過酷ないじめを受け続ける男子生徒ー。
そんな彼を唯一心から気遣っていた少女ー。
入れ替わった二人の運命はー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー…」
泰明(萌奈)が泰明の家に”帰宅”するー。
泰明の母親は
”良くも悪くも無関心”ー
何も、干渉してこないー
入れ替わってから数週間が経過したー
けれどー…
母親は全くの無関心だったー。
”入れ替わった状態で生活する”という点においては
好都合なのかもしれないー。
けれど、父親もいない様子の泰明からしてみれば、
家庭にも居場所はなかったのかもしれないー
そしてー
部屋に戻った泰明(萌奈)は、
少し前に”あること”に気付いていたー
入れ替わったことに少なからず動揺し、
今まで気づかなかったー
もしかしたら、”向こう”もこのことにまだ気づいていないのかも
しれないー
すぐにでも
”気づいたこと”を実行に移すこともできたー
けれどー
萌奈はそれでも、泰明のことが心配だったー
「小野田くんー……」
”このままではいけない”
泰明(萌奈)はそう思うー。
どうして”ここまでするのか”
自分でも、時々そう思うことはあるー。
泰明は別に弟でも兄でもないし、
元々学校で特別親しかったわけでもないー
恋愛感情も、ないー。
嫌いとかではなく、彼女・彼氏の関係ではない、ということだー。
ただ、いじめを放っておくことはできずに、
助けたいという気持ちだけはホンモノで
心の底から泰明のことを助けたい、とそう思っていたー
仮に、いじめの対象が笠本教官だったとしても、
生徒会副会長の美彩であったとしても、
萌奈はきっと、手を差し伸べたと思うー。
”見て見ぬふり”をした方が、楽かもしれないー
身体を入れ替えられて、自分自身を”不登校”にされて、
きっと親も心配しているー
そんな状況ー
最悪の場合、”萌奈”の将来を壊されてしまうかもしれないこんな状況ー
それでも、萌奈が泰明のことを未だに助けたいと思っているのはー
萌奈の生まれ持っての性格ー
小さい頃から、両親に”人には優しくありなさい”と教えられていたからこその
萌奈の性格ー。
「ーーー……」
泰明(萌奈)は色々なことを考えるー
全てを解決させるためにはどうすれば良いのかー。
泰明になってみて
”泰明”が自力でいじめを解決することは
本当に難しいことだと分かったし、
想像以上に辛い日々も実感できたー
”お前に僕の気持ちは分からない”という言葉は
泰明の言う通りだったと思うー
どんなに寄り添っているつもりでもー
”当事者”にならなければ分からないこともあるのだー
泰明の身体でー
ここまで進行してしまったいじめを解決するにはーー
それこそ、笠本”教官”たちをボコボコにするだとかー
そういう強引な手段に出るか、
あるいは転校するかー、
相当な悪だくみをして、笠本教官たちの人生が壊れるレベルで
悪評を立たせるかー
そういう、過激な方法しか、もうないー。
美彩は、”小野田くんに叩かれた~”などと、
一部の生徒に相談していて、いじめは
よりエスカレートしているー。
そんな、過酷な状況ー
「ーーーーー…」
泰明(萌奈)は
”早く元に戻らなくちゃ”という不安もある中ー
泰明の心を呼び覚ますためにー
あることを決意して「ーー小野田くん…わたし、
小野田くんのこと、ゴミなんて思ってないからー」と
悲しそうにそう呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー」
部屋に引き籠りながら
学校での、萌奈のキラキラした幸せそうな雰囲気は
見る影も無くなっていたー
萌奈(泰明)は部屋の鏡に映る”萌奈”の姿を見て
思わず笑みを浮かべるー
「ー倉本さんも、僕と同じゴミになるんだー」
ボサボサの髪ー
生気のない目ー
そこに幽霊のように不気味な笑みを浮かべた
萌奈の姿が鏡に映っているー
「ー倉本さんの輝きを奪ってやったぞー
キラキラを奪ってやったぞー
ひひひ…ひひひひひひひひひひ」
虚ろな目で笑う萌奈(泰明)の姿は
もはや、クラスの人気者だった萌奈などではなかったー。
