入れ替わり後に、とあることを知り、
”やっぱり俺の身体を返して下さい”と叫び、拒否されてしまった洋太ー。
しかし、その翌日、菜々美の方から
”冷静になって考えたら、やっぱりー”
と、連絡がありー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”色々考えてみたんですけどー…
やっぱり、この身体で生きていくのは辛いですしー
わたしには友達も、実家の両親もいますー
そういうものを、全部投げ出してまでー
1億円なんか、欲しくありませんー…
それに、この身体で生きていくってなったらー
よく考えたらーわたし、20年近く人生を損してることになりますしー”
菜々美(洋太)が、洋太(菜々美)に対して
”やっぱり俺の身体を返して下さい”と、叫びー、
拒否されてしまった翌日ー。
冷静になって色々考えたという
洋太(菜々美)から”やっぱり元に戻りたい”と、連絡があったー。
洋太(菜々美)の言葉に、菜々美(洋太)はニヤッと笑みを浮かべるー。
昨日、話したときには突然のことで感情的になっていた、と
洋太(菜々美)は言葉を続けるー。
きっと、一晩経って
菜々美も冷静になったのだろうー。
確かに、大学生の菜々美からしてみれば、まもなく40になる
洋太の身体で生きていくとなれば、約20歳から約40歳になることになり、
20年以上、人生が短くなるー。
いくら金があっても、人生は買えないー。
洋太のように、”ちゃんとその年月生きて来た”ならともかく
菜々美のように、まだ大学生の人間がいきなり40近くになるとなれば
やはり損したように思うのだろうー
「ーーーーそう言って、金を使ってるんじゃないんだろうな?」
菜々美(洋太)が言うと、
”使ってませんし、そもそもどうすればいいのか知りませんし”と
引き換えすらしてないことを口にしたー。
「ーへへ…ならいい」
菜々美(洋太)はそう言うと、”身体を返すこと”に応じたー
明日、元に戻る約束をして
電話を切り、満面の笑みを浮かべる菜々美(洋太)ー
「ーまさかあっちから、元に戻りたいと言ってくるとはー
助かったぜ」
菜々美(洋太)はそう呟くと、
ニヤニヤとしながら、自分の胸を揉み始めたー。
”おっさんの身体に戻るのは残念だけどー
これで、1億円は俺のものだぜー”
だがーーー
”万が一”ということもある。
口ではああいっておきながら
既に”1億円”使いつくしている可能性も否定はできないー
「ー念のためー…”備え”もしておくかー」
今日は存分にこの身体をしゃぶりつくしー
”菜々美の卑猥な姿”を大量に撮影しておこうー。
もしも、元に戻ったあとに、
1億円を菜々美が既に使い込んでいるようなことがあればー、
菜々美を許さないー。
菜々美の人生を、この映像で破滅させてやるー。
そう思いながら、嬉しそうに菜々美(洋太)は胸を揉み始めたー
菜々美のコスプレ姿ー
菜々美の喘ぎ声ー
菜々美の角オナをする姿ー
菜々美がイク瞬間ー
あらゆるものを映像に収めて、
菜々美(洋太)は顔を真っ赤にしながら笑みを浮かべるー。
「クククククク……」
はぁはぁ言いながら、USBメモリにそのデータを保存して、
それを机の上に置くー。
もしもー
菜々美が”裏切り”をするようなことがあれば
”この映像”を手に、菜々美を脅しー
1億円を取り戻すー
既に使い込んでいた場合は
菜々美も道連れに、これで菜々美の人生を破滅させてやるー。
菜々美(洋太)はそう思いながらー
「ま…素直に応じたとしても、この映像は
入れ替わった記念でー…俺のおかずにさせてもらうけどなー」
と、笑みを浮かべながら呟いたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
菜々美(洋太)は
”宝くじの抽せん券の写真を送ってほしい”と、
約束の場所に向かう前に連絡を入れたー。
引き換えには購入した際に渡された抽せん券が必要だー。
それが洋太(菜々美)の手元に残っていればー
少なくともまだ”引き換え”はされていないはずだー。
”疑うんですか?…まぁ、分かりましたー”
不満そうな洋太(菜々美)ー。
「ーーそうだなー…今、動画で送ってほしいー
テレビをつけて、その横に抽せん券を持った状態で立ってー
俺に送ってほしいー
…疑う俺の気持ちも分かるだろ?
