<入れ替わり>振ったあの子の暴走②~暴露~

”幼馴染の香織が好きだから”

そんな理由で後輩の月菜を振った修吾。

しかし、1週間後、月菜は香織と身体を入れ替えて
修吾の前に姿を現したー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ちょっと!!どういうことなのー!?」

背後から、月菜の声が響き渡ったー。

驚いて振り返ると、
そこには月菜の姿があったー。

「せ、瀬村さー…い、いや、香織ー?」
修吾が言うと、
月菜の姿をした香織が
「ーこ、これ、どういうことなの?!」と、
困惑しながら香織(月菜)に詰め寄ったー

恐らく、香織は何も知らない状態で、
月菜に身体を入れ替えられてしまったのだろうー。

そんな香織からすれば、混乱するのも無理もない話だったー

「ーーどういうことってー?
 江崎先輩とわたしの身体を入れ替えたんですよ~!」

笑いながらそう説明する香織(月菜)ー

月菜(香織)が困惑した様子で
「な、何で!?ど、どういうこと!?」と、声を上げるー。

「ーー先週、わたし、先輩に告白したんですけど
 振られちゃって~…」

香織(月菜)がそう言うと、
月菜(香織)は「そ、それは聞いてるけどー…
それとこれが何の関係があるの?」と、困惑するー。

修吾は「ちょ…!香織も瀬村さんも落ち着いてー!」と、
口を挟むー。

”これ以上”入れ替わった月菜と香織の会話が続けばー、
”修吾が月菜を振った理由”が、香織に伝わってしまうと、
そう思ったからだー。

「ーーしゅ、修吾も何とか言ってよ~!
 急に入れ替わり、とか言われてもわたし、困っちゃうし…」

月菜(香織)が、困り果てたような様子で呟くー。

修吾が”慎重に”言葉選びを頭の中でしながら口を開こうとすると、
「ー関係大アリですよ~」と、香織(月菜)が笑いながら
言い放ったー

「ーーちょ…!ま、待ってくれ瀬村さん!」
修吾が慌てた様子でそう叫ぶと、
香織(月菜)は、満面の笑みで言い放ったー

「ー先輩がわたしを振った理由ーー
 知ってます?」

月菜(香織)がそう言うと、
香織(月菜)は、修吾のほうを見つめるー

香織は、”修吾が月菜を振った理由”を知っているー。
月菜が修吾に告白した日、
修吾から”他に好きな人がいるから”という理由で振ったと
聞かされているからだー。

それがー
”自分自身”だとは夢にも思っていないけれどー。

「ーー言っちゃって、平気?」
小声で確認してくる月菜(香織)ー

修吾が”振った理由”を月菜本人にも話したのかどうか、
香織は知らないため、その確認をしているのだろうー

だが、修吾は戸惑いながら
どう返事をするべきかどうか迷っていると、
香織(月菜)が先に口を開いたー

「”他に好きな子がいるから”って理由で
 わたし、振られちゃったんですー」

修吾が”おいやめろ!”と、言いたげな表情で
香織(月菜)のほうを見つめるー。

しかし、香織(月菜)はそれを無視して続けたー。

「ーー先輩が他の子が好きって言うならー
 わたしが、先輩の邪魔をすることはできませんし、
 無理やりわたしと付き合ってもらっても 
 先輩は幸せになれませんー

 先輩が好きな子と、先輩が付き合えるのが一番ですー。

 でも、先輩は言ってましたー。
 ”俺の好きな子は、脈無しだからー”ってー。

 だからー
 どうしたらWinWinになれるかどうか、
 どうしたらわたしと先輩が幸せになれるか、考えたんですー」

香織(月菜)が熱弁する中ー

”だから、夜は寝てるならいいじゃないか”と、
心の中でツッコミを入れる修吾ー。

月菜は元々、急におかしなことを言いだすこともある子でー、
少し不思議な感じのする子だー
そして、頑張り屋な性格で”目標に向かって頑張りすぎる”一面もあるー。

「一生懸命考えて、
 ご飯も食べずに考えてー
 ようやく思いついたんですー

 わたしがその”好きな子”になれば
 わたしは先輩と付き合えて、
 先輩はその”好きな子”と付き合うことができるー

 ってー」

香織(月菜)がそこまで説明すると、
月菜(香織)が、「それがどうしてわたしの身体を奪うことになるの?」と、
少し怒りを込めながら言い放つー

修吾は「も、もうそれ以上はー!」と、
声を上げるも、
香織(月菜)は言ってしまったー

「ー先輩が好きなのはーーー
 江崎先輩ーー
 あなたですよぉ~~????」

とー。

月菜(香織)が驚いたような表情を浮かべて
修吾のほうを見るー。