両親も困惑して、母親に至っては
萌奈のあまりの豹変に泣いてしまっているー。
「ーーーそうだー」
萌奈(泰明)は笑みを浮かべるー
「みんなに見せてやろうー
キラキラを失った倉本さんをー」
そう呟くと、”僕を見下して優越感に浸ってた罰だ!”と、
嬉しそうに笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「ーーー!!!」
泰明(萌奈)が驚くー
いやー、
教室中の誰もが驚いたー
突然、不登校になり、
音信不通になっていた
萌奈(泰明)が学校にやってきたのだー
しかしー
髪はボサボサで、目には生気がなくー
歩き方も、おかしいー
「ーーー」
オドオドとした様子で座席に向かうと、
一瞬”泰明”の座席に向かおうとしてしまったのか、
不自然な位置を歩きながら
萌奈の座席に座り、そのまま誰とも話すことなく
机に顔を伏せたー
戸惑うクラスメイトたちー
萌奈の友達の一人が、萌奈(泰明)に声を掛けるー
しかし、萌奈(泰明)は答えないー。
「ーーー……」
泰明(萌奈)はすぐにでもやめさせたかったー。
”わたしの身体でそんなことしないでよ!”と
叫びたかったー
けどー
それは、しなかったー。
親を悲しませたくないしー
友達に変な風に思われたくないという想いも当然あるし、
自分の将来に影響が出る可能性も心配だったー
”でもー…”
ここまで歪んでしまった泰明の心に
もしも、言葉が届くのだとすればー…
”その時”が来るまで待つしかないからー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからさらに時が流れたー
萌奈(泰明)は、周囲から人が離れていき、
みるみると学校で孤立したー
女子トイレで、”まるでお化け”のような
生気のない萌奈の顔を見て
萌奈(泰明)は勝ち誇った笑みを浮かべるー
「お前のキラキラを奪ってやったぞー
安全地帯からいつもいつも僕を見下してー
でも、今は違うー
お前も、僕と同じだー」
ニヤニヤしながら
狂気の笑みを浮かべる萌奈(泰明)ー
猫背で鏡の前に立ちながら
一人笑っている萌奈を見て
萌奈の友達だった女子生徒は”気持ち悪い”と
思いながら、声もかけずに立ち去っていくー。
そしてー
泰明(萌奈)へのいじめは続きー、
明らかに精神的に泰明(萌奈)が疲弊しているのは
萌奈(泰明)から見ても、すぐに分かったー
”僕のことなんて、僕の気持ちなんて、何も分からないくせにー
何が僕のことを心配して、だー”
その日の放課後ー
泰明(萌奈)は呆然とした表情で、雨の中、傘もささずに、
一人、公園のベンチで座っていたー。
「ーーーーー」
それを見て、萌奈(泰明)はついに動いたー
「ーこれが、僕の苦しみだよー
僕の気持ちなんて、何も分かってなかっただろ」
萌奈(泰明)は、ボサボサの髪でー
まるで別人のようになった”萌奈”の姿を見せ付けるようにしながら
まるで幽霊のように笑い始めるー。
「ーーーーー僕を見下していた罰だ!
お前のキラキラも、ぜんぶ、ぜんぶ奪ってやった!」
嬉しそうに叫びながら”ボロボロになった萌奈”の身体を見せ付ける
萌奈(泰明)ー
「ーこれで、倉本さんも僕と同じだー!
僕みたいに、嫌われ者になったんだ!
あはっ!あははははははははははっ」
嬉しそうに笑う萌奈(泰明)ー
いじめが始まってから、泰明が笑ってるのなんて見たことないー。
「ーーーこれで、満足ー?」
泰明(萌奈)は、雨に濡れたまま
萌奈(泰明)のほうを見つめたー
「あぁ、満足だよ!
僕を見下した罰だ!」
「ーあはははっ!あははははははっ!」
萌奈(泰明)は傘を放り投げて嬉しそうに両手を広げて笑うー。
「ーーー……これでー」
泰明(萌奈)がそんな萌奈(泰明)を見てふと呟くー
「ーわたし、小野田くんの辛いの、全部、知ることができたねー…」
とー。
「ーーーーー…」
萌奈(泰明)は険しい表情浮かべるー。
「ーわたしは、小野田くんになって、小野田くんの辛いこと
知ることができたし、
わたしの身体もー小野田くんの思い通りにー…
小野田くんの言う、キラキラー?
