<皮>脱ぐに脱げなくなった俺②~予期せぬ展開~(完)

1日だけ、彼女を皮にして
お楽しみをしようと思った彼。

しかしー…
予想外の出来事から、彼女を脱ぐことが
できなくなってしまいー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーく、くそっ…」

腕組みをしながら、イライラした様子で
足をトントンとする深夏ー。

深夏は今ー、
彼氏の幸喜によって”皮”にされて
乗っ取られているー。

当初ー
幸喜は休日の今日、1日だけ深夏の身体を堪能して
すぐに深夏を開放しようと思っていたもののー
予想外の出来事が起きたー

それがーー
”荷物の遅延”ー

深夏の身体で色々な格好をしてみたいー、と、
メイド服やらボンテージやら、
色々な衣類を購入し、当日着で注文したのだが、
それが”遅れて”しまっているのだー。

本当であれば夜までに色々な服が到着してー、
それを深夏の身体で堪能してー、
深夏を今日のうちに解放、衣類は持ち帰って
処分するつもりだったー。

深夏のメイド服姿ー
深夏のボンテージ姿ー
深夏のラバースーツ姿ー
深夏の水着姿ー

想像するだけで、幸喜は深夏の身体のまま
鼻血を吹きだしてしまいそうになるー。

がー
それが到着しない以上、
どうすることもできずー、
しかも、”深夏が正気に戻ったあとに到着してしまったら”
深夏は”身に覚えのないコスプレ衣装の数々”を前に
どんな反応をするか分からないー。

「ーくそっ…待つしかないかー」
落ち着かない様子で貧乏ゆすりをしたりー、
髪をいじったり、爪をかじったりし始める深夏ー

鏡にそんな深夏の姿が見えてー
”自分が深夏をイライラさせている”状態に
ゾクッとしてしまうー。

だがー、
今はそれよりも、早く荷物を届けてほしいー、
その一心だったー。

もう一度、問い合わせ番号を入れて
荷物が現在どこにあるのかを確認する深夏ー

”深夏の綺麗な指でスマホを操作している”
そんな現実にも、やはりドキドキが膨れ上がって来るー。

「ーー!」
深夏は荷物の配送状況が”調査中”から変わったことに気付くー。

しかしー

”保管中”にステータスが変わり、
お届け予定日が明日になっていることに気付いたー

「うぁ~~~~!くそっ!やりやがった!」
思わず、そんな風に叫んでしまう深夏ー。

今日指定で注文したのに、何らかのトラブルで
到着予定日が明日になってしまったー。

これでは、今日、皮にした深夏を脱いで解放してしまったら
明日、正気の深夏の元にこれが届いてしまうことになるー。

「ーー…あ~~~くそっ…ダメだー…」
そう思いながらカレンダーを見つめるー

幸い、明日も大学は休みだー。

「ーーいや…でもー2日間ずっと寝てたんじゃね?は無理があるしなー」
深夏はソファーの上で胡坐をかきながら困惑の表情を浮かべるー

当初、深夏を乗っ取っていた今日1日はー
深夏に対して”休みの日だし、夜まで熟睡しちゃったんじゃないか?”と
適当なことを言い、それで押し通すつもりだったー。

深夏は心配するかもしれないが、
それなら、なんとか誤魔化すことはできるだろうし、
深夏自身も恐らく、次第に気にしなくなるだろうー、と、
そう考えてのことだったー。

がー、
2日間も乗っ取り続けるとなるとー

「ーーー」
深夏は表情を歪めるー

”近くの配送センターまでは来てるなー”

こうなったら、直接荷物を回収してしまおうー。

そう思いながら、深夏はすぐに出かける準備を始めるー

「せ、せっかくだしー…おしゃれをしてー…」
ドキドキしながら深夏は可愛らしい服を色々と見つめながら
そう呟くー。

だがー
既に日は沈んでいて、これ以上時間をかけるわけにはいかないー

もっと色々な服を見て見たかったが、
とりあえず無難に可愛い服装を選んで、
身分証明書を手に、外へと飛び出したー

”は~~~…なんか、女の子として街を歩いてるのドキドキするー”

