<MC>姫様はスライムの玩具③~謀反~(完)

スライムに洗脳されてしまった姫ー。

スライムなど、その気になれば倒せずなのにー
姫の立場を利用され、姫の身体を人質にされー
手出しができない状況が続くー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー~~~♡♡♡♡♡~!」

どこで覚えたのか、スライムが姫の身体のアソコのあたりで
自分のドロドロした身体を激しく動かしながら
姫の身体に快感を与えているー

姫は嬉しそうに顔を真っ赤にしながら
身体を震わせて、喘ぎ声を上げているー

”人間って面白いなぁ…それになんだか興奮する”

言葉を発することのできないスライムは
そんな風に思いながら
最近は毎晩毎晩、リネーア姫の身体を弄んでいたー

「ごしゅじんさまぁ…♡」

家臣たちが見たら発狂してしまうような姿を晒しながら
幸せそうにしているリネーア姫ー

”僕ー…もっともっと、大きな国の王様になりたいなー”

そんな風に思ったスライムは
姫に命令したー

”この国をもっともっと大きくしてよー
 他の国なんて、奪っちゃえー!”

とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「今、なんと?」
騎士・ベルンハルドが困惑の表情を浮かべるー

「ー近いうちに、コバルト帝国に宣戦布告します」
リネーア姫の口から飛び出す信じられない言葉ー

「ーーな、何故です!?
 帝国の王とは良好な関係を築いてきたはずー」
ベルンハルドがそう言うと、
「ーー黙りなさい。これは決定事項です」
と、リネーア姫は冷たく呟いたー。

「ーなりません!」
ベルンハルドがそう叫ぶも、
「ーー女神様に逆らうなッ!」と、
姫を崇拝する団体のリーダー・ヴィンセントに
顔面を蹴り飛ばされて、その場に吹き飛ばされるー。

姫は、自分を崇拝する人間は、
身体で誘惑した人間で周囲を固めておりー、
今や、元々忠臣だったベルンハルドや、大臣たちは
遠ざけられている状況ー。

「ー全てはご主人様のために!コバルト帝国を滅ぼし、
 我が国はさらに繁栄するのよ!」

リネーア姫が悪女のように笑いだすー。

しかしー
他の国に宣戦布告するという決定に、
流石に反発する大臣や騎士も多く、
広間は大騒ぎになるー

「ーわたしに逆らうなら、死罪よ!」
リネーア姫がそう叫ぶー。

リネーア姫の胸元のあたりから、
スライムが顔を出し、逆らう人間のほうを見つめるー

”偉い人を操れば、僕だってこんなことができるんだ”

自分の言いなりになっている姫の顔を見上げながらー
スライムは満足そうに心の中でそう呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーこれ以上は我慢ならぬー。
 姫様の身に多少の危険が及んでも、
 あのスライムを排除するー」

騎士・ベルンハルドがそう呟くー。

「ーブルーノ殿も力を貸してくれるか?」
ベルンハルドの言葉に、ブルーノは「もちろんですー」と頷く。

リネーア姫を危険にさらすことはしたくなかったが、
最近では、姫の服の中に潜んだりしている状態のスライムを
”姫を危険な目に遭わせず退治する”のは難しいー。

「ーーーー貴殿が参加するのは、反対だがなー」
騎士・アントンが腕組みをしながら、ブルーノのほうを見つめるー

「ーアントン殿」
ベルンハルドが”そういうことを言うな”と言いたげにアントンのほうを見るー。

だが、アントンは言葉を続けたー

「ー貴殿は、姫様の幼馴染ー
 あのスライムに操られた姫様とも繋がっているかも知れぬー

 そもそも、スライムを差し向けた張本人かもしれない」

その言葉に、ブルーノは「俺は!俺はリネーアを傷付けるようなことはしない!」と
カッとなって、幼馴染モードの口調で叫んでしまうー。

「ーーーーどうだかな」
アントンが首を横に振りながら言うと、
ブルーノも不満そうな表情を浮かべるー

「ーー…今はそんなことをしている場合ではないー
 状況は、日に日に悪化しているー。

 万が一コバルト帝国に宣戦布告するようなことがあればー
 我が王国は戦火に晒されることになるー

 そのようなことはあってはならぬ」

ベルンハルドのその言葉に、
それに対しては想いが一致したのか
ブルーノもアントンも頷いたー。

残された時は少ないー

翌日ー
ベルンハルドは姫の居住区を襲撃したー

”謀反”と言われても仕方がないー
だが、姫を正気に戻すことができればー
姫は必ず自分たちを助けてくれるー

逆に”失敗”すれば自分たちは
間違いなくカミラと同じように処断されるー

そう、これは命懸けの作戦だったー

「ー目標は姫様を操っているスライムのみ!行くぞ!」

ベルンハルドがそう叫ぶと、
同調した騎士や大臣らが頷くー

姫の居住区に入り込むー。

姫に誘惑された騎士の一人と戦闘を繰り広げ、
その騎士を撃破したブルーノたちは
そのまま居住区の奥へと進んでいくー。

「ーーこれは…何事かッ?」
姫を女神と崇拝する過激団体の長・ヴィンセントが
叫ぶー

「ー貴様ごとき愚物が姫様の護衛など、笑止千万ー」
ベルンハルドがそう言いながら槍を
ヴィンセントに向けると、
ヴィンセントは「女神に逆らうか…!反逆者どもめッ…」と、
表情を歪めるー。