わたしにはよく分からないケド、それがなくなったわたしになったー
全部…ぜんぶ、小野田君の思い通りになったねー」
泰明(萌奈)は悲しそうに呟くと、
萌奈(泰明)に対して言葉を続けたー
「ーでも、小野田くんは本当にそれで満足なのー?」
とー。
「ーーなんだと」
萌奈(泰明)が濡れたボサボサの髪を揺らしながら
怒りの形相を浮かべるー
もはや、萌奈の姿は幽霊のようにすら見えるー。
「ーーーわたしを苦しめてー
わたしを壊してー
そのあと、小野田くんはどうするのー?
小野田くんが、それで幸せになれるのー?」
泰明(萌奈)が言うと、
萌奈(泰明)は口をぽかんと開けたまま考えるー
この先はー
どうするー?
この先ー?
萌奈を壊したっていじめは止まらないー
萌奈を苦しめたって、いじめは止まらないー
萌奈をどうしようがー、あいつらはー笑っているままー
「ーーー…そ、それはー」
萌奈(泰明)は、目をふらふらと泳がせるー
萌奈のことを”僕の見下している”と勝手に怒りを抱きー、
身体を入れ替えて、
泰明になった萌奈に”僕と同じ苦しみ”を与えて、
萌奈の身体を”僕と同じ不登校・嫌われ者”に追いやったー
でもー
その先にはー
「ーーー……う、うるさいっ!僕はー!僕は!」
入れ替えられてしまった萌奈はー
”あえて”
泰明が満足するまでー
やりたいようにやらせてあげようと考えて
ここまでずっと我慢してきたー
それがー
歪み切ってしまった泰明を唯一救うことができる方法だと信じたからー
「ー入れ替わってー、小野田君と過ごしてー
わたし、もう十分、小野田君の苦しみを味わったー
本当に辛かったと思うー
でもー、
これじゃ、小野田くんにとって何の解決にもならないー
わたしが苦しんで満足したー?
わたしを壊して満足したー?
考えてみてー
今、これで小野田くんは、本当に満足なのー?」
”あえて”泰明に目標を達成させてみせた泰明(萌奈)ー
萌奈(泰明)は雨に濡れながらー
”自分が何を得たのかー”を考えるー
萌奈を壊したー
萌奈に苦しみを与えたー
今、この瞬間は”勝者の余韻”に浸っていてもー、
泰明が今後、幸せになるわけではないしー
そもそも、怒りをぶつける場所も間違っているー
”仕返し”で身体を入れ替えて苦しめるならー
何も自分を守ろうとしてくれた萌奈ではなくー
笠本教官なり、美彩なり、いじめっ子たちが相手でも良かったのだー
”自分は幸せになれず”
”他の誰も幸せになれず”
”何かを得たわけでもなく”
”いじめを解決できたわけでも”
”いじめっ子たちに仕返しできたわけでもない”
何もー
何も、なかったー。
「ーーーー」
目標を”達成”してみて、
始めて自分は”何のためにこんなことをしたのか”という
罪悪感に襲われるー
雨に濡れたまま、
膝を折って、
髪で顔が隠れたまま、
ぶつぶつと呟き始める萌奈(泰明)ー
「ーーー…もう、やめようー
わたし、小野田くんがこんなに苦しんでるなんて思ってなかったー
でも、今は違うー
こうやって小野田くんとしていじめも経験したし
わたしの身体も、小野田くんに…そんな風にされちゃったー
今なら小野田くんの苦しみも前より、もっと分かるからー
だからー
お願い、もうわたしの身体を返してー」
その言葉に、
萌奈(泰明)が顔を上げるー
「僕にこんなことされても、怒ってないの?」
ずぶ濡れの制服で、萌奈(泰明)が言うと、
泰明(萌奈)は少しだけ笑ってからー
「ーー怒ってるよー… わたしだって神様じゃないもんー」
と、だけ言うと、
「ーでもーーー…大丈夫ー。
一番悪いのは、笠本くんたちでしょ?
