをすれば、もしかしてー?”と、
笑みを浮かべるー。

もしー、
もしも、この憑依薬と書かれた容器の中身が
憑依薬じゃなかったらー?

一般人には使いこなせないものだったらー?

飲み方や使い方を間違っていたらー?

そうは思いつつも、
「へ…へへ…キスをすれば、俺もー」
と、無謀にも悪の組織の女幹部にキスをしようと考える照明。

仮に何か間違っていて、憑依できなかったら
キスをした途端に、照明の命は無くなると言ってもいい。

それでも照明は自分の理性と言う名のブレーキを
踏むことが出来ずにそのまま、
憑依された美彩とルナの後を追うー。

「ーーーーーー!!」
二人は、人の気配のない山の方に向かうと、
その一角にあった廃棄された神社のような場所に向かうー。

そして、その先にー
紫色の不気味なワープホールのようなものが存在していたー。

「ーあたしは少しこの身体で遊んでから帰るから~」
美彩がそんなことを言いながら、嬉しそうにニヤニヤと
笑みを浮かべるー。

「ーまた人間遊びー?ほどほどにしておきなさいよ」
ルナが呆れ顔で呟くと、美彩は「うんうん!分かってる分かってる!じゃあね~」と、
そのまま走り去っていくー。

”すげぇ…いつも大人びた感じの美彩があんなに…へへへ”
照明はそう思いながら、残るルナのほうを見つめるー。

照明の狙いは、ルナ。
そう、妖艶な女幹部に憑依するのだー。

ルナが少しだけ周囲を見渡してから、
そのワープホールの方に向かって歩き出すー。

恐らく、”アレ”に入れば、
奴らの本拠地ー、あるいはそれに類する場所に
ワープすることができるのだろうー

そんな、気がしたー。

心臓をバクバクさせながらー
照明は背を向けたルナに向かって近づくー。

「ーー!?」
ルナが人間の気配を察知して、振り返るー。

それと同時にー

「ーー!?!?!?!?!?」
ルナは、背後から忍び寄ってきた人間の行動に
今までにない衝撃を受けたー。

突然ー、背後から迫ってきていた人間ー
照明が自身にキスをしてきたのだー

「おまえ…なにをー?」
そこまで言いかけたところで、照明の身体が
光の雫のようになっていっているのに気づくー

「ま、まさかー…!」
ルナが驚くと同時に、照明が自分の中に
吸い込まれていくー

ビクッと震えるルナ…。

やがてーー
ルナは、嬉しそうに笑みを浮かべたー

「うわっ…へ…へへーす、すげぇ…」

目論み通り、悪の組織の女幹部に憑依することが
できてしまった照明は、
ルナの身体で、嬉しそうに笑みを浮かべるー。

ルナの露出度の高い、悪女感満載の衣装を
”主観視点”で見つめながら、照明は
思わず涎をこぼしてしまうー

「ーーふ…ふひっ…
 すげぇ…俺が…俺が悪の女幹部に…!」
ルナの胸を早速揉みながら嬉しそうに笑うと、
ルナになった照明は、自分の背後にある
ワープホールのようなものを見つめたー

「ふへ…へへへ…
 まさか現実にこんな悪の組織みたいのがいるなんてー」

ルナは、少しだけ迷った後に
「ーえへへへ…見に行くしかないよなー」と、
下品な笑みを浮かべるとー、
そのまま”正体不明のワープホールのようなもの”に
一人飛び込んだー。

②へ続く

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コメント

悪の組織の幹部に憑依してしまうお話デス~!

早速、後先考えずに憑依してしまった
彼の運命は…!?

続きはまた明日デス~!
今日もありがとうございました~!!

コメント

  1. TSマニア より:

    昔の悪の組織の女の幹部って露出度高かったですよネ笑

    照明は踏まれたい側だし異世界にワープしたりどうなることやら汗

    無事に元の世界に戻れるのか…

    照明の運命は…

    自分は良い娘に憑依して待ってますネ( *´艸`)笑

    • 無名 より:

      ありがとうございます~!☆☆

      異世界に行っちゃったりしていて、
      先のことを考えると、
      不安になってしまいますネ~笑

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