☆憑依空間600万アクセス記念作品☆!
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通常の新作はこの1個前の記事を見て下さいネ~!
振られて落ち込む親友のために、
麻奈美に憑依して1日限りのデート…!しかし…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土曜日ー
麻奈美が親友の幹夫に”憑依”されたことも知らずー、
恭介は緊張した表情を浮かべながら
麻奈美との待ち合わせ場所に向かっていたー
「ーーーー」
麻奈美は確かに、恭介を振ったー。
だが、どうして急に”今日1日だけデート”なんてことを
してくれるつもりになったのだろうー
「ーあぁ…やっぱり俺がずっと落ち込んでるからー
星村さんに気を遣わせちゃってるんだろうなー…」
そんなことを思うと、さらに落ち込んでしまうー。
麻奈美に、貴重な土曜日を使わせてしまっている上に、
遊園地デートなんてことまでさせてしまってー
本当に申し訳ないと思うー。
だが、その反面、
”嬉しい”という感情も”0”ではないのも事実でー、
好きな子から、たった1日であっても
遊園地デートできる、という現実に
恭介は喜びも感じていたー
”申し訳ない”という気持ちと
”喜び”ー
恭介は複雑な感情を抱きながらー
ようやく、遊園地の前までやってきたー。
「ーーー……」
ゴクリ、と唾を飲み込む恭介ー
”今日だけ”ー
そう分かっていても、好きな子とー
しかも、遊園地でデートできるなんてーー
そんな風に思いながら、
麻奈美の到着を待つー。
しかし、時間になっても麻奈美は到着せず、
恭介は途端に表情を曇らせるー
”…も、もしかしてこれってー”
俺は遊ばれたのかー?
そんな風に思いながら
強い不安を感じたその時だったー
「ーお、お待たせ~!」
背後から麻奈美の声がして振り返るとー
そこには学校での姿からは想像もつかないほどにおしゃれなー
麻奈美の姿があったー。
「ーわ…ほ、星村さんー」
想像以上に短いスカートを見て、
ドキッとしてしまう恭介ー。
麻奈美も恥ずかしそうにしながら
「へ…ヘンかなー?」と、呟くと、
恭介は顔を真っ赤にしながら、ぶんぶんと首を横に振ったー
”ーー今日だけだけど、
少しはこれで、元気を出してくれよなー”
麻奈美に憑依している幹夫はそんな風に思いながらも、
”ちょっと派手すぎたかなー?”
と、自分が履いている短いスカートを見つめるー。
正直なところー
幹夫自身も、麻奈美がいつもどんな私服を着ているのかは
分からないー。
麻奈美に憑依したあとに、ドキドキしながら色々と漁ったため、
どんな服を持っているのかは当然、この目で見たー
だが、実際”どれ”を着ているのかまでは、
ハッキリとは分からなかったし、
そもそも”デート”するときにどんなものを着れば
いいのかー、幹夫にはよく分からなかったー。
その結果ー、
麻奈美が持っていた服の中で一番ドキドキしそうな
おしゃれな服を着て、今日、ここにやってきていたー。
「ーーー……そういえば、この服、奥にしまわれていたしー
星村さんは普段、こういうの着てないのかもー?」
小声でそう呟く麻奈美ー。
他の服は”大体イメージ通り”な感じの服で
比較的おとなしそうなイメージのものばかりだったー
がー
これは、確かにまるで何も履いていないような錯覚に
陥るほど短いしー、
肩を見せてるのもドキドキするー。
「ーー…あ、あ、あ、あの…」
沈黙が気まずくなったのか、恭介が顔を赤らめながら言葉を口にするー
「ーそ、その…ほ、星村さんー
お、俺がずっと落ち込んでるからー
き、気を遣ってくれたんだよな…?」
恭介が申し訳なさそうに言うー。
「ーそ、その…何か…本当にごめんー…
ふ、振られたのに、こうー…
いつまでも、こんな落ち込んでてー
余計に星村さんを困らせて嫌われるだけなのにー」
恭介が普段、親友の幹夫に見せないような弱弱しい言動を見せるー
思わず笑ってしまいそうになりながらも
「そ、そんなことないって!