言う通りにしてくれれば、それ以上は要求しないー」
そう指示を出す菜々美(洋太)ー
洋太(菜々美)は言われた通りに
”今日のニュース”が流れているテレビの横で抽せん券を持った
映像をすぐに送って来たー
「ククー…分かったこれで安心したよー
抽せん券は、俺の机の引き出しの一番上に
入れておいてくれー
言っておくがー
破ったり、持ち逃げしたりするなよー?」
その言葉に、
”分かりました”と、洋太(菜々美)は返事をするー
”今日のニュースが流れている側で抽せん券を持った
洋太(菜々美)の映像”を確認した菜々美(洋太)は、
菜々美が1億円を引き替えていないことを確信し、安堵するー
「どうやらまだ、本当に使ってないようだなー」
菜々美(洋太)は嬉しそうに笑みを浮かべるー。
続けて、洋太(菜々美)が色々と電話で確認してくるー
菜々美(洋太)は
”伝えた通りー…部屋でコスプレとかはしたけど、
人生を壊すようなことはしていない”と、返事をしたー。
これ自体は、嘘ではないー
大学での振る舞いは色々おかしかったとは思うが
少なくとも”菜々美が犯罪者”になるようなことや
”菜々美が孤立するようなこと”はしていないー
「ー言葉でしか証明できないが、信じてもらいたい」
その言葉に、洋太(菜々美)は少し間を置きながらも
”ーー何かあったら、許しませんから”とだけ呟き、
しぶしぶ了承したー。
そしてー
待ち合わせ場所にやってくる二人ー
人がほとんど来ない空き地にやってきた二人は、
互いに”最後の確認”をするー
「ー入れ替わり薬は、持ってきたか?」
そう呟く菜々美(洋太)ー
「ーもちろんですー」
洋太(菜々美)がそう言うと、入れ替わり薬の入った容器を取り出すー。
洋太が購入した入れ替わり薬は2本セットだったため、
あと1本残っているー
「宝くじの抽せん券は、ちゃんと机の引き出しに入れてあるか?」
その言葉に、
「さっき映像で引き出しに入れる場面も送りましたよね?
入ってますよー」
と、洋太(菜々美)は答えたー
「ーーー”持ち逃げ”してないだろうな?」
その言葉に、洋太(菜々美)は「しませんし、できませんよ!」と叫ぶー。
”ーーーー”
確かに、今、洋太の身体の菜々美が抽せん券をポケットに入れていたとしても、
入れ替わればー
その抽せん券は、洋太の身体に戻った洋太自身のものになるー
強引に奪おうとしても、
菜々美の身体に戻った菜々美にー
洋太から力づくで抽せん券を奪うことはできないはずだー。
「ーーーわたしも、言葉でしか証明できませんけどー
信じてもらいたいです。
ちゃんとあなたの家の引き出しに入ってます」
洋太(菜々美)の言葉を聞き、
菜々美(洋太)はようやく「よし、分かった。オーケーだー」と、頷くー。
そしてー
菜々美(洋太)はUSBメモリをポケットから取り出したー。
「ここにお前のコスプレ姿の写真とかが入ってるー。
お前がもし、裏切ってた場合は、これを使って
お前の人生を破滅させるー」
そう言い放ちながらー。
「ーー…わたしの…そういう…ヘンな写真が入ってるってことですか?」
洋太(菜々美)が困惑しながら言うー。
「もう一度聞くー。
”宝くじはまだ引き換えてない”というのは本当だな?」
頷く洋太(菜々美)ー
「ーちゃんと、引き出しに入れて来たな?」
頷く洋太(菜々美)ー
「よぅし、分かったー。だったら、家に帰って
確認できたらこのUSBのデータは消す。約束するー」
1億円を無事に手に入れたら、
少なくともこの写真や映像をばらまくことはしないー
”まぁ、消す気はないがー”
菜々美(洋太)はニヤリと笑みを浮かべながら
USBメモリを洋太(菜々美)の方に渡すー。
菜々美の身体でメモリを持ったままだと、
入れ替わったあとに、菜々美のものになってしまうからだー。
そしてー
入れ替わり薬を使いー、
菜々美と洋太は、再び入れ替わったー
元の身体に戻ると、菜々美は嬉しそうに微笑むー。
「ーーーーチッ…おっさんに戻っちまったかー」
洋太は少し残念そうにそう言いながらも、
「ーじゃあー…なんだー…その…悪かったな」とだけ菜々美に言うと、
菜々美は「ー今更…謝られても」と、不機嫌そうに答えるー。
「ーまぁ…許してくれるとは思ってないー…
でも、何かー…迷惑かけたな」
洋太は1億円が手に入る喜びからか、そう呟くと、
菜々美は何故か悔しそうに歯ぎしりして、一瞬何かを言おうとしたものの、
それをこらえて深呼吸をしてからー
「ー身体を返してくれてありがとうございました」とだけ呟いて
そのまま立ち去って行ったー。
「ーーへへ」
洋太はニヤッと笑うと、自分の家に向かって走り出したー
1億円ー
1億円ーー
1億円ーーー!!
家に到着した洋太は、嬉しそうに机の引き出しを開いたー
だがーーーー
「ーー!?!?!?!?!?!?」
そこにー
抽せん券はなかったー
「ーない!?!?!?」
洋太は表情を歪めるー
「ないっ!?!?ないっ!?!?ないっ!?!?
うっ…うああああああああああああああああっ!?!?!?!?」
怒りの形相を浮かべる洋太ー
「あの女ーー…やりやがった!!!」
洋太は怒り狂って机をバンバンと叩くー。
抽せん券を持ち逃げされたー?