修吾は顔を真っ赤にして「え…いや、それはー」と、
困惑した表情を浮かべるー

香織のことを巻き込んでしまっただけではなく、
自分の想いまで暴露されてしまって、
修吾は困惑と怒りを感じていたー。

「ーーわ、わたしー…?」
月菜(香織)の反応を見る限り、
やはり、香織は修吾のことを幼馴染としてしか
認識していなかったようだー。

香織にとって、修吾が大事な存在であることには
間違いはないし、偽りもないー。

しかし、一方で香織本人が言っていた通り、
香織は”幼馴染”としてしか、修吾のことを認識しておらずー
以前、”遠回しに告白”されたのも、冗談だと思っていたし、
だからこそ軽い感じで”幼馴染すぎる”と返事をしていてー
本気で告白されたなどとは、夢にも思っていなかったー。

「ーーーえ……し、修吾ー?」
月菜(香織)は混乱しながら、
そんな言葉を口にするー。

修吾が「そ、それはー…と、
”修吾の言う好きな人”が香織だったことを
仕方がなく打ち明けようとするー。

こんな状況で、想いを打ち明けることになるなんてー、と、
苦々しく思いながらー。

だがー、
その時、香織になった月菜がさらに言葉を口にしたー。

「でも、江崎先輩、先輩のほうを振り向いてあげないから
 先輩、落ち込んでたんですー。

 そ・こ・で、
 わたしが入れ替わりを提案したら、先輩も乗ってきてくれたんですよぉ~!」

香織(月菜)が言うー。

「ーーえ?」

「ーーえ???」

月菜(香織)だけではなく、修吾も変な声を出してしまうー。

「ーーど、どういうことー?」
月菜(香織)が修吾のほうを見つめるー

修吾は「え…いや、ちょっと待ってくれ!」
と、声を上げるー。

香織になった月菜が何を言っているのか分からないー。
これじゃ、まるで香織と付き合うことができない修吾が、月菜と組んで
香織と月菜の身体を入れ替える計画に加担したみたいな言い方だー

「ーー瀬村さん、それはどういうー」
修吾がそこまで言いかけると、
香織(月菜)はにこっと笑ってからー
言葉を続けたー

「ーわたしが江崎先輩になるので、
 代わりに先輩はわたしと付き合うー

 そんな話を持ち掛けたら先輩、喜んでわたしに協力してくれたんですー!」

香織(月菜)が、そう言い放つと、
月菜(香織)が修吾のほうを悲しそうに見つめるー

「し…修吾…?ど、どういうことなのー?」
とー。

「ーち、違う!俺は、俺は何も知らない!
 香織と、瀬村さんの入れ替わりなんてさっきまで知らなかったし、
 俺は瀬村さんとグルじゃない!」

修吾が必死に叫ぶー

だがー
”このまま疑われるわけにはいかない”という必死さが
かえって裏目に出てしまったのか、
月菜(香織)が悲しそうな表情を浮かべるー

「ーーーさっき、先輩、キスしてくれたじゃないですかぁ~」
香織(月菜)がいじわるそうな笑みを浮かべるー。

「ー香織とキスしてるみたいだー…って言ってたじゃないですか~!」
香織(月菜)がさらに言葉を続けるー

当然、修吾はそんなことは言っていないし、
香織の身体になった月菜とキスもしてないー。

修吾は顔を真っ赤にしながら必死に否定をしたー

しかしーー

月菜(香織)には、そんな振る舞いが
逆に疑わしく見えたのかもしれないー

「ー…わ…わたしの身体を後輩の子に奪わせて、それで満足?」
月菜(香織)の言葉に、
修吾は「違うんだ!話を聞いてくれ!」と焦った様子で叫ぶー。

だが、月菜(香織)は「ーー近寄らないで!」と、目に涙を浮かべながら
そのまま立ち去ってしまうー。

「ー違うんだ!!香織!!香織!!!」
修吾はそう叫びながら、呆然とした表情で
香織(月菜)のほうを睨みつけたー

「ーせ、瀬村さん!何であんな嘘を!?
 俺、一度もこんなことしてくれなんて頼んでないよな!?」

怒りの形相でそう言い放つと、
香織(月菜)は舌を出しながら
「ー嘘も方便って言うじゃないですか~」と、笑うー。

「ーーふ、ふざけないでくれよ!早く香織に身体を
 返してやってくれ!」

修吾がそう叫ぶー。

しかしー
次の瞬間ー

突然、香織(月菜)が、修吾にキスをしたー

「ーー!!!」
ドキッとしてしまう修吾ー

「ーー香織、ず~っと、修吾のことが好きだったの♡」
”香織”のフリをして、修吾に迫ってくる香織(月菜)ー

「ーや…やめろ…!」
目の前にいる”香織”は、香織じゃないー。
そう理解しつつも、
”香織”の姿をした後輩のそんな言葉とキスに
ドキドキして、心臓がバクバクしてしまうー。