ヴィンセント配下の過激団体のメンバーが
ベルンハルドはブルーノたちを取り囲むー。

「ーわたしがやめてって言ってるんだからー
 わたしのこと”女神様”なんて呼ぶぐらいならー
 言うこと聞いてほしいなぁ…」

スライムに洗脳される前ー
リネーア姫がそんなことを愚痴っていたのを思い出すー。

”今が、チャンスなのかもなー”
ブルーノは過激団体のメンバーを次々と葬っていくー

ベルンハルドが槍で過激団体のメンバーをなぎ倒しー、
アントンが鎖鎌で、敵を葬り去っていく。

やがてー、残るのは
過激団体のリーダー、ヴィンセントだけになり、
ヴィンセントはその表情を歪めたー。

「ーーくっ…き、貴様ら…
 女神様から信頼されるこの俺に嫉妬でもしているのかッ!?」

そんな言葉を聞き、ブルーノは思わず呆れ顔で呟いたー。

「ー今の姫様が正気でないことぐらい、お前にも分かるだろう?」
とー。

「ーー何だとッ?女神様のお言葉は女神様の意思だぞッ!」

ヴィンセントは真顔でそう呟くー。

こいつはー
リネーア姫を身勝手に崇拝するあまり
”何も”見えてないー。

そんな風に思い、呆れながらブルーノが首を振ると、
「ーー道を開けろー。さもなければ斬る!」と
力強い口調で宣言したー。

「く、くそがッ…!」
ヴィンセントはそう言うと、レイピアのようなものを取り出し、
ブルーノの方に向けたー。

だが、所詮騎士でもなく、怪しげな団体の長でしかなかった
ヴィンセントが、ブルーノに敵うはずもなくー、
ヴィンセントはあっけなく首筋をブルーノに斬られて、
その場に蹲ったー

「はぅっ…うっ…ぐぉ… ぉぉぉぉぉ」
苦悶の声を上げるヴィンセントー。

そんなヴィンセントを見つめながら、
ブルーノは終わりだ、と呟き、
そのままヴィンセントに対して、トドメの一撃を加えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

姫のいる部屋にたどり着いた三人ー

そこにはー
リネーア姫が剣を手に、待ち構えていたー

「ーわたしへの反逆ー
 許されることではありませんよ?」

冷たい口調でそう呟くリネーア姫。

「ー姫様ーやつはどこです?」
ベルンハルドが表情を歪めながら
そう呟くー。

スライムの姿が見当たらないー

リネーア姫は笑みを浮かべながら
「既に警備兵を呼んでいますー 
 あなたたち反逆者は、まもなく拘束されるー」と、
冷たい口調で言い放つー

”警備兵が来る前に、姫様を正気に戻すことができなければ、終わりか”

そんなことを心の中で思いながら、姫に向かって剣を向ける
ブルーノ。

「ーアントンー…スライムは恐らく姫様の近くにいないと
 姫様を操ることができないー」

ブルーノがそう呟くと、アントンが不満そうにしながらも頷くー。

リネーア姫を洗脳してから、あのスライムは一度も
リネーア姫から離れてはいないー。

恐らくは操りの秘術とやらがー、
至近距離にいなければ効果を発揮できない可能性が高いー。

”逆に、盗賊当たりだったほうが、仕留めやすかったかもなー”

ブルーノはそう思うー。
操りの秘術の使い手が”人間”なら
少なくともスライムのように、姫の身体に纏わりついたり、
服の中に隠れるようなことはできなかったはずだー。

「ーーわたしに刃を向けるなんてー
 あなたには失望したわ」

リネーア姫が首を横に振るー。

「ーーーーーリネーア」
”幼馴染”として語り掛けるブルーノ。

「必ず、君を元に戻して見せるー」
ブルーノがそう言うと、
魔法も使うことができるアントンが、
相手の身体の自由の奪う魔法を唱えるー。

「ぐっ……貴様…!」
リネーア姫が鬼のような形相でアントンを睨むー。

「ー今だ!」
アントンが叫ぶと、
ベルンハルドが「姫様ー今しばらくの辛抱ですー」と、
言いながら「御免!」と叫んで、
姫の身体を調べ始めるー。

ベルンハルドは変態ではないー。
姫の身体に纏わりつくスライムを退治するためー。

姫が呼んだ王宮警備兵が間もなく到着するー

それまでに姫が正気に戻ればー…
姫があとは何とかしてくれるー

しかし、戻らなかった場合ー
ブルーノ、アントン、ベルンハルドはー
”反逆者ー”