スカートの履き心地にも慣れないし、
なんだか自分が女の子だと考えるだけで妙にドキドキするー

深夏の学生証を手に、
深夏として荷物を受け取りにいくのもドキドキするー

「ーしかし、俺に荷物を渡してくれる人もー
 まさかこんな可愛い子が、ボンテージとか注文してるなんて
 夢にも思わないだろうなぁ…」

深夏の身体でボソボソそんな風に呟くー。

20分ちょっとかけて、配送センターにやってきた深夏は
荷物を受け取りに来たことを伝えて
学生証を取り出そうとするー

だがー

「あ、あれっ…?」
深夏は慌てた様子で、自分の服を色々ガサゴソと触り始めるー。

確かに、ポケットに学生証を入れて来たはずなのにー

「え!?ま、マジかよー…ま、まさか落としたのか、俺?」
深夏の声でそんな風に呟く幸喜ー

すぐにハッとして、受付の人に、愛想笑いを浮かべながら
会釈すると、「ちょ、ちょっと待ってくださいねー」と
言いながらその場を離れたー。

「ーいやいやいやいや、ってか学生証はー…?」

学生証を確かに入れたはずのポケットに
学生証がないー。

慣れない身体で歩いていたからだろうかー
いつもより変な歩き方になってしまったしー
もしかすると、ポケットから学生証が落ちてー…

「ーーじ、じ、冗談じゃない!」
荷物どころの問題じゃなくなるー。

そう思いながら「す、すみません!一度出直します!」と
叫んだ深夏ー

深夏は慌てて来た道を引き返すも、
深夏の学生証を見つけることはできなかったー

「こ、交番に行くかー?」
はぁはぁ言いながら深夏は戸惑いの表情を浮かべるー

「い、いや、ダメだー交番になんか行ったら
 深夏が疑問に思うだろうしー」

深夏はすぐに”い、家に置いてきたのかも”と、
慌てて家まで引き返すー。

けれどー
自分の記憶の中でハッキリと”学生証”を持ってきた記憶はあるー。

つまりー
”現実逃避”ー。

家には恐らくないのにも関わらずー
”家にあるかもしれない”と、
そんなありもしない希望に縋ってしまうー

慌てて帰宅した深夏ー。

だが、そこに学生証はなかったー

「ーーく、くそっ!」
思わず大きな声を出してしまう深夏ー

”荷物が届かない”
”学生証を失くした”

深夏を解放できない理由が増えてしまったー
深夏の人生を乗っ取ることが幸喜の目的ではないー。
あくまでも”ちょっと”遊びたかっただけだー。

彼女の深夏を怖がらせるようなことは
当然したくないしー、
もう、解放したいー

けれどー…

その時だったー
深夏のスマホが鳴り始めるー。

「ーーー誰だ…」

そう言えばー学生証には
電話番号を記入することもできるようになっていたー

深夏が記入していたかどうかは知らないが
もしかすると、深夏の学生証を拾った相手からかもしれないー

そう思いながら電話に出た深夏ー。

するとーーー

”へへへへへ…学生証を拾ったものです”

そんな、怪しげな男の声が聞こえて来たー

「ーーあーーーありがとうございます」
とりあえずお礼の言葉を口にする深夏ー。

だが、相手の男はー
最悪なことに”変質者”だったー。

”学生証ー返してあげてもいいんだけどさー
 代わりにおじさんのお願い、聞いてくれるかなー?”

その言葉に、深夏は青ざめたー。

”おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいー
 次々とクソみたいなことが起きるな!”

どんどん状況が悪くなっているー。
荷物の遅延だけで済んでいれば最悪でも、
明日、荷物が届き次第すぐに深夏を解放すれば
それでなんとかなったはずー。

しかしー
学生証を落として、変な男に拾われてー
どんどん最悪な状況になっているー。

「ーー…ーーお、お願いってなんですかー?」
深夏が表情を歪めるー

正直、もうとっとと解決したいー。
時間が掛かればかかるほど、正気に戻ったあとの深夏は
不安を感じるだろうし、
バレるリスクも高まるー

”ふへへへへー
 お願いは会ってから言うよー”

おじさんの声は、欲望に歪んでいるー

彼女を皮にして欲望を楽しんでいる自分が
言える立場じゃないのは分かっているー

がー、
”この変質者め!”と、心の底から思ったー。

けれどー
早くどうにかしないといけないー。

再発行や無視という選択肢はー
今の深夏には使えないー。

この変質者が、深夏が正気に戻ったあとに何か行動を
起こしてしまったら、
深夏に”自分に意識がなかった間、何かをしていた”
ということがバレてしまうし、
深夏を巻き込んでしまうー

「くそっ!!どうしてこんなことに…!」
深夏は拳をぎゅっと握りしめるー。

荷物は届かないしー
学生証は変な男に拾われちゃうしー、
踏んだり蹴ったりな状況だー。

「ーーと、とにかく、分かりました!
 どこに行けばいいですか?」

深夏は、
”お願い”を聞いたら、もう2度と関わらないで欲しいということを
念入りにお願いしてー、
相手の男に承諾させたー。

すぐに、男の指定した場所に向かうと、
男はニヤニヤしながら、「ーほら、学生証ー」と、
深夏が落とした学生証を手に、ニヤニヤとして見せたー。

「ーーー…早く返して下さい」
深夏がそう言うと、男はニヤニヤしながら、
「お願いを聞いてくれたら、なー?」と笑うー。

「ーー…お願いって、何ですか?」
深夏の中にいる幸喜が、怒りを感じながらそう呟くとー、
「ー今日1日だけ、おじさんの彼女になってほしいんだー」と、
笑いながら言うー

