<皮>目の前で乗っ取られた彼女が苦しすぎる嘘をつく②~怒り~

デート中に、
彼女が”皮にされて乗っ取られる”場面を目撃してしまったー…!

「何のこと?」と、とぼける彼女ー。

しかし、彼氏はその空気に飲まれることなく、
彼女を追求していく…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー香苗は…こんなことしない!お前は誰だ!」

友人から教えてもらった
隠れたデートスポットの下町風の場所で
デートを楽しむ二人ー。

しかし、その最中に香苗は薄汚いジャケットの男に
乗っ取られてしまったー

香苗が真っ二つに引き裂かれて、
その男が引き裂いた香苗をまるで”着ぐるみ”のように
身に着けて、香苗そのものになったー。

けれどー、亮伍がそのことを指摘しても
香苗は”夢じゃないの?”と、嘘をつくばかりー

だが、亮伍は騙されなかったー。
亮伍は、確かに見たのだー。

”香苗が着られる”瞬間をー

「ーーも~~~~」
香苗は笑顔を浮かべながらも
内心、激しいイライラを感じていたー

香苗を乗っ取った男には
香苗が普段、どう感じるか、どういう行動をとるか、などの
感情的な面も含めた記憶を読み取ることができるー。

しかしー…
”こういう時でも香苗は怒らない”ということを理解できても、
男自身の感情は、彼が自分でコントロールしなくてはならないー。

元々キレやすい性格の彼はー、
香苗がこういう時でも笑顔で反応するー、とは
記憶を読んで理解しつつも、イライラを隠すのに必死だったー

「ーーな~~に言ってるの!
 わたしはわたしだよ! ほらっ!
 わたしは月橋 香苗!」

香苗が必死に怒りをこらえながらそう言い放つと、
亮伍は「嘘だー…!」と、香苗のほうを、
目に涙を浮かべながら睨みつけるー。

思わずチッ!と舌打ちしてしまう香苗ー。

「ーー急に変なこと言われて、すっごく不愉快なんだけど」
香苗の声のトーンが豹変するー。

怒りを滲ませた声ー。

「ー僕は見たんだ…!お前は誰だ…!香苗に何をした…!」
亮伍がそれでも食い下がるー。

「ーだ~~か~~ら~~!何のこと!?わたしは知らない」
香苗がブチ切れるのをギリギリのところで我慢しながら
強い口調で言うー。

「ーーーーッ」
亮伍が困惑した表情を浮かべながら香苗のほうを見つめるー

確かに見たー。
男が香苗に何かをするのを
”目の前で”ハッキリと見たー

夢だなんて言わせないー。
絶対に、見たー。

香苗がそのまま正気なら、隠す必要がないしー
香苗は、あの男に何かされているー
絶対にー。

亮伍はそんな確信を持っていたー。

「ーーもういい 帰る」
香苗が亮伍に背を向けて、そう言い放つー。

「ーーーせっかく楽しみにしてきたのに、
 急に訳の分からないことを言ってくるなんて、最低ー。
 わたし、帰る」

亮伍から逃げるようにして、香苗を乗っ取った男は
そのまま立ち去ろうとするー。

だがー

「ー!?!?」
香苗が少し驚いた表情を浮かべるー

亮伍が香苗の腕を掴んだのだー

「ーー香苗を返せ!」
とー。

「ーーーーーーは~~~~~~~~~…」
香苗はため息をついて、髪をボリボリと掻きむしり始めるー

”ここまでしつこいガキ”だとは思わなかったー
乗っ取った場面を目撃されても、
彼女のフリをして”気のせい”で押し通せば
どうにでもなると思ったし、
疑問を抱かれたままだとしても、
気弱そうな男子だから、すぐに黙ると思ってたー。

けどー
思いのほか、しつこいー

「ー僕は見たぞ!お前は誰なんだ!
 僕は、香苗の中にいる、お前に話しかけているんだ!」

亮伍は顔を真っ赤にしながらそう叫んだー。
今度は照れているせいではないー
心の底から、怒りを感じていたしー
”香苗を助けなくちゃ”という気持ちでいっぱいだったー

「ーうるせぇんだよ!!」
香苗はそう言うと、亮伍を思いっきり突き飛ばしたー。

香苗を”着た”男がついに自分の性格を抑えきれずー
キレてしまったー。

「ーー二度とお… わたしに関わるな!クソ野郎!」
香苗の口から信じられないぐらいに汚い言葉が
吐き出されるー

亮伍は「か…香苗を返せ!」と、それでも叫ぶー。

だが、香苗は不機嫌そうにそのまま
怒りの形相で立ち去ってしまったー

「ーーか…香苗ー…」
亮伍は呆然と香苗の後ろ姿を見つめるー。

けれどー
香苗は立ち止まることなく、
そのまま駅のある方へと向かってしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー…」