わたし、ほら、今は誰が相手でも彼氏いらないっていったでしょ!」
と、恭介から聞かされていた”麻奈美が恭介を振った理由”を口にすると、
「ーだ、だからせめて1日だけでもって!」
と、理由を説明したー
「そ、そ、そっか…
な、なら…今日は楽しめばいいのかな…?」
恭介は戸惑いながらもそう言葉を口にするー
”麻奈美が憑依されている”などとは夢にも思っていない
恭介からすれば
ここでまた、”いや、でもー…でも”なんて続けていれば
さらに嫌われるし、迷惑をかけてしまうかもしれないと考えて、
潔く、1日限りの遊園地デートを楽しもうと決意を固める
「そうそう。それでいいの。ほら、いこ」
麻奈美のフリをしながら、麻奈美の身体で恭介の背中を押すー。
”親友同士”として、いつもやることを何気なくやっただけー
だったのだが、
恭介の身体に触れた途端ー
麻奈美の身体がドキッとしたのを、幹夫は感じたー
「っっ…!?」
あまりにも強いドキッとする感触に、
麻奈美は顔を真っ赤にして手を離すー
「えっ…えっ!?」
恭介も、突然麻奈美にボディタッチされた形になったからか、
驚いて、顔を赤らめながら振り返るー
「あ…い、いやーなんでもない」
麻奈美はそう言うと
”な、なんだ今のー女子の身体だからかー?”困惑しながらも
「と、とにかく!ゆ、遊園地デート楽しも!」と、
強引にそのドキドキを断ち切るかのように、
そのまま恭介と共に遊園地の中へと向かって行ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ~楽しかったぁ」
麻奈美が満足そうに微笑むー
「ほ、星村さんーい、意外と怖い乗り物好きなんだなぁ」
恭介がそう言うと、
麻奈美は「あ…え?う、うん!あはははは」と笑うー。
そういえばー
つい、”遊園地”では、素で楽しんでしまったが
麻奈美の普段の性格を考えるとー
絶叫マシンにホイホイと乗るようなタイプではないかもしれないー
”い、いやー…でも、超大人しいってわけでもないしー
大丈夫だよなー…?”
「わ、わたし、こ、こういうの好きだし!」
麻奈美がそう言うと、
恭介は「親友と一緒に来るときもいつも絶叫マシンに連れていかれてさー」
と、苦笑いしたー
”親友”とは、今、この瞬間、麻奈美に憑依している幹夫のことだー
少しギクッとした感情を覚えながらも、
「そ、そ、そうなんだ~!あはははは」と、
麻奈美は笑うー。
遊園地デートの1日はあっという間に終わりー
恭介はすっかりと元気を取り戻していたー
”女子の力ってすごいんだなー
いやー…つーか、恋愛の力?”
麻奈美は心の中でそんなことを考えると、
「ーー今日は本当に楽しかった」
と、恭介に言い放ってからー、
「でも、学校ではこのことは秘密ー」と、言葉を付け加えたー
「ーそれとー
週明けから、学校でまたわたしと会うと思うけどー
わたしにも、今日のことは話さないで貰える?」
麻奈美の言葉に、恭介は「え?」と少し首を傾げるー。
麻奈美は少し表情を曇らせながらも、
「ーほら…わたし…その、今は学校とか勉強とかに専念したいからー
でもー…今日のこと何度も話されると、わたしの心も揺らいじゃうかも
しれないでしょ?」
と、言葉を続けるー
”いや、今のは良くなかったか?押せば本当の恋人になれると思われるかも??”