あの女は確か20歳と学生証に書かれていたー
と、いうことは宝くじを買える年齢だしー、
抽せん券なら引き換えもできるー…ハズだー
特に、名前も書いてないー。
あの女が当てて、あの女が引き換えしにきたー
そういうことになってしまうー…
「ーーぐっ… ぐっ… くそっ…ふざけ…ふざけやがって!
あの女ー!」
慌てて自分のスマホを手に、菜々美に電話して
どういうことか聞き出そうとする洋太ー。
しかしーー…
手から突然力が抜けてー
スマホがこぼれ落ちるー
「あ…あれ…?」
スマホを掴もうとする洋太ー。
しかしー、
手に力が入らず、やがて足もガクガクし始めるー
「ーな…んだ……?」
洋太が床に倒れ込んで、口から泡のようなものを吹き始めるー
「なーーーー……なに… これ…」
洋太は必死にそれだけ呟くも、やがて赤い泡のようなものを
吐き出したことに気付いて、
身体中の痛みに耐えるために、
もがくように床を転がりまわるーーー
”あの、女ーーー”
瞳を震わせるー。
そういえば、名前を確認するために
学生証をチェックしたときー
薬学部と書かれていたようなー…?
”まさかーーーあいつーーー…”
激痛の中でそう考えたもののー
その思考も、何もかもかき消されて、
洋太は一人、その場に倒れ込んだー
・・・・・・・・・・・・・・・・
帰宅した菜々美はぎゅっと、自分の手を握りしめたー
許せなかったー
”わたしの身体”を勝手に奪ったあの男がー。
何をされたのかも分からないし、
人の身体を勝手に盗むなんて、絶対に許せないー。
菜々美は、宝くじの当選なんて、どうでもよかったー
それより、自分の身体を取り戻したかったし、
何よりあの男が許せなかったー。
宝くじの当選には、初日に気付いたー。
けれどー
こんな男のお金なんて、いらないー
本当に交換してなかったしー、
そのまま放置していたー
家にあった”残り1本の入れ替わり薬”にはー
菜々美になった洋太が接触してきてー、
話を聞くまでは気づかなかったー
変な液体入りの容器が机に入ってることには気づいたものの、
まさかそれが入れ替わりの原因などとは、菜々美は
思ってもいなかったー。
入れ替わって三週間ー
その間、洋太になってしまった菜々美は
必死に元に戻る方法を探していたー。
でも、見つからなかったー。
”自分の身体”の前に姿を現さなかったのは
通報されるリスクと、何か恐ろしいことをされるリスクを
考えてのことー
別に、宝くじのお金が欲しかったわけじゃないー。
でもーーー
昨日、菜々美(洋太)が突然接触してきたー。
”俺の身体を返して下さい”
とー。
話を聞くうちに、菜々美は洋太が”宝くじ”目当てであることに気付いたー
別に、菜々美は”こんな男の宝くじのお金”なんて必要なかったー。
だからー
そのまま”俺の身体を返して下さい”と言ってきた洋太に
身体を返して、自分の身体を取り戻してもよかったー
けれどー
どうしてもー
どうしても、この男を許せなかったー。
勝手に人の身体を奪いー
身勝手にも、返して下さいと手のひら返しをしたこの男をー。
そこでーーー
昨日、菜々美は元に戻ることを、拒んで
”ある準備”をしたー。
薬学について学んでいた菜々美は
その知識をフルに生かしーーー
”毒薬”を作ったー。
飲んでから大体ー、数時間で死に至るー。
そんな計算をして作った薬ー。
もちろん、失敗する可能性もあったー。
でも、そんなリスクを冒してでも、
この男を許せなかったー。
今日、やっぱり元に戻る約束をしてー、
約束の場所に向かう直前ー
菜々美は特製の”毒薬”を洋太の身体で自ら飲んだー
世間から見ればー
洋太は自分で毒薬を作り、自分で飲んで”自殺”しただけー。
宝くじの抽せん券はシュレッダーで処分したー。
あんなやつの宝くじなんて、いらないー。
「ーーーーー」
菜々美は、自分の身体を見つめながらため息をつくとー
”今頃、あの人はもうー”と、怒りの表情で呟きながらー
今一度、深くため息をついたー
罪悪感はあると言えばあるー。
でもー
あの人を野放しにしておけば、
宝くじの当選金を使い果たしたあとー、
またいつか、身体を奪いに来るかもしれないし、
他の誰かが巻き込まれるかもしれないー。
菜々美は、モヤモヤする気持ちを振り払うように
首を横に振るとー、
”入れ替わっていた間”に洋太が勝手に買ったと思われる
部屋に積まれたコスプレ衣装を身て
呆れ顔でため息をついたー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
身体を返して下さいの最終回でした~!☆!
闇に消えた当選金…☆!
皆様だったら、どんな風に立ち振る舞いしましたか~?
お読み下さりありがとうございました~!
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