「ー先輩に振られた時、どうすれば先輩の彼女になれるか
 一生懸命考えたんですー

 そしてー、”これ”を手に入れましたー」

香織(月菜)が微笑むー

香織本人に微笑まれているような気がして
修吾が必死に、”俺の頭の中はバグってるんだ”と、
香織(月菜)から目を逸らそうとするー。

香織(月菜)が手に持っているのは
”他人と入れ替わることのできる持つ粉のようなものー。
これを、入れ替わりたい相手の至近距離で撒くことで、
煙が発生して、入れ替わることができるのだと、
香織(月菜)は説明したー。

「そ、そんなものどこでー」
修吾が戸惑いながら言うー。

月菜は受験の際に徹夜で常軌を逸した時間、勉強し続けて
病院に搬送されたことがある、と聞いているー。

異様なまでの頑張り屋である、というような話は
他にもいくつか聞いたことがあるー

だがーー
これは、流石にー
”異様な方向に頑張りすぎ”だー。

幼馴染が好きだから、という理由で振られたからと言って
”その幼馴染の身体を奪えばいい”という、
凶行に走るなんてー

「ーーこ、こんなことしてー…
 お、俺が瀬村さんと”じゃあ、付き合うよ”ってなると思うのか?」

修吾が困惑しながら言うー。

「ーー香織のー、好きな人の身体を奪った瀬村さんと
 俺が付き合うって、本当に思ってるのかー?」

修吾が、さらに語気を強めて言うー。

だが、そんな言葉に
香織(月菜)は自信満々に答えたー

「はいー
 だって先輩ー、
 いいえー、修吾ー

 わたしのこと、好きでしょ?」

”香織”のフリをして、
笑みを浮かべる香織(月菜)ー

「そ、そんなことしたってー…
 か、香織じゃないことは、分かってるんだー!」

修吾は必死にそう叫ぶー。

しかし、香織(月菜)は
「ー”わたし”なら、修吾のために何でもしてあげられるよー?」
と、甘い声で囁いたー

ドキドキバクバクと心臓が破裂しそうになりながら、
修吾は何とかそれに耐えながら、
香織(月菜)を振り払うと、
振り払われた香織(月菜)は「ー先輩ーわたし、いつでも待ってますからね」と、
笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

月菜になってしまった香織に事情を説明しようとするもー、
月菜(香織)は、修吾を拒絶したー。

”香織になった月菜”がついた嘘によってー
”入れ替わり”のグルだと思われてしまっている様子だったー

「ーーーーーー」

そんな様子を物陰から見つめながら
笑みを浮かべる香織(月菜)ー

「先輩は、わたしのものー」
邪魔者である香織の身体を奪い、さらに月菜になった香織と
修吾の仲を引き裂くことに成功した
香織(月菜)は満足そうに笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

”それが、あなたの油断ー”

月菜になった香織はーー
”月菜の嘘”を信じたわけではなかったー

”あえて”
修吾のことを拒絶したフリをして、
香織になった月菜を油断させつつー
自分の身体を取り戻す方法を探っていたー。

”あの子ー…何をするか分からないからー…
 油断させておいて、一気に身体を取り戻すしかないー”

入れ替わりには驚いたし、幼馴染の修吾が
自分のことが好きだった、ということにも驚いたー。

けれどー、
あの日、”立ち去ったフリ”をして、
修吾と香織になった月菜の会話を盗み聞きしたことで、
入れ替わった原因も、月菜の目的も全て理解したー。

幼馴染の修吾には悪いけれどー
今は修吾と完全に亀裂が入った状態を演出しつつー、
月菜を油断させー、
香織は準備が整い次第、修吾に相談して、
一気に身体を取り戻すつもりでいたー。

「ーー瀬村さんー…わたしの身体、絶対に返してもらうからー」

月菜(香織)は静かに、決意の言葉を口にしたー

③へ続く

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暴走した後輩と、
翻弄される二人の運命は…?

次回が最終回デス~!☆

だんだん寒くなってきたので、
皆様も体調を崩さないように気を付けて下さいネ~!

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