そんなことを思いながら、麻奈美に憑依している幹夫は
咄嗟に「あ、いやー、あと……わたしも申し訳ない気持ちになっちゃうからー」と、
恭介が気にしそうなことも口にしたー
「そ、そっかー…そうだよなー」
いつまでも落ち込んでいたことで麻奈美に気を遣わせてしまっているー、と
気にしていた恭介には、その言葉は”よく効いた”ー。
「ーわかったー。約束するー
今日は本当にありがとう」
恭介はそんな言葉を口にしー
麻奈美は「うん」と、安心した様子で頷いたー。
麻奈美の身体のまま帰宅した恭介は、
部屋で少しだけ、名残惜しそうに麻奈美の姿を
鏡で見つめたもののー
遊園地ではしゃぎすぎたからか、
デートの片づけをして、お風呂に入って、
すぐに寝落ちしてしまったー
昨日と同じくー
お風呂でずっとドキドキしていて
時間がかかったのも、理由の一つかもしれないー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
「ーーは~~~~~」
目を覚まして頭をかこうとして、
麻奈美の長い黒髪が手に触れるー
「あぁ…そうか、まだ星村さんの身体だったんだー」
麻奈美はそう呟くと、
昨日のデートの片づけを完璧に終えて、
その痕跡を消し去るー。
そして、麻奈美の身なりを整えて、
そのまま”解放”しようとするー。
「ーーこんなに長い間憑依しちゃってごめんなー…」
鏡に映る麻奈美に向かって、
そう呟くー。
けれどー
もちろん、麻奈美本人がこんなことを許してくれるとは思っていないー
幹夫は幹夫なりに気を遣ったつもりだー。
最後まで、麻奈美の身体でエッチなことはしていないしー
いやー胸を触ったり、服を漁ったりはしてしまったけれどー
必要以上にエッチなことはしていないー。
それに、本人を傷つけるようなことも恐らくはしていないー…とは思うー。
もちろんー
それでも本人がこのことを知れば怒るだろうし、
麻奈美が数日間意識が飛んでいることを知れば
当然強い不安を覚えると思うー。
「ーー…まぁ…責任は全部俺が取るよー…」
麻奈美は静かにそう呟くと、
「じゃあ…身体を貸してくれてありがとうー」と
小声でそう呟きー、
麻奈美の身体から抜け出そうとしたー。
しかしー…
そこで、幹夫は”異変”に気付いたー
「あ、あれー…?」
目を閉じていた麻奈美が目を開くー。
”憑依薬”の説明書らしきものに書かれていた
”憑依から抜け出す方法”を試しているのだが、
憑依から抜け出すことができないー。
「おかしいな…」
幹夫は少し不安を感じながらも、
もう一度憑依から抜け出そうと試してみるー。
しかしー
何をしても、幹夫は麻奈美の身体から抜け出すことは
できなかったー
「ーえ……いや、いやいやいやいやいや」
鏡に映った麻奈美も焦っているのが分かるー
麻奈美の身体から必死に抜け出そうと、
何度も何度も、説明書に書かれていた方法を試す幹夫ー
だがー
ついに、麻奈美から抜け出すことはできないままー
その日の夜を迎えてしまいー、
”何をしても、麻奈美から抜け出すことはできない”ということを
現実として受け入れざるを得ない状況になってしまっていたー。
「ーーう…嘘だろー…?」
麻奈美は呆然としながら、部屋で一人そう呟くー。
このままだと、霊体になって麻奈美に憑依したままの幹夫自身は
”消息不明”になってしまうしー、
麻奈美自身は、このまま幹夫に身体を奪われたままー
本人からすれば”死んだも同然”になってしまうー
「ど、どうすればー…?」
麻奈美はそう思いながらも、
結局、深夜になっても抜け出すことはできずー
ついに、幹夫はある決断を迫られていたー
「くそっ…明日学校じゃんかー…
とりあえず金曜日と同じように星村さんのフリをしながら
生活するとしてもー……」
”時間切れ”で元に戻れたりするはずー
そんな、微かな希望を抱きながら
”麻奈美の身体から抜け出すことができるその日まで”
麻奈美として過ごすことに決め、幹夫は
麻奈美の身体で大きくため息をついたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからー
1ヵ月ー
麻奈美の身体から抜け出すことができないままー
幹夫は麻奈美として過ごしたー
既に、幹夫は”失踪”扱いー。
「ーーーーーー」
麻奈美の身体で過ごすことにも完全になれて
考え方も女子っぽくなってきてしまっていることに
危機感を覚える幹夫ー
しかもー
妙に恭介のことを”異性として意識してしまう”ようになりー
元に戻ることもできない不安から
幹夫は、麻奈美の身体でついに恭介を呼び出したー
「ーーあ…あの…星村さんー?」
遊園地デート以降”普通の会話”をすることは時々あっても
特別な会話はしてこなかった恭介ー
急に麻奈美に呼び出されたことで
”もしかして告白される?”などと、ほんの少し
期待してしまっているのも事実だったもののー
麻奈美の口から発された言葉は、
恭介の予想をはるかに超える内容だったー
「ーあ…あのさー」
麻奈美が気まずそうに口を開くー
「実はーーーわたし…いや、俺さー」
麻奈美はそう切り出すと、
全てを恭介に対して話したー
「ーーーーーえ……え……
えええええええっ!?」
幹夫が失踪していたことを気にしていた
恭介は、”麻奈美に幹夫が1ヵ月前…あの遊園地デートの頃から憑依している”
ことを聞かされて、驚きの表情を浮かべたー
③へ続く
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コメント
ついに憑依が発覚…!
ずっと乗っ取られたままの麻奈美は災難ですネ~…
明日も引き続き、通常の更新と
この600万アクセス記念作品の2本立ててでお送りします~!
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