香苗に置いていかれて一人帰宅した亮伍はため息をつくー。

少し冷静になってみてー
一瞬”本当に香苗を怒らせてしまったのではないか”という
不安も覚える亮伍ー。

しかし、すぐに我に返って首を横に振るー

「香苗が何かされたのは、絶対に見たんだー
 それに、香苗の振る舞いもおかしかったー

 僕は、間違ってないー…」

亮伍はそう呟くー。

あそこまで否定され続けると、
だんだん、自分の見た光景に自信を無くしてしまうー。

でも、絶対に見たのだー。
香苗が”乗っ取られる”瞬間をー。

「ーーーー…」
亮伍はとりあえず香苗にメッセージを送ってみたものの、
香苗から返事は来ず、無視されてしまったー

亮伍は、深々とため息をつきながら、
”コンビニにでも行って、頭を冷やして来ようかなー”と、
出かける準備をすると、
親に「ちょっとコンビニで飲み物とか買ってくる~」と、だけ伝えて
そのまま外へと出かけたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーは~~~…なんて顔してるんだー」
香苗は、”香苗の家”に帰宅すると
鏡を見つめながら
”イライラしている香苗の顔”を見て
ため息をついたー

「ー俺としたことが、ついキレちまったー」
香苗がそう呟くと、椅子に座って
貧乏ゆすりをしながら、
爪をガリガリとかじり始めるー。

「ーー俺がボロ出してどうするー…
 あのクソガキに見られたとは言えー、
 俺が普通にこいつとして振る舞ってりゃー
 どうすることもできねぇー

 ボロを出せば出すほど、不利になるのは俺のほうだー」

香苗はそう呟くと、
何度か深呼吸してから、鏡の前でにこっと微笑むー

優しく笑う練習を何度も何度も繰り返す香苗ー

「ーそうだーキレるな俺ー
 せっかくJKを着ることに成功したんだからよー」

そう呟くと、男は、香苗の後頭部のあたりを
何度も何度も触りながら、香苗の頭をべりっ、と
脱ぎ始めたー。

「ーーーは~~~~……我ながら醜悪だぜ」
男は笑みを浮かべるー

香苗を半分脱いだ状態でそう呟いた男は、
「落ち着け俺ー落ち着け俺ー」と
何度も何度も深呼吸を繰り返したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

週明けー

先に登校していた亮伍を見付けた香苗は
「亮伍…、ちょっといいかな?」と声を掛けたー。

「ーーえ?あ、うんー」
戸惑いながら、香苗と共に廊下に移動する亮伍ー。

すると、香苗は突然「デートの時、ごめんねー」と、
頭を下げて来たー

「え…」
亮伍がさらに戸惑うー。

一瞬考えたような表情を浮かべてから、亮伍が
「あ…あぁ…うん」と、不安そうに口にするのを見て、
香苗は「ーちょっと、色々あって機嫌が悪くてー」と、
申し訳なさそうに言うー。

”機嫌が悪い”
何の言い訳にもなってないかもしれないが、
とにかく”普通”の振る舞いを続けていくしかないー

香苗を支配した男が、そんな風に思いながら
言葉を続けると、
亮伍は「僕の方こそ、ごめん」と、頭を下げたー

「ーー僕も…ちょっと香苗の言う通り、寝ぼけてたのかもー」
苦笑いする亮伍を見て、
香苗は「え…」と、少しだけ戸惑うと、
「あはは…そ、そうだよね!よかった~」と、笑みを浮かべるー。

”へへへ…今日もてっきり”香苗を返せ!”とか言われると思ったケドー、
 思ったよりあっさりしてくれてて助かったぜ”

香苗を支配している男がそんな風に思うー。

”俺が中にいるなんて、夢にも思ってないんだろうなー”

そんなことを心の中で呟きー、
適当に雑談を口にするー

「ーーそれじゃ、今日もがんばろうね!」

雑談を終えた香苗は亮伍に背を向けた瞬間、
不気味な笑みを浮かべるー。

「ーーくくく…少し時間が経って、頭が冷えたかー」

香苗は廊下を歩きながら笑うー。

”この女のエロイ鳴き声ー本当に最高だったぜー
 コイツを選んでよかったー”