”ふ…ふざけるな!”
思わずそう叫びそうになったー。

普段の深夏なら、そうは叫ばないまでも
逃げるなり、警察に相談するなりの対処をしたはずだー。

もしも、幸喜が同じような目に遭った場合でも、
幸喜が、この変質者の男に従うことはないだろうー。

しかしー
今は、違うー

”深夏を皮にして乗っ取っている状況”

とにかく、長引かせるわけにはいかず、
かつ、正気に戻ったあとの深夏に
何も不安を与えないように、
”すぐに”この問題を終わらせないといけなかったー

「ーき、今日の0時ー
 それを過ぎたら、二度とおー…わたしに関わらない。
 約束できますか?」

深夏が強い口調で言うと、
おじさんはニヤニヤしながら「いいとも」と、答えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

おじさんと”デート”をする深夏ー。

手を繋いだり、キスをさせられたり、
イヤらしい手つきで触られたり、
抱きしめられたりー

全てに、耐えたー。

”彼女っぽい言葉”を掛ける度に、
身体が怒りに震えたー

自分の彼女が浮気しているのを
目の前で見せつけられているようなー

いやー、
”彼氏である幸喜が自ら彼女の深夏を浮気させているような”

そんな、何とも表現しがたい、恐ろしい経験だったー。

やがてー
屈辱のデートは終わり、男は学生証を深夏に返却したー。

すぐに深夏は家へと帰宅して、ため息をつくー。

「ーーはぁ…はぁ…はぁ…これでー…」
深夏は荒い息をしながら、
コスプレ衣装の配送状況を確認するー。

明日到着予定ー
これが届いたら速攻で深夏を脱ぎー、
衣装を着るのは諦めて、持ち帰って処分しようー。

”あぁ、こんなことになるんだったら、”先に”買っておけばよかったー”
そう後悔する幸喜ー。

深夏を乗っ取る前に、衣装を自分の家宛に購入しておき、
それを持ってきて深夏を支配すれば良かっただけの話ー。

しかし、欲望に負けた幸喜は、深夏を乗っ取ることばかりが
先に頭に浮かんでしまい、
その結果が今、この状況だー。

「ーとにかく、明日、すぐに解放しようー」

”深夏からすれば、意識が丸1日以上飛んでいたこと”になってしまいー
”休みの日だから寝てたんじゃないか?”は流石に通用しないレベルの
長さになってしまうー。

けれどー…
もう、できる限り早く解放して、
何食わぬ顔で深夏の不安を取り除くしかないー。

翌朝ー
すぐに配送状況を確認する深夏ー

どうやら、午前中のうちに到着するようだー。

”よかったーこれで深夏を脱げるー”

そんな風に思いながら、学生証をなんとなく見つめた
その時だったー

「ん?」
学生証の裏に何かが書かれていることに気付くー

そこにはー

”昨日は最高のデートだったよ!
 おじさんとまたデートしたくなったら
 いつでも電話してほしいな
 チュッ!”

と、おじさんの連絡先付きで文字が書かれていたー

「ふ、、ふざけんじゃねぇ!!!!!!」
深夏は思わず学生証を投げつけたー

これじゃ、深夏に”何かあった”とバレてしまうー

焦りを感じて爪をかじり始める深夏ー。

その時、スマホが鳴るー。

そしてーーー
スマホを確認した深夏は青ざめたー

”深夏ー、もしかして浮気とか、
 お小遣い稼ぎとかーよくないことしてる?”

深夏の友達からのLINEー。
そこには、昨日の”おじさん”と一緒に歩いている写真がー
送られてきていたー。

昨日ーーー
”偶然”目撃されてしまったのだー

おじさんと”演技”で微笑んでいる深夏ー

だがー、深夏本人がこんなものを見たらー

「うあああああああっ!くそっ!これじゃ、深夏を脱げない!」

深夏にバレてしまうー
深夏を不安にしてしまうー

”何事もなかったかのように”
深夏を解放することができないー。

そう思いながら、パソコンの画面で
荷物の状況を再度確認すると、
またステータスが”調査中”に変わっていて
いつ到着するか分からないー

「うあああああああああ!!!
 ああああああああああああ!!!!!!

 くそっ!!!くそっ!!!くそっ!!!!!!!!」

深夏にバレないようにー
深夏に何事もなかったかのように装うためにーーー

そう考えていたのにー

このままではーー

”皮にした彼女”を
脱ぐに脱げなくなってしまった幸喜は、
どうすることもできずに、困惑の叫び声をあげたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

こうなってしまったら
全てを打ち明けて謝るか、
いっそのこと…

ですネ~笑

お読み下さりありがとうございました~!

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