小野田くんは、いじめられてなければこんなことしなかったんだからー」
泰明(萌奈)はそれだけ言うと、
萌奈(泰明)が唇を噛みしめるー。
「ーーー倉本さんを、こんなにしちゃったけどー」
幽霊みたいなオーラすら感じる萌奈(泰明)ー。
その言葉に、泰明(萌奈)は
「ーーーう~ん…大丈夫ーなんとかなるから」と、
信頼をまた取り戻す決意を口にしてそう言い放つー。
「ーだから
一緒にがんばろ? ね?」
泰明(萌奈)が、手を差し伸べるー
こんなひどいことをされても、なお、手を差し伸べる萌奈はー
本人は否定していたものの、神様に近いぐらい、優しいー。
けれどー
萌奈(泰明)はなおも手を振り払ったー
「でた!それだよ!やっぱ、お前は僕を見下しているー!
手を、”上から”差し伸べてるー
”キラキラした場所にいるわたしが、ゴミ箱にいるやつを
救ってあげてる”
そんな顔だよー!」
萌奈(泰明)が叫ぶー
「こんなに僕と同じ目に遭わせても!!!
まだそうやって僕をキラキラした場所から見下すのか!」
その言葉に、
泰明(萌奈)は悲しそうな表情を浮かべるー
「ー安全地帯?わたしがー…?
小野田くんの身体になって小野田くんと同じ思いをしてー
わたしの身体だって、そんな風にされちゃったのに、
まだわたしが安全地帯にいるっていうのー?
違うよー!
わたしは小野田くんのこと、本当にー!」
泰明(萌奈)が言うと、
萌奈(泰明)は「僕を見下して楽しんでー!」と
怒りの形相で泰明(萌奈)を睨みつけたー。
「ーー僕がゴミなら、お前はクズだ!!
このクズ女!」
その言葉にーーー
泰明(萌奈)は強いショックを受けると同時にー
「ーーそっかー…クズでごめんね」
と、呟いたー
スマホを取り出して、泰明(萌奈)は
”入れ替わりアプリ”を起動したー。
泰明は気づいていなかったのかー、
入れ替わった後も”スマホがそのまま”の状態でー、
泰明になった萌奈が泰明のスマホを持った状態だったー
つまりー
”いつでも”萌奈は元に戻ろうと思えば、
戻ることが、恐らくできる状態だったー
泰明(萌奈)も途中でそれに気づいたものの、
それはせずに、萌奈(泰明)が気の済むまで待っていたー
そうすれば、萌奈(泰明)も、”こんなことしても何もいいことなんてない”と
気付いてくれると信じてー
けど、ダメだったー。
泰明はどんなに手を差し伸べても、その手を払いのけて来るー
いやー
それだけじゃないー
”助けようと差し伸べた手を斧で切断するようなー”
そんな、行為をされてしまっては、
もう、萌奈と言えど、泰明に手を差し伸べることはできないー
泰明のスマホには何のロックも掛かっていないことを
泰明(萌奈)は既に確認していたー
「ーーー…ごめん、もう、身体、返してー」
泰明(萌奈)がそう言って、泰明のスマホで入れ替わりアプリを起動するとー
萌奈(泰明)は驚いた表情を浮かべるー。
萌奈のスマホには、最初に入れ替わった時に泰明が強引に萌奈にスマホに入れた
”入れ替えられる側”向けのアプリが入っているー
萌奈のスマホは暗証番号でロックされているため、
萌奈(泰明)はスマホをいじることができておらず、
入れ替わりアプリを消すことはできていないはずー
「ーーー」
ボタンを押す泰明(萌奈)ー
次の瞬間、最初と同じような衝撃を感じてー
直後、”自分の身体”に萌奈は戻ったー
すぐにスマホを操作して泰明に勝手にインストールされた
アプリを消すー。
これで、もう入れ替わりはできないはずー
「ーーーーー!」
元の身体に戻った泰明が驚いて萌奈のほうを見つめるー
ボサボサの髪の萌奈は、
悲しそうに泰明のほうを見つめたー
「ーー小野田くんのことー守ってあげられなくてー
助けてあげられなくてーごめんね」
目から涙をこぼす萌奈ー
「ーでもーーここまでしても分かってくれないなんてー
もう、無理ー。
わたしにはーもうーーー無理」
萌奈はそれだけ言うと、
泰明に背を向けたー
雨の中会話していたため、