「ーーー…」
ベルンハルドは、スライムを見つけるのに苦労するー。

アントンは魔法でリネーア姫の動きを止めているため、
自分もそれに集中しなければならず、動けないー。

ブルーノは”部屋の中”を探しているー。

「ーー申し訳ありません姫様ー…
 失礼いたしますー」

ベルンハルドは、申し訳なさそうに姫の服を
無理矢理引きちぎっていくー

しかしーーー

「ーーー!?!?!?!?!?いない!?」
スライムは、姫の身体のどこにもー
いなかったー

「ーー部屋の中にも、見当たらない!」
ブルーノが焦りを感じてそう叫ぶとー
やがてー
警備兵が駆け付けてしまったー

「ーー姫様!?」
警備兵たちからすれば
ブルーノ、アントン、ベルンハルドの三人が、
姫に乱暴しているようにしかー
見えなかったー。

「ーークククク…ご主人様に逆らうなんてー」
スライムのことをご主人様と呼びながら
リネーア姫が立ち上がるー。

「ーこの者たちは反逆者よ!
 今すぐ、ひっ捕らえなさい!」

そう宣言するリネーア姫ー

だがーー
ベルンハルドが突然、警備兵に突進したー

「ブルーノ殿!ここは儂らが!
 お前は逃げろ!」

ベルンハルドが叫ぶー

「いや、しかしー!」
ブルーノが言うと
「3人全員が処断されたら終わりだ!儂のことはいい!行け!」
と、ベルンハルドが叫ぶー

”全滅か”
”一部は逃げ延びるか”

ベルンハルドの言い分は、合理的だー。

ブルーノは、彼の意を受け取り、
頷くと、そのまま逃げだすー。

アントンと共に、追手を潜り抜けながら
逃亡を続けるブルーノ。

しかしー
ついに岸壁に追い詰められてしまったー

「ーーー…くっ」
ブルーノが足を止めるー

すると、アントンが口を開いたー

「飛べ!」

「ーなに?」
ブルーノがアントンのほうを見ると、

「貴殿は姫様の幼馴染だろう?
 あのスライムと貴殿がグルでなければー
 姫様を救える可能性が高いのは、俺より、貴殿だー!

 いいから、飛べ!」

と、アントンが叫んだー

「ーーー…」
ブルーノが”岸壁から飛び降りれば死ぬ可能性”も考えるー。

しかし、ここで二人とも捕まれば確実に処断されるー

「ーーアントンー…すまない!」
ブルーノは岸壁から海に向かって飛んだー。

アントンは追手を抑えるために、崖の上に残り、
警備兵たちに立ち向かうー

「ーーケッー…まさか貴様のために命を懸ける羽目になるとはーー…な!」

アントンが鎖鎌を手に、魔法と武器による攻撃で
警備兵たちに向かって突進したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ベルンハルドとアントンは捕縛されたー

リネーア姫は隣国であるコバルト帝国に宣戦布告して、
容赦ない虐殺を始めたー

そしてー
ベルンハルドとアントンの処断の日がやってきたー

処断は、一部の側近と
ヴィンセント率いていた過激団体の生き残りのみが
立ち会う状況で行われたー

アントンが殺されー、
ベルンハルドの番がやってくるー

ベルンハルドの前に立ったリネーア姫は
笑みを浮かべるとー
突然、身に纏ったドレスを脱ぎ始めたー

「最後にー
 ご主人様が、どこにいるのか、教えてあげるー」

リネーア姫がにやりと笑みを浮かべるとー
スライムがーリネーア姫のアソコから顔を出したー

”僕は、ここだよー”
言葉を発することはできないスライムー
けれど、心の中で嬉しそうにそう呟いたー

アソコから顔を出したスライムを愛おしそうに
見下ろしながらリネーア姫は笑うー

「ーーくそっ……そんなところにー…!」
”洗脳した姫の体内”に隠れ込んだスライムー

これでは、スライムを退治するにはー
もはや姫を殺すしかー

「ーーさよならー反逆者」
リネーア姫は冷たい口調でそう呟くと、
ベルンハルドを斬り捨てたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれから半年ー

スライムに洗脳されたリネーア姫の暴政は続くー
平和だった王国は乱れ、
既に隣国のコバルト帝国は敗北ー、
さらにその先の国にまで宣戦布告を始めているー

ブルーノの消息は不明のままー

あのまま、海の藻屑になったのかー
それともーーーー

それは、この先の歴史が証明してくれるー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

スライムに姫様が洗脳されてしまうお話でした~!☆

洗脳した張本人が
洗脳されている人間の体内にいるとなると…
手出しができないですネ~…!

姫様ごと破壊するしか…(!?)

お読み下さりありがとうございました~!

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MC<姫様はスライムの玩具>
憑依空間NEO

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