香苗は、亮伍とのデートを放棄して、
帰宅した後に、香苗の身体を存分に楽しんだ時のことを
思い出すー。

”普段、穏やかそうな声を出す女でも
 あんな風に気持ちよさそうな声を出すなんてー
 へへへ…本当にたまらないぜー”

香苗は、女子トイレに入り、自分の姿を鏡で見つめると
満足そうに微笑むー

”今”はー
女子トイレに入るのも、彼にとっては”合法”だー。

後頭部のあたりを触りながら
”香苗”をちゃんと着ることが出来ているか、
再度確認するー

「ーーー」
香苗を着ている男は思い出すー。

少し前にーネット上で
”奇妙な情報”が流れたー。

”もしも、他人になることができたらー?”

そんなキャッチコピーを掲げて
登場したのが、男が香苗を皮にするときに使った義手ー。

そのサイトによれば、
”この義手を使うことで、誰でも着ぐるみのような状態にすることができ、
 着ぐるみのような状態にしたその人物を着ることで、
 その相手そのものになることができる”という力を持った義手で、
実際にサイトには”助手の女性を皮にして着こむ白髪頭の研究者”の動画も
公開されていたー。

”義手の費用は500万円”

しかもーーー
”片腕を切り落として装着する”という狂気じみた方法での
提供で、男も最初は”ヤバすぎるだろ…”などと、
そのサイトを閉じようとしていたー。

しかしー…
40代の一人暮らしで趣味もなく、特に友人もいなかったこの男はー
”待てよー…もしもこれが事実なら、俺はーJKにも、JDにも慣れるってことかー”と
考えー、
仮に、もしも詐欺の類でも
”死んで失うものなんて、ないじゃないか!”と、
この義手を手に入れることを決意ー

500万円を先払いで支払い、”どうせ詐欺だろ”と思っていたところ、
本当に連絡が来て、寂れた街の薄汚い別荘のような場所で
”片腕を切り落として、義手を装着する手術”を行ったー。

他にも何人か希望者がいて、
同じように片腕を切り落として、この謎の義手を装着していたー。

そして、手術後すぐー
その街を歩いていたところー
デート中だった香苗を見付けてー
早速支配してみたのだー

「ーーいやぁ…あんな寂れた街にこんなエロくてかわいい子が
 歩いてるなんてー
 くくくくくっ… 俺はついてるぜー」

香苗はトイレを済ませると鏡の前でそう呟いてからー

「ーお前のことー、気に入ったー」
と、鏡の香苗を指さしながらー
「当分は俺の洋服になってもらうぜーへへ」と、
そのままトイレの外へと向かって歩き出したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー…」

トイレから戻って来た香苗のほうを見つめる亮伍ー

香苗はー
”いつも通り”過ごしているー

けれどー

”やっぱり、アレはー…”
亮伍は、休日のデートのことを思い出すー。

香苗が、薄汚いジャケットの男に皮にされる光景ー。
香苗が、目の前で乗っ取られたにも関わらず、とぼける光景ー。

「ーー香苗ー…」
亮伍は心配そうにそう呟くー。

そしてー
自分の座席から立ち上がると、
香苗の方に向かっていき、
香苗に声を掛けたー。

「ーーなぁに?」
香苗は笑顔で振り返るー

”へへへー
 俺も学習したぜ?
 この前見たくキレたりしなきゃー
 お前には、どうすることもできないはずだー。

 俺には、この女の記憶があるんだからー”

そう思いながら、亮伍の言葉を待っていると、
亮伍は「放課後ー…大事な話があるんだー」と
香苗に対して言ってきたー。

”大事な話ー?”
香苗の中にいる男は、一瞬表情を歪めるもー
”まぁー…俺が中にいるなんて証拠はつかめっこないー”と、
「ー放課後に~?うん、いいよ!」と、
余裕の笑みを浮かべながら返事をしたー

亮伍が安心した表情を浮かべながら
時間や場所を相談すると、そのまま亮伍は自分の座席に戻っていくー

”へへへへへ…”

次の授業が始まるチャイムを音が響き渡り、
香苗は教室の前を見つめながら
”しばらくは、彼女ごっこしててやるよー”
と、心の中でそう、あざ笑うように呟いたー。

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

支配されてしまった彼女の運命は…?
次回が最終回デス~!

今日もありがとうございました~!

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