お互いがズブ濡れになっている中、
萌奈は悲しそうに言葉を付け加えたー
「ー…小野田くんが、嫌みたいだからー
わたし、もう、何もしないからー」
当然、いじめに加担する気など全くないし、笠本教官らは
許せないー
けど、もうー、泰明のことも、助けてあげられないー
ここまでされてもー
泰明を助けたいと思っていた萌奈ー
けれど”クズ女”と言われて、もう
我慢の限界を超えてしまったー。
本当にー
優しさの塊のようだった萌奈の気持ちを
泰明は切ってしまったー。
「ーーー…い……いや…待って」
泰明は、萌奈に見捨てられると思ってなかったのか
呆然とした表情を浮かべるー
「ーーー…ごめんーーもう嫌ー」
萌奈は泣きそうになりながらそう呟くー
「小野田くんが悪いんじゃないのは分かってるー
悪いのは小野田くんをこんな風にしちゃったいじめー
でも、もう無理ー。わたしには無理ー。
だってー
小野田くんを助けようとしてもー
クズって言われちゃうんだもんー
もうーー無理」
萌奈はボサボサの髪のままそう言うと
傘を拾ってそのまま
立ち去ってしまったー
「ーま、待ってー
待ってくれ!僕をー僕を助けてくれ!
僕を守って…守って!!」
泰明はそう叫んだがー
普段怒らない萌奈を怒らせてしまった泰明はー
もう、萌奈に振り向いてもらえなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから1ヵ月ー
萌奈は入れ替わっていたことは言わずー
両親に、学校の友達たちにひたすら謝り続けてー
あとは持ち前の優しさと明るい性格でー
信頼を取り戻していたー
”精神的に酷く落ち込んでいた”ということにして
泰明にされたことは黙っているー
今でもボサボサ髪で登校したことや、
幽霊のような振る舞いをネタにされたり、
家族に心配されたりするものの、
萌奈は、泰明のために、と何も言わず
”自分のせい”ということにして、
泰明のことを悪く言うことは誰にもしなかったー。
それが、萌奈の最後の優しさー
萌奈は思うー
悪いのは、いじめー
でもーーー
救いの手をどんなに差し伸べてもー
それを掴もうとしてくれなければー
もうー
どうすることもできないー
「ーーーーー………」
悲しそうに”空っぽの座席”を見つめる萌奈ー
以降ー
萌奈が泰明に関わることも、
泰明が学校に登校してくることも、
卒業まで、2度となかったのだというー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最初からこの結末にする予定でしたが
書いている途中にハッピーエンドバージョンも浮かんだので
少しだけ迷いました~笑
でも、当初の予定通りに書き終えました…★!
お読み下さりありがとうございました~!
コメント
身体を入れ替えられても、萌奈に泰明を助けようという、余裕みたいなのが割とあったのは、いつでも元に戻れるという状態だったからなんですかね?
この話、もし二度と戻れないような入れ替わり方法で入れ替わっていたとしたら、萌奈がどういう反応してたか気になります。
永遠に元に戻れない状態になってもなお、泰明を許せて、助けてあげようと思えるなら、凄まじいくらいの聖人だと思いますけどね。
コメントありがとうございます~!☆
すぐに戻れる状態にあることに気付いたのは途中(③の前半あたり)なので、
それまでは戻れないかもしれない状況の中、
助けようとしていた状態ですネ~!
もし永遠に戻れない状態のまま、この物語のような結末に
なった場合は、泰明の身体で何とか生きて行こうとする…と、思います~★
ハッピーエンド.verもアップロードする予定はありますか?
コメントありがとうございます~!☆
頭の中では完成しているのですが、実際に書いたわけではないので、
今のところは掲載予定はないですネ~…!
せっかくなので、何らかの機会に形にできれば、と思いますが
まだ今のところは